SORACOMとAWSで構築した「Q-monitor」で運輸業務を省力化
JR九州が内製で挑む“車両保全”のDX 少人数運用×軽資格化の先にみるAI・CBMの未来
点検業務における“AIとの協働”を実現するために
JR九州が今後挑戦していくCBMは、機械や設備のデータに基づき、「そろそろ壊れそう」なのを予測してメンテナンスを行う手法だ。定期メンテナンスと比べてコスト抑制効果は高いが、その分ハードルも高くなる。
モデレーターを務めたソラコムのテクノロジー・エバンジェリストである松下享平氏は、「CBMがなぜ難しいかというと、現場の状況をデータ化しなければならないところ。まだまだ紙やExcelで点検業務を管理する企業が多い」と指摘する。
そもそも点検業務は、対象を見て、測って、記録する業務と、基準と比べて状態を確定させる業務の2つに分かれる。まずは、IoTを活用して前者のデータ化を進め、後者の比較・判断におけるCBMやAI活用に着手するのが高度化の流れだ。JR九州もデータ化が完了し、次なるステップを迎えている。
ただ、特にAI活用はすぐに取り掛かれるわけではない。「資料の検索といったRAGを高度化するエージェントであれば早めに始めたほうが良いが、検査をAIに任せる場合はドメイン知識を与えるなど、様々な検証が必要になる」と松原氏。
そこで松下氏が勧めるのが、人間がAIのお手本となり、互いの結果を比較・評価して改善していく「並行評価法」だ。「ある意味ではAIに対するOJT。人間が不要になるのではなく、AIも一緒に育てていくという考え」(松下氏)
これに対して松原氏は、システムの内製を推進する中でもAIとの共存効果を実感していると言及。「判断することが人間の仕事になり、求められるスキルが変わっていくのでは」と手ごたえを得たという。「とはいえ、急激にはAIとの共存は難しいため、ローコードツールなどを通じて適正のある人材を見極め、着実に育てていきたい」と締めくくられた。
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