ASCII Power Review 第264回
バッテリーは約14時間駆動です
Copilot+PCはペンで使いたい=14型2in1ノート「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」実機レビュー
2024年10月21日 10時00分更新
日本HPは、Lunar Lake世代の「Core Ultraプロセッサー シリーズ2」(CoreUltra2)を採用した2in1PC「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」を発売した。
このプロセッサーはx86アーキテクチャーを採用しつつ、40~48TOPSのNPUを内蔵。従来アプリとの互換性を確保しつつ、Copilot+ PCの標準AI機能や、サードパーティー製NPU対応アプリを利用可能だ。AI PCに搭載されるプロセッサーの大本命と言える。
日本HPから試用機を借用したので、使い勝手や最新プロセッサーのパフォーマンスにスポットを当てて、詳細実機レビューをお届けしよう。
プロセッサー、メモリー、ストレージ、ペン異なる
3つのモデルを用意
「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」(以下Flip14)は、OSに「Windows 11 Home」、プロセッサーに「Core Ultra 5 226V」(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、最大4.5GHz、17W)、「Core Ultra 7 258V」(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、最大4.8GHz、17W)、「Core Ultra 9 288V」(8コア[4P+4LPE]、8スレッド、最大5.1GHz、17W)の3種を採用。メモリーは16GB/32GB(LPDDR5x-8533MT/s)、ストレージは1TB/2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。
Core Ultraプロセッサーシリーズ2は、NPU、GPUも差別化されている。NPUはCore Ultra 5 226Vが40TOPS、Core Ultra 7 258Vが47TOPS、Core Ultra 9 288Vが48TOPSを実現。GPUはCore Ultra 5 226Vが「Intel Arcグラフィックス130V」(53TOPS)、Core Ultra 7 258V/Core Ultra 9 288Vが「Intel Arcグラフィックス130V」(64TOPS)だ。
Flip14はプロセッサー、メモリー、ストレージ、そしてペンの有無が異なる下記の3モデルが用意されており、用途と予算に応じて選択できる。プロセッサー、メモリー、ストレージはカスタマイズできないので慎重に選んでほしい。
・スタンダードモデル(14-fh0000TU)24万9700円
Core Ultra 5 226V/RAM16GB/SSD1TB/ペンなし
・パフォーマンスモデル(14-fh0001TU)29万9200円
Core Ultra 7 258V/RAM32GB/SSD1TB/ペンあり
・スプリームモデル(14-fh0002TU)34万9800円
Core Ultra 9 288V/RAM32GB/SSD2TB/ペンあり
ほかのスペックは共通。ディスプレーは14型2.8K OLED(2880×1800ドット、16:10、400ニト、48~120Hz、DCI-P3 100%、テュフ・ラインランドEyesafe認証、タッチ対応、ペン対応)。スピーカーはPoly Studio クアッドスピーカー、マイクはデュアルマイクを搭載している。
インターフェースは、Thunderbolt 4(40Gbps、Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能)×2、USB Type-C(10Gbps、Power Delivery、DisplayPort 1.4a、電源オフUSBチャージ機能)、3.5mmコンボジャックを用意。ふたつのType-C端子は背面の「角」に斜めに配置されており、右の端子はお互いに干渉しにくくなっている。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポート。
本体サイズは約313×216×14.9mm、重量は約1.34kg。バッテリーは設計容量6万4006mWhのリチウムイオンを搭載。バッテリー駆動時間は最大20時間と謳われている。
Copilot+ PCのAI機能に加え
HP独自のAIツール「HP AI Companion」を搭載
本製品はCopilot+ PCの要件を満たしている。Copilot+ PCに先行提供される「リコール」(10月にWindows Insiderで提供予定)、「コクリエイター」、「ライブキャプション」などのAI機能を利用可能だ。
また、Flip14にはHP独自の生成AIツール「HP AI Companion(ベータ版)」がプリインストールされている。このツールではAIチャット機能「Discover」、ドキュメントの分析機能「Analyze」、デバイスの設定を最適化する「Perform」などを利用可能だ。
ハードウェア的には、ディスプレーを360度回転可 能なヒンジ機構を装備。用途に応じてノートブック、スタンド、テント、タブレットモードに変形できる。HPはディスプレー360度回転型2in1PCを数多く手がけており、本製品もヒンジの剛性が高いようだ。
また、パフォーマンスモデルとスプリームモデルに同梱されるスタイラスペンは、磁力で右側面に固定可能。同時に充電はできないが、ちょっと部屋を移動するときなどに重宝しそうだ。
OLEDディスプレーは14型で、2.8Kの2880×1800ドットと解像度が高く、400ニトと屋外で使えるぐらい輝度が明るい。また色域はDCI-P3 100%と広く、リフレッシュレートは48~120Hzに対応。ゲームや動画を滑らかに表示可能だ。
キーボードのキーピッチは約19.0×19.0mm、キーストロークは約1.0mmを確保。またすべてのキーが独立した、日本語配列専用設計となっている。さらに、感圧タッチ&触覚フィードバック仕様の「ハプティックタッチパッド」は実測138×86mmと大きめ。HPらしく、しっかりとコストをかけた入力デバイスだ。
ウェブカメラの解像度は約900万画素となっているが、やや精細さに欠ける。またノイズが少々目立ち、発色も青みがかっていた。RGBカメラとIRカメラを兼ねたハイブリッド式なので限界があるとは思うが、発色については改善されることを期待したい。
速度計測では「Core Ultra 7 258V」で最速
バッテリーは約14時間駆動
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回は「Core Ultra 7 155H」を搭載する「Swift Go」、Flip14と同じく「CoreUltra 7 258V」を搭載する「ASUS Zenbook S 14」とベンチマークスコアを比較している。
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