「SORACOM Discovery 2026」展示ブースレポート第2弾
通信からモジュール、ゲートウェイ、デバイス開発まで ―― IoTビジネスを加速させるソラコム・パートナーの実力
広範な要素技術が求められるIoTプロジェクトは、決して1社だけでは完結できず、パートナー企業の存在が欠かせない。ソラコムが2026年7月に開催した「SORACOM Discovery 2026」の展示ブースでは、パートナー企業による多様なIoTソリューションが一堂に会した。
今回はその中から、IoTビジネスを支えるソリューションを展開するKDDI、Quectel Wireless Solutions、JENESIS、センチュリー・システムズの4社のブースを紹介する(前回記事:異常検知からロボット走行、車両制御まで ―― 現場を遠隔化・自動化するSORACOM活用のIoTソリューション)。
KDDI:日本のインフラを支える実績豊富なIoT通信をさらに拡充
auの通信網を基盤に、25年にわたりIoTビジネスを展開してきたKDDI。
モビリティや社会インフラ、産業機器など、多様な領域での運用実績を強みとし、累計導入は6000万回線を超える(2026年3月時点)。ブースでは、IoT回線のユースケースを広げる「au Starlink Direct for IoT」と「大容量プラン」が紹介されていた。
2026年4月に提供開始したau Starlink Direct for IoTは、IoTデバイスとStarlink通信衛星を直接接続するサービスであり、圏外エリアでもIoT通信が可能になる。現在は段階的にリソースを拡充しており、まずは電気・ガスなどのスマートメーターや獣害対策における遠隔通知といった「1日数回の通信」を想定したユースケースから適用を進めているという。
大容量プランは、通常のLTEプランでは容量やコスト面で対応が難しかった、映像伝送や頻繁なデータ収集といったユースケースに特化したプランだ。上り通信の品質保証を重視しており、通信制限後も256kbpsを担保している点が特徴だ。現在、ソラコムのグループ会社であるミソラコネクトの回線にのみ対応している。
なお、2017年にソラコムがKDDIグループに参画して以来、両社は共同で技術開発を進めてきた。その成果は、ソラコムのIoTとKDDIの通信プロファイルを融合した国内向けのIoT通信サービス「KDDI IoT アクセス」や、KDDIのローミング網を融合した「GLOBAL IoTアクセス」として結実している。
また、IoT関連の研究成果として、3D点群データの標準圧縮方式である「G-PCC」の実用化技術が披露されていた。膨大なデータ量となる3D点群を、データ品質を維持したまま圧縮する独自技術で、モバイル回線を経由してより手軽にデジタルツインを構築できる。ブースでは、LiDARドローン(手持ち)で計測した会場の3D点群データを6分の1に圧縮。Wi-Fi経由でPCに送り、仮想空間上で表示するデモを披露していた。
Quectel:「世界で最も売れているモジュール」の日本版から10cm誤差のRTK対応GNSSまで
Quectel Wireless Solutions(以下Quectel)は、2010年に中国上海で設立されたIoT通信モジュールメーカーだ。セルラー無線通信モジュールやGPS(GNSS)、アンテナなどを製造・開発しており、通信モジュールの出荷台数では世界No.1(2023年6月時点、Counterpoint社調査)を謳う。
Quectelの3G/LTE通信モジュールは、以前からソラコムによる動作確認を受けており、さまざまなデバイスに組み込める。今回出展されていたのは、「世界で最も売れているIoT通信モジュール」と言われるLTE Cat.1 bis対応の「EG800AK」の日本版「EG800AK-JP」だ。
EG800AKはシングルアンテナで、従来のCat.1と同等の下り10Mbps、上り5Mbpsを実現。サイズも17.7mm×15.8mm×2.4mmと超小型サイズだ。スマホで直接スペースXの低軌道衛星と通信できる「Starlink D2C」や、クラウドから遠隔で通信プロファイルを切り替えられる「SGP.32」の規格にも対応。日本のLTEバンドに最適化されたEG800AK-JPは技適(TELEC)認証取得済みで、国内の大手サービスでも採用されている。
RTKに対応する高精度測位GNSSレシーバー「QLM29HBAA-GM」も披露されていた。RTKは通常数メートル単位の誤差が生じるGPS(GNSS)の計測値をセンチメートル単位に補正する高精度な衛星測位技術だ。
QLM29HBAA-GMは、すでに普及している測位信号のL1に加え、建物や樹木による信号の遮断・反射に強いL5にも対応。さらにRTK測位を利用することで、屋外の良好な環境下では誤差10cm以下で位置情報を取得できるという。GNSSモジュールとアンテナ、防塵防水ケースが一体となっており、SORACOM IoTストアで販売を開始している。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります





