デジカメは高い。ちょっといいものを選ぶと平気で数十万円になる。
フィルム時代のカメラと違って、デジカメは常に技術が進化している。次々に新しい機種が発売され、シリーズによっては毎年新機種が登場しているモノもある。
最新機種は確かに良くなっている部分が多く、購入した際の満足感は高い。とはいっても、1世代型落ちしたらもう使い物にならないのかといえばそんなこともない。ここ数年のデジカメは基本的な機能や性能は充実していて最低限の満足は得られるようになっている。
純粋に“写真を撮る”ことを楽しむなら最新機種である必要はない。最新機種にはあって1つ前ではついてない機能もあり、どうしても撮れないシーンもあるにはあるが、大抵の場合写る写真の質の差にはならない。逆にコストパフォーマンスを重視して、残った資金を交換レンズなどに回すという手もある。撮るという意味では、そのほうがずっと楽しくなるはずだ。
この特集では、最新機種であるかどうかには敢えてこだわらず、現実的な予算でコストパフォーマンスに優れるお買い得感のあるデジカメを紹介する。
CANON EOS Kiss X7 EF-S18-55 IS STM レンズキット
エントリーモデルだが中身はミドルレンジにも匹敵
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発売は2013年4月とちょっと前だが基本性能は今でも十分に通用するエントリークラスのデジタル一眼レフカメラ(デジイチ)だ。
小型軽量のボディにAPS-Cサイズの撮像素子を内蔵、画素数は約1800万画素で実用性は十分。画像処理エンジンには「DIGIC5」を採用し、ISO感度はISO 25600まで設定が可能だ。
エントリー向けではあるが中身はしっかりとした“EOSシリーズのデジイチ”である。上位モデルにも採用されている「iFCL測光」は色情報を含めて測光を行うため、被写体に合わせて適切な露出が得られる。知らなくてもカメラ側の技術が使用者のスキルをカバーしてくる技術はエントリーモデルにこそ相応しく、安心して利用して使うことができる。
初めてデジイチを使うユーザーにも優しいシーンインテリジェントオートなら状況に合わせてカメラが適切な露出やホワイトバランス、色調補正を設定してくれるので知識が無くてもシャッターを押すだけでキレイな写真が撮れる。
またユーザーが多いと思われるファミリー層向けには料理やキッズといった具体的なシーンモードが用意されている点も親切だ。ちょっと凝った写真を撮りたい場合にはライブビューで効果を確認しながら撮影ができる表現セレクト機能も搭載されている。自分の思い通りの仕上がりにしたい場合にも利用できる。特殊効果が得られるフィルター系の機能も搭載されていて普段とは違う面白みのある撮影も可能、動画撮影もフルHDでの記録ができるのは便利だろう。
全てをカメラ任せのフルオート機能からマニュアルまで撮影モードは十分に整っているので、初めてのデジイチに選んでも、サブカメラに選んでもよい使い勝手にすぐれたデジイチだ。