網戸をすり抜け服に潜り込む〝虫〞
一日の仕事ノルマを終えて、やっとこさ布団の中へ。眠くなるまでの至福のニュースネットサーフィンタイム。いつものように、ニュースサイトのヘッドラインを見ていると、レベルマックスと思われるパワーワードに惹かれてしまいました。それは『スケベ虫』。なんとも昭和かつムフフ♡の香りが漂い、それこそ昭和生まれで40代、心はオッサンなせれろんやまだはリンククリック待ったなしです。
いくら虫と言えども、〝スケベ〟と呼ばれるには、それなりの根拠があるに違いない、しかもニュースのソースは真面目な新聞社です。即座にそのタイトルをクリックすると、スケベ虫の正体はなんとも『ヌカカ』という〝虫〟でした。
このヌカカ、体長は1ミリくらいと、だいたいの皆さんが知っている、足がシマシマな蚊に比べてとても小さいです。そのため、簡単に網戸とかをすり抜け、人間の衣服の中に入ってしまいます。服の中に入ってしまう、これがスケベ虫と言われる由来で、奄美大島などでそう呼ばれているそうです。エッチ虫とも言われているらしいですよ!
刺されたその時は、どうやら何も感じないようですが、しばらく(翌日以降)に刺された場所に猛烈なかゆみと腫れが起こります。場合によっては化膿してしまったりすることもあり、治るのに1週間以上、ひどいとひと月以上もかかるようです。これはしんどいです。そのあたりを飛んでいる蚊にかまれても、ぷくっと腫れるしかゆいしイラッとしますが、それがパワーアップしてしかもしばらく続くとなると、もうこれはお医者さんに行った方がいいかもしれません。奄美大島など、ヌカカが生息する地元の住民は、耳に入らないよう耳穴に綿を詰めたりするようです。これはそこに遊びに行く人たちも注意が必要です。
我々を夏場困らせる蚊もヌカカも、血を吸うのはメスです。そもそも、蚊がなぜ血を吸うかというと、〝産卵するため〟なんですね。ヒトも含め、血液は栄養たっぷりで、しかもそこかしこにありふれているので(生き物にはだいたい血液流れていますし)、エネルギー源、しかも卵の発育のためにはもってこいです。この卵の発育に必要なたんぱく質を、血液から得るんですね。それゆえ、蚊のオスや産卵期以外のメスは血を吸いません。
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