「Core i7-6900K」1個分で組める
Ryzen自作から漂う2000年代の香り
久しぶりに登場したAMD製CPUのRyzen。2017年3月現在は、Ryzen 7 1800X/1700X/1700の3製品。新ソケットであるAM4対応マザーボードを見ると、チップセットはX370とB350の2種類が存在している。
AMDオンリーライフを満喫していた場合は、新しいものばかりで迷いがちだが、価格帯で見ると競合であるインテルよりも思いっきり安く、かつマルチスレッドに強いPCを構築可能だ。そこで今回はRyzenでPCを自作していこう。
Ryzenって何?
ざっくりいえば、Ryzen 7 1800X/1700X/1700は低価格の8コア16スレッドCPUになり、AMDがターゲットとする「Core i7 6900K」の半額ほどで、性能はその上を行くといったもので、発売前から話題となっていた。
傾向としては、マルチスレッド性能は良好だが、シングルスレッドは「Core i7-7700K」よりも下と、尖った部分はあるものの、Pure Powerによる待機時の省電力性が高くなっており、コア数が多くても常用しやすい。
Ryzenシリーズのラインナップ | ||||||
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製品モデル | Ryzen 7 1800X | Ryzen 7 1700X | Ryzen 7 1700 | |||
コア数 | 8 | 8 | 8 | |||
スレッド数 | 16 | 16 | 16 | |||
ベースクロック | 3.6GHz | 3.4GHz | 3GHz | |||
Boostクロック | 4GHz | 3.8GHz | 3.7GHz | |||
TDP | 95W | 95W | 65W | |||
希望小売価格(税別) | 5万9800円 | 4万6800円 | 3万8800円 |
今回のCPUを見てみると、Ryzen 7 1800X/1700Xの場合は、ブーストクロックとXFR(Extended Frequency Range)が設定されている。Ryzen 7 1800Xで見るとブーストクロックは最大4GHzで、2コア以下でそのクロックに到達。全コアが高負荷の場合は、3.7GHzまで上昇する。ややこしいが、さらにXFR時は最大4.1GHzまで上昇といった具合だ。
XFRは冷却状況に応じてクロックを上昇させるもの。おもしろい機能だが、6コア以上がC6ステートにある状態が前提条件となっているので、意図的に必要とするシーンはなさそうだ(意識する必要性も薄い)。
なおオーバークロックについては、すべてのRyzenが倍率ロックフリーになっており、X370かB350チップセット搭載マザーボードであればオーバークロック可能だ。