ゲーム向けのモデルも増加中!
この冬注目のWi-Fi 6ルーター
2019年9月に約5年ぶりに登場したWi-Fiの次世代規格となるIEEE 802.11axこと、Wi-Fi 6。これまでのIEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)からのスピードアップは当然のこと、複数台同時接続の強化や、省電力性の向上など魅力がいっぱい。
次世代規格の対応製品登場時のご多聞に漏れず、Wi-Fi 6対応ルーターは高価なハイエンド製品が多く、対応するパソコンやスマホも少なかった。ところが、2020年からアイ・オー・データ機器や、NEC、バッファローといった国内メーカーが続々とWi-Fi 6ルーターに参戦。メーカー間での競争が激化し、1万円を切るエントリーモデルや、ゲーム向け機能を搭載しつつ、1万円台となる魅力的な製品が増えている。
そのうえ、最新の「iPad Air(第4世代)」や、「iPhone 12」はもちろん、サムスン「Galaxy S20」、シャープ「AQUOS R5G」など、最新通信規格の5G(第5世代移動通信システム)対応スマホに、次世代家庭用ゲーム機の「PlayStation 5」といった、この冬注目のデジモノがWi-Fi 6搭載に至っている。
Wi-Fi 6の波は確実に押し寄せてきているので、注目デバイスの購入とともにWi-Fi環境の“買い換え”も検討したい。
Wi-Fi 6の3つの魅力
テレワークやオンライン学習といった際も、面倒なLANケーブル配線不要で快適な通信を可能にするWi-Fi 6の魅力のポイントは3つある。
- 通信速度の大幅アップ
- 複数デバイスとの同時通信が快適
- 省電力性の強化
ポイントその1
1000Mbps超の通信速度を手軽に実現
最大のポイントとなるのは、その通信速度だ。Wi-Fi 5は、4×4ストリーム(送信×受信アンテナ数)で有線LANを超える1733Mbpsの通信速度を発揮するが、実際にパソコンやスマホなどに備わっていたのは、その内部スペースなどの関係から433Mbps(1×1ストリーム)か、867Mbps(2×2ストリーム、一部は866Mbpsと表記)までの対応だった。
これがWi-Fi 6では、通信データの通り道とも言えるチャンネル幅が、80MHz幅から倍の160MHz幅に増加。パソコンなどの筐体サイズの大きなデバイスでは、160MHz幅の2ストリームで最大2402Mbpsという、Wi-Fi 5の867Mbpsから約2.8倍、有線のギガビットLANからも2.4倍アップの通信速度を実現している。
Wi-Fi 6対応スマホのチャンネル幅は、現状80MHz幅に留まっているが、それでも1200Mbpsという高速通信が可能だ。
ハイエンドモデルだけでなく、各社から1万円前後で発売されているメインストリーム向けのWi-Fi 6ルーターで、その高速性をしっかりカバーできるようになっているのもうれしいところだ。