ASCII Power Review 第192回
歴代Foldを使い倒してきたジャイアンが斬る
「Galaxy Z Fold4」実機レビュー = Fold3と比べたら絶妙なチューンアップで究極の2つ折りスマホになっていた!
2022年11月05日 10時00分更新
auとドコモから登場した、サムスンの横開きフォルダブルAndroidスマホ「Galaxy Z Fold4」。噂されていたSペンの内蔵は見送られたものの、最新SoCの採用、メインカメラの高画素化、望遠カメラの倍率アップ、そしてキャリア向けGalaxyスマホとしては初めてeSIMに対応するなど、さまざまなアップグレードが施されている。
今回はまずは外観上の変化を確認したのち、パフォーマンスやカメラ画質がどのぐらい進化しているのかチェックしていこう。
画面比率は一見地味な変化
しかし使い勝手は大きく変わる
Galaxy Z Fold4はOSに「Android 12」、SoCに「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1」を採用。メモリー(RAM)は12GB、ストレージ(ROM)は256GBを搭載している。
ディスプレーは、メインに約7.6インチ有機EL QXGA+(2176×1812ドット、374ppi、21.6:18、HDR10+対応、最大120Hz)、サブ(カバー)に約6.2インチ有機EL HD+(2316×904ドット、402ppi、23.1:9、120Hz)を搭載している。
Galaxy Z Fold3はメインが約7.6インチ有機EL QXGA+(2208×1768ドット、374ppi、22.5:18、HDR10+対応、最大120Hz)、サブ(カバー)が約6.2インチ有機EL HD+(2268×832ドット、387ppi、24.5:9、120Hz)だったので、Galaxy Z Fold4はメイン、サブ(カバー)ディスプレーのどちらも画面の比率が変更されているわけだ。
またGalaxy Z Fold4はディスプレーの設定に「明るさを増大」という項目が追加されており、Galaxy Z Fold3よりも画面の輝度を引き上げることが可能である。
カメラは下記の5つを搭載している。
・12MP超広角カメラ(F2.2、1.12μm、123度)
・50MP広角カメラ(F1.8、1.0μm[12MP 2.0μm]、85度)
・10MP 3倍光学ズーム望遠カメラ(F2.4、1.0μm、36度)
・10MPカバーカメラ(F2.2、1.22μm、85度)
・4MPサブカメラ(F1.8、2μm、80度)
広角カメラがGalaxy Z Fold3の12MPから50MPに高解像度化、望遠カメラが2倍光学ズームから3倍光学ズームに高倍率化されている点が大きな進化点だ。
通信機能は5G(ミリ波対応)、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.2、NFC、FeliCa、USB Type-Cに対応。前述のとおりキャリア向けGalaxyスマホとしては初めてeSIMに対応しており、物理nanoSIMカードと組み合わせてデュアルSIMでの運用が可能となった。
本体サイズは開いた状態で130.1×155×6.3mm、閉じた状態で67×155×14.2mm、重量は約263g。Galaxy Z Fold3の271gより8g軽量化されている。バッテリーは4400mAhを内蔵しており、au版の連続通話時間は約2050分、連続待ち受け時間は約370時間だ。
Galaxy Z Fold 4とGalaxy Z Fold3を使い比べて感じたのは、ディスプレーの横幅拡大が想像以上に使い勝手を大きく変えていることだ。
メインディスプレーでは画面を広く感じ、カバーディスプレーではQWERTYソフトウェアキーボード利用時に明らかにボタンを押しやすくなっている。画面比率は一見地味な変化だが、使い勝手を大きく変えていることは間違いない。
Fold4(左)は閉じた状態で67×155×14.2mm、Fold3は67×158×14.4mm。カバーカメラはどちらもパンチホール仕様。Fold4はヒンジ側のベゼルが大きく狭められている。縦長スマホとしても違和感はない
Fold4(左)のメインディスプレーは7.6インチ(2176×1812ドット)、Fold3は7.6インチ(2208×1768ドット)。Fold4はディスプレーの設定で「明るさを増大」をオンにすると、3よりも画面の輝度を引き上げられる
速度は現行スマホ最高レベル
AnTuTu Benchmarkで1019430を記録
Galaxy Z Fold4はSoCに「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1」、Galaxy Z Fold3は「Qualcomm Snapdragon 888」を搭載している。定番ベンチマークを実施したところ、Galaxy Z Fold4はGalaxy Z Fold3に対して、「AnTuTu Benchmark V9.4.4」の総合スコアは132%相当の1019430、「Geekbench 5.4.4」のMulti-Core Scoreは120%相当の4046、「3DMark」のWild Life Extremeは193%相当の2841を記録した。
正直、Galaxy Z Fold3でも十二分なパフォーマンスを備えているが、Galaxy Z Fold4は動画編集・書き出しや、最新3Dゲームを最高品質でプレイした際に、ハイパフォーマンスの恩恵を受けられるはずだ。
Fold4の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは1019430、「Geekbench」のMulti-Coreは4046、Single-Coreは1319、Computeは6324、「3DMark」のWild Life Extremeは2841
Fold3の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは773902、「Geekbench」のMulti-Coreは3362、Single-Coreは1102、Computeは4648、「3DMark」のWild Life Extremeは1471
Fold3よりFold4のほうが
広角、超広角、望遠カメラのすべてで色が強め
Galaxy Z Fold4は、広角カメラが12MPから50MPに高解像度化、望遠カメラが2倍光学ズームから3倍光学ズームに高倍率化されている。今回同じシチュエーションで撮り比べてみたが、画質という点では大きな差はないように感じた。
ただGalaxy Z Fold4のほうが、広角、超広角、望遠カメラのすべてで色が強めに出る傾向があった。個人的にはGalaxy Z Fold4のほうが色味は好みだ。
ただし、サムスンは従来モデルに対してもカメラ画質の改善を続けており、今後Galaxy Z Fold3の色味も変更される可能性がある。買い換えを悩んでいる現Galaxy Z Fold3ユーザーの方は、今後数ヵ月のアップデートを待ってから判断してもよいだろう。
一方、望遠カメラの倍率向上の効果は大きい。10倍で両機種を見比べてみると解像感の差は圧倒的だ。個人的にはGalaxy Z Fold4の10倍なら23インチディスプレーで全画面表示しても鑑賞に堪えると感じた。遠景を撮影する機会が多いのなら、機種変更して大きな満足感を得られるはずだ。
Galaxy Z Fold4

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