ダイキン(中国)・ポーライト(台湾)・KOBELCO(タイ)の成功事例に学ぶ
海外拠点でもDXを進めたい! kintoneが日系企業に歓迎されるワケ
2026年04月09日 09時00分更新
ポーライトの台湾拠点:ナレッジが自然と蓄積される仕組みを整備
続いては、ポーライトの台湾拠点、台湾ポーライトの事例だ。同社は、小型モーター用の軸受で世界トップシェアを有する製造業で、台湾では50年以上にわたり事業を展開する。
同拠点では、ナレッジの蓄積・活用が長年の課題となっていた。現場では110種類もの紙の帳票が現役で、サーバー内の情報も抽出に時間がかかり、活用できているとは言い難い状況だった。こうした状況を改善すべく、約2年前にkintoneの導入に踏み切った。
導入にあたっては、1400名の社員のうち各部門からコア人材を選出して、トレーニングを実施。そのコア人材が中心となってkintoneアプリを作成し、IT部門で最終チェックをするというプロセスを採用した。このプロジェクトは、パートナーである富士フイルムビジネスイノベーションが支援している。
今では、購買や出張といった各種申請や生産プロセスに至るまで、46個のアプリが稼働し、kintoneユーザー数も464名に達している。その結果、日々の業務を通じて自然とナレッジが蓄積され、必要な情報をすぐに探し出せる基盤が整った。
今後は、生産ラインも含めた全社員がkintoneを活用できる環境を目指し、ユーザー数を拡大中だ。台湾でも普及している「LINE」の工場内での利用を、いかにkintoneに置き換えていくかが鍵になるという。
サイボウズの台湾拠点 支店長である菅沼康太氏は、「現場の抵抗なくプロセスを変革できたのは、各部門のコア人材を最初に押さえたからこそ。1週間ごとにトライアルの部門を変え、現場の要望や不満をひとつひとつ潰していったこともスムーズな導入に寄与した」と語っている。
KOBELCOのタイ拠点:成功事例をテンプレート化し他拠点に横展開
最後は、多くの日本企業が進出するタイにおけるKobelco South East Asiaの事例だ。同社は、神戸製鋼所(KOBELCO)において東南アジア・南アジアの拠点を統括する役割を担っている。
KOBELCOでは国内のDX戦略においても、ノーコードツールによる市民開発を掲げている。こうして先行する日本と海外拠点との“DXのギャップ”を埋めるのが、kintone導入の目的だ。さらに、同社が率先して成功事例を生み出し、それをテンプレート化して各拠点に横展開していくことも見据えていた。
その成功事例の一つとして紹介されたのが「新人研修パッケージ」アプリだ。以前は、紙とExcelで研修を管理していたため、指導内容や進捗が把握できず、必要な情報が網羅的に伝わっているか革新を持てない状況だったという。
アプリ導入後は、網羅的な教育が可能になり、指導の責任範囲も明確化。教育記録がナレッジとして蓄積されることで、既存社員の自己解決を促すという思わぬ効果も得られた。
こうしたkintoneアプリの数々は、非IT担当者の手により生み出されている。さらにタイでも、生成AIと対話しながらアプリが作成できる「アプリ作成AI」の機能が提供開始されたため、現場起点のDXはさらに加速する見通しだ。
他拠点への成功事例の横展開についても、2025年11月に富士フイルムビジネスイノベーションの協力のもと合同トレーニングを開催するなど、その一歩を踏み出したところだ。
Kintone Thailandの代表であるナミヤ・ワユパブ(Namya Wayuparb)氏は、「タイでは日本ほどソリューションが豊富に揃っているわけではなく、自社のニーズにあったものを見つけることは難しい。だからこそ、海外拠点においてkintoneが採用されている」と語った。
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