『スペースX』のエコでハイテクな宇宙船
2020年5月末、ある宇宙船の打ち上げが行われました。が、この打ち上げは、これまでのものとちょっとばかし、いや、結構違ったのです。
その宇宙船とは『クルードラゴン』。民間企業『スペースX』の有人宇宙船で、実際に2名の宇宙飛行士が搭乗しました。そしてこの宇宙船、あのISSへのドッキングに成功したのです。これがなんとも“史上初”だったんですね! しかも、アメリカからの有人宇宙船の打ち上げは、スペースシャトルが退役してから実に9年ぶり。それにも皆が湧き立ったのです。
はたから見れば、有人宇宙船を積んだロケットを打ち上げて、ISSにドッキングといういつもと変わらない流れですが、今回はこれを“民間企業”である“スペースX” 社がやってのけたというところに大きい意味があります。
今年8月2日に無事帰還し、その後日本人宇宙飛行士・野口聡一さんが搭乗予定のクルードラゴン。それまでに、このスペースXを詳しく知った気になりましょう!
スペースX社が民間企業なのはいったん置いておいて、まずはそのロケットと宇宙船に注目してみましょう。このスペースX社が今回打ち上げたロケット『ファルコン9』と、宇宙船クルードラゴンには、これまで見られなかったいろいろな装備が搭載されています。個人的に「すげー!」と思ったのは、切り離し後、地上にまた“再利用可能な形で”戻ってくる第1段ロケットと、クルードラゴン船内の“タッチパネル”ですね! タッチパネルは普段私たちも使う機会が多いだけに、地球上では珍しくもなんともないですが、それまでのスイッチだらけの宇宙船内を知っているだけに、宇宙船内にそれがあると、何となく近代化を感じてしまいます。
そして、さらにすごいのが前者の“再利用可能なロケット”です。
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