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第12回 セキュリティを支えるテクノロジー フォーティネットのエキスパートが語る

マシンスピードの脅威に対してフォーティネット竹内副社長が説く経営判断の分水嶺

先制的サイバーセキュリティのため、経営者が今こそ考えるべきこと

文●大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: フォーティネットジャパン

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俊敏性を支えるテクノロジー基盤——運用の民主化と「シングルOS」の必然性

 組織や人材の体制が整ったとしても、異常を検知した瞬間にリアルタイムでアクションを起こせるインフラが存在しなければ、マシンスピードには対抗できない。異常検知時に該当端末や特定セグメントを即座にネットワークから切り離すセキュアネットワーキングの仕組みが前提となる。

 ここで、日本企業の構造的な課題として浮上するのが、中小企業やサプライチェーン全体のセキュリティレベルの底上げである。

「攻撃者はもっとも堅牢な大企業の本丸を直接狙うのではなく、セキュリティ対策の手薄なサプライチェーンの中小企業や地方拠点を踏み台にして侵入してきます。大企業だけが莫大な予算を投じて高度な対策を行なっても、グループ全体や取引先が守られていなければサプライチェーンは崩壊してしまいます。だからこそ、誰でも容易に運用できる『運用の民主化』が不可欠になります」

 この課題に対し、フォーティネットが長年にわたり徹底してこだわり続けてきたのが、「シングルOS(FortiOS)」によるプラットフォームアプローチである。

 多くのベンダーが買収によって製品群を寄せ集め、管理画面や操作体系がバラバラになる中で、フォーティネットは自社開発の単一OSに全機能を統合することにこだわり続けてきた。

「大企業向けの大規模アプライアンスから中小企業向けのモデルまで、フォーティネットの製品はすべて同一のOSで統一されています。管理画面や操作体系が共通化されているため、追加の学習コストをかけずに全体を統括できます。製品間の仕様の違いによる判断のブレも生じません。単一のプラットフォーム上で異常を検知すれば、瞬時に全体へ連携し、自動的な連携防御を展開できます。このシンプルさと統合性こそが、サプライチェーン全体に隙を作らず、マシンスピードの脅威に即応するための現実的な解となります」

FortiOSによる単一プラットフォームが、運用の民主化とサプライチェーン全体の即応体制を支える

経営層へのメッセージ:DXとリスクマネジメントを「車の両輪」に

 これからの経営者に求められる姿勢について、竹内氏は「アジャイル・ガバナンス」の実践を提言する。

「従来の固定的な規則を一方的に押し付けるだけのガバナンスでは、現代のスピードには追いつきません。現場に自律的な判断権限を与えて防御の俊敏性を引き出しつつ、小さな失敗を許容する懐の深さを持つこと。そして失敗が発生した際には個人を責めるのではなく、組織の仕組みとして二度と起こさないためのフィードバックを回すこと。このサイクルを機能させることこそが、これからの経営者に求められる真のセンスです」

 インタビューの締めくくりとして、竹内氏は日本の経営者に向けて、セキュリティに対する根本的な意識改革を訴えかけた。

「現代の経営において、DXやAIの活用が企業の競争力とイノベーションの源泉であることは論を待ちません。しかし、それと全く同じ熱量でサイバーリスクマネジメントを推進しなければ、事業は成り立ちません。DXとサイバーセキュリティは、事業を前進させるための『車の両輪』です。セキュリティは単なるコストではなく、事業継続性を担保し、企業の信用とブランド価値を守り抜くための未来への投資であると捉え直していただきたいです」

 インシデントの発生を完全にゼロにすることはできない。だからこそ、取締役会や定例の経営会議において、セキュリティを日常的な重要アジェンダとして組み込み、前月に起きたインシデントやヒヤリハットをオープンに議論する場を設けるべきだと竹内氏は語る。

「セキュリティを一部の専門部門や情報システム部門に丸投げする時代は終わりました。経営陣が先頭に立ち、現場の業務プロセスの中にセキュリティを溶け込ませていくこと。そして日本の強みである現場力、継続的な改善の文化、そして風通しの良いコミュニケーションを取り戻すこと。これらを愚直に実践することこそが、マシンスピードの脅威から企業を守り抜き、持続的な成長を実現する唯一の道です」
 

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