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ASCII Power Review 第66回

フラッグシップ一眼レフを買い続けてきた岡田Cマンが徹底テスト

EOS-1DX MarkⅢ 実機レビュー = プロの道具はキレが命なのだっ!!

2020年03月09日 13時00分更新

文● 写真 岡田清孝 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 キヤノン一眼レフのフラッグシップとして「EOS-1DX MarkⅢ」が発売となった。五輪やプロなどトップクラスのスポーツでの決定的瞬間を捉えるため、AFや連写など最高峰の性能を備えたプロカメラマン向けモデルである。

 そのため一般ユーザーには縁遠いと思うかもしれない。しかし実際に撮影してみるとカメラ好きなら欲しくなる魅力的な一台だった。

2月14日に発売され量販店価格はボディーのみ88万円。高価だがプロの信頼に応える最高峰のカメラとしては妥当な価格である。

 バッテリーグリップが一体になったような大柄のボディーで重量もヘビー級。しかし両手でしっかり構えれば、左手でバランス良く底面を支えられる。おかげで小型カメラのように構えたときに窮屈にならず、思ったほどは重さを感じさせないホールド感だ。

ボディーサイズは158(W)×167.6(H)×82.6(D)mm。重量はメディア、バッテリー込で約1440g。

新インターフェース搭載
スマートコントローラーでAF操作も

 ボディーが大柄なぶんバッテリーも大容量で、撮影可能枚数はファインダー撮影時約2850枚と、一般的な一眼レフを比べても抜群のスタミナを誇る。さらに残量や撮影枚数、劣化度などの情報を確認することができるので、電源管理もしやすい。

 USBでの充電や給電はおこなえず、オプションの外部電源もACしか無いが、これだけの大容量なら予備バッテリーさえ準備しておけば電源に困ることはないだろう。

大容量のバッテリーを採用。付属の充電器も大型で、順次にはなるが2個のバッテリーを充電可能だ。

バッテリーの詳細情報を確認できるが便利。RAW+JPEGで600カット1200枚撮影した時点で残量65%とほぼ公称値通りだった。

 上面左肩には撮影モードにAFやドライブの指定ボタン。右肩には露出補正やホワイトバランスなど、撮影時によく設定する機能が単独のボタンで割り当てられ、操作はしやすい。またISO感度ダイヤルには突起があり、ファインダーをのぞいたままでも、指先の感覚で確認できるのは気が利いている。

上面の操作系はボタンで構成。露出補正は背面の電子ダイヤルでダイレクトに変更することも可能。大型の液晶パネルは視認性が良く設定の確認がしやすい。

ISO感度ボタンは触れただけでわかるように他のボタンとは形状が異なっている。

 背面にはEOSシリーズ伝統の電子ダイヤルを配置。秀逸なのが「AF-ON」ボタンに搭載された新機能の「スマートコントローラー」である。

 指の動きを光学的に検知して、なぞるだけで測距点の移動ができる。実際に使ってみると従来のマルチコントローラーと比べ、段違いにスムーズな操作感だ。感覚的には液晶画面をなぞって測距点移動をおこなうタッチパットAFに近いが、スマートコントローラーのほうが微妙な指先の動きでも敏感に反応してくれる。

 またAF-ONボタンでAFを作動させる親指AFは、以前ならAF作動と測距点移動を別のボタンで操作しなければならなかったが、スマートコントローラーの搭載で1つのボタンおこなえるようになった。おかげでAF操作は飛躍的に向上ている。

マルチコントローラーやAF-ONボタンなど上下2ヶ所に配置され、縦位置に構えても横位置と同様に操作することができる。

スマートコントローラー“AF-ON“ボタン上に装備された”スマートコントローラーは、現状もっとも優れた測距点操作だ。

 背面液晶は固定式だが、ライブビュー撮影や再生時にくわえ、メニューなどの設定でもタッチ操作がおこなえる。

 メニュー画面は2段のタブで構成されているので、ダイヤルでは移動に手間取ることもあったが、タッチなら即座に目当ての項目に辿り着け素早く操作することができた。さらに2本指でタップすると画面が拡大表示される。細かい文字が見えにくくなってきた世代には優しい機能だ。

2本指タップで拡大表示が可能。ただし拡大表示時に設定変更の操作ができないのは惜しい。

 側面の端子類も豊富で、WiFiトランスミッターを装着する拡張システム端子や画像の転送を行う有線LAN端子などを備えているのがプロ機らしい。

シンクロやリモートケーブル、USB-CにHDMIミニなど、計9個の端子類は側面に集約されている。

秒16コマ連写は圧巻
自分の写真のウデが上がった気分

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