2019年夏モデルの最強カメラスマホは「Galaxy S10+」
2019年夏商戦の高画質トリプルカメラ搭載スマホ4機種を比較する今回の特集、第3回は人物のポートレート撮影と料理の作例で4モデルを比較していく。
人物撮影では、アウトカメラとインカメラの性能を、それぞれポートレート撮影でテストを実施した。美肌を含む絵作りの傾向や、背景ぼけの精度がチェックポイントとなる。
各カメラとも背景ぼけを綺麗に演出するには、複数のカメラを使って被写体と背景の間の輪郭の距離情報を正確に取得する必要がある。そこで、アウトカメラでのテストでは、モデルに頭の横で腕を曲げて三角形のスペースを作ってもらい、複雑な輪郭でもうまく背景ぼけを演出できるかのテストも実施した。
料理については基本オート撮影での絵作りをチェック。一部モデルが搭載する料理モードでの撮影機能も紹介する。
瞳AFは便利だが、背景ぼけはもう一歩
ソニーモバイル「Xperia 1」
「Xperia 1」での人物撮影だが、新機能の瞳AFは被写体の瞳を自動で追いかけてくれるので、印象的な写真を撮りやすい。アウトカメラの背景ぼけのオン・オフは、画面の左から2つ目(横向きだと左側の下から2つ目)のアイコンで設定する。
アウトカメラの背景ぼけだが、モデルと背景の境界をはっきりと描写したところと、ぼけた表現のところが入り混じっておりやや不自然。髪の周りも、明確に描写するのかぼかすのかがあいまいで、ぼかしたところは毛先のディティールが消失している。高画質カメラ搭載ハイエンドスマホとしては、精度の向上を望みたいところだ。
インカメラの“モード”から起動できる“ポートレートセルフィーモード”の背景ぼけは、今回比較した4機種の中でも、撮影時に背景との分離があまりうまくいかなかった部類。また、標準ではライバルスマホと比べて美白や輪郭補正が強めにかかっている。利用する場合は事前に補正の詳細設定を追い込んだほうがいいだろう。
ポートレート撮影機能では、Xperiaはどちらかというと後発のメーカーのため先行する他社と差があるのは仕方のない部分もある。今後の改善に期待したい。
料理の撮影は、シーン認識で美味しそうに撮影できている。被写体をはっきりと描写しつつ、やや温かみのある色合いになっている。
「Xperia 1」のカメラ性能 | |
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メーカー | ソニーモバイルコミュニケーションズ |
標準(広角)カメラ | 画角26mm※ 約1220万画素(F値1.6) メモリー積層型イメージセンサー |
望遠カメラ | 光学2倍ズーム 画角52mm※ 約1220万画素(F値2.4) |
超広角カメラ | 画角16mm※ 約1220万画素(F値2.4) |
インカメラ | 約800万画素(F値2.0) |
※35mm換算
ポートレートに強く、料理モードも搭載
サムスン電子「Galaxy S10+」
「Galaxy S10+」のポートレート撮影は「ライブフォーカス」という名称で用意されている。このモードを使うと、好みの背景ボケと合わせた撮影が可能だ。
実際の撮影だが、アウトカメラでもインカメラでもモデルと背景をうまく分離したうえでぼかせている。気になるのは、アウトカメラの写真の後ろに回した手の部分が、やや背景に溶け込んでいる程度だ。
インカメラは、髪の周りと背景の木々との境目もおおむね問題なく描写できている。Galaxy S10+が搭載するRGB深度センサーによって、より精度の高いぼけの再現が可能になったものと思われる。
美肌など写真の傾向については、肌部分を美白に寄せ過ぎず健康的な色合いに、ヘアカラーも元の色を際立たせている。多くのユーザーが、標準設定のままで理想に近い写真を撮影できるだろう。
料理撮影は標準のシーン判別に加えて「料理」モードを用意。このモードで撮影すると、料理をやや柔らかく温かみのある色で撮影できる。通常のシーン判別だと料理をはっきりと明るく撮る傾向があるので、料理の内容によって使い分けるといいだろう。
「Galaxy S10+」のカメラ性能 | |
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メーカー | サムスン電子 |
標準(広角)カメラ | 画角26mm※ 約1200万画素(F値1.5/2.4、自動選択) |
望遠カメラ | 光学2倍ズーム 画角52mm※ 約1200万画素(F値2.4) |
超広角カメラ | 画角13mm※ 約1600万画素(F値2.2) |
インカメラ | 画角25mm※ 約1000万画素(F値1.9) /RGB深度カメラ 約800万画素(F値2.2) |
※35mm換算