ヌーラボの調査にみる「ナレッジ共有システム」に求められるもの

1人あたり年間約20万円の損失! 月4時間を奪う「調べ直し」という見えないコスト

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 ビジネスの現場に存在する“見えないコスト”のひとつに、過去の経緯や必要な情報を探す「調べ直し」がある。

 ヌーラボが2026年8月24日に公表した実態調査では、この調べ直しにより「1人あたり年間約20万円」の経済的損失が発生していることが分かった。また、情報収集において求められているのは、単なるデータの保管庫ではなく、過去の経緯や文脈までを読み解いて提示してくれる仕組みであることも明らかになっている。

 調査では、ビジネスパーソンの調べ直しによる年間の経済的損失は、1人あたり平均約20万円(20万1545円)に上ることが判明した。これを役職別に見ると、一般社員が平均11万1206円であるのに対し、管理職は平均29万1884円と約2.6倍の差が生じている。

 ヌーラボは、この見えないコストについて、「過去に誰かが解決したはずの情報や経緯が、組織のナレッジとして残らず、個人の記憶や散在した資料に留まっていること」が要因だと指摘する。

「調べ直し」による経済的損失

 また、調べ直しの頻度は「週に1~2日(31.8%)」、1日あたりの時間は「15分~30分(35.1%)」がそれぞれ最多の回答となった。月平均に換算すると、毎月約4時間もの時間が調べ直しに費やされていることになる(月平均7.5日×1日あたり31.5分)。

「調べ直し」の頻度と時間

 調べ直している内容は、「社内規定・ルールや申請方法」が34.8%と最も多く、「議事録などの過去の決定事項・経緯(33.0%)」「業務の進め方・業務フロー(31.7%)」が続く。

何を「調べ直し」しているか

 では、なぜ調べ直しが発生してしまうのか。情報が見つからない理由として、「資料はあるが分かりにくい・使いにくい(29.6%)」「資料が整理されていない・更新されていない(29.0%)」が上位を占めた。この結果から、単なるファイルの所在確認ではなく、「情報の質」や「過去の文脈(コンテキスト)」が欠如していることが課題だと分かる。

「調べ直し」が発生する理由

 これらの課題の解決策にあたる「ナレッジ共有システム」に求める機能を尋ねたところ、「欲しい情報がすぐに検索できる仕組み(38.2%)」や「資料や情報が自動的に整理・更新される仕組み(34.2%)」といった“情報整理の自動化”を望む声が上位に上がった。さらに、全体の約3人に1人(31.7%)が、「AIに質問すれば必要な情報や過去の経緯が分かる仕組み」を求めている。

 なお、本調査は、全国のビジネスパーソン1000名(管理職500名/一般社員500名)を対象に、2026年7月に実施している。

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