太陽熱の寒暖差で吹き荒れる金星の風
台風が来るぞー! となると、雨戸の準備や外回りの片付け、そして万が一の避難先の確認や進路情報のチェックなどがまず備えとして思いつきますが、ネット上をにぎやかすものが2つほどあります。
まずひとつはコロッケ。いつの間にかお約束となった、台風が来るからコロッケを買おう! という行為、その昔掲示板への書き込みがキッカケらしいですが、今もなおその伝統(?)が続いてるのがすごいですね。そしてもうひとつが“ごっこ”。これもまた20年くらい前に、MV(ミュージックビデオ)で風の吹き荒れる中歌って踊るミュージシャンがいたのですが(もちろん今も健在です)、そのマネをしよう! というものです。もちろん危険極まりないので、台風の中それをやるのは避けましょうですが、ごっこどころじゃない強風が吹き荒れる惑星がこの太陽系にあるのです。それが金星です。
地球と同じ岩石惑星で、自転もしているし磁力もあるんでしょ? 風くらい吹くんじゃねぇの? と思うところですが、なんと金星の強風の風速は秒速100m。地球の台風の最大瞬間風速が、強いもので80mなので、常時秒速100mの風が吹きっぱなしと考えると、ごっこどころか吹き飛ばされます。
金星の強風は『スーパーローテーション』と呼ばれ、長年謎とされてきましたが、なんと我が日本の金星探査機『あかつき』が、その謎を解明したようです! このあかつき、実は“はやぶさ”並みに紆余曲折あった探査機なのです。よくやったあかつき……!
ではでは、なんだか強制的に順番を飛ばされるような響きのある“スーパーローテーション”とは実際どんなものなんでしょうか?
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