5分から始めるジャーナリング実践法! 「書く習慣で見つける第二の人生」

文●源詩帆  編集/山野井春絵

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 第二の人生について考えたとき、頭では日々考えてはいるものの、考えがまとまらず、むしろネガティブな思考でいっぱいになったことはありませんか? この状態を整理するのに役立つのが、思考整理法のジャーナリング(書く習慣)です。

 これまでの記事(シリーズ1・2)では、ジャーナリングで人生の大きな決断をしてきた市居愛さんの具体例と脳科学・心理学から見た効果をご紹介しました。今回はその実践編として、5分から始められる具体的な手法、初心者におすすめのワーク、継続方法、さらに夢を加速させる応用法を市居さんに伺います。(シリーズ3/3)

いつ、どこで、何に書く? 5分から始めるジャーナリング

体調を崩してしまった時の、実際のジャーナリング。「ネガティブな気持ちも書き出すことが大切です」

 市居愛さんに具体的な方法やポイントについて伺いました。

 「ジャーナリングは一人の時間、朝夜がおすすめです。朝なら仕事を始める前、夜なら寝る前。何かとセットにすると習慣化しやすくなります。書く時間は、初めは5分でOK。タイマーを使い、手を止めずに書き続けましょう。

 『うまく書けない』という方もよくいますが、そんな時は、真っ白なノートより罫線や枠があるものを。人間は枠があると埋めたくなる性質があるからです。『問い』が書かれているジャーナリング用のノートもたくさん売られています。まずはそのノートを埋めるところから始めてみても良いですね。

 どうしても書けない時や、誰にも見られたくない時は、一行だけ書いてみたり、メモ用紙に書いて毎日捨ててもOK。溜めることが目的ではありません。無理に習慣化せず、一人旅や外出時に時間を決めて書くだけでも十分です。

 ノートはお気に入りのデザインを選んで、気分を上げましょう。形から入るタイプの方は、ペンにもこだわるといいですね」

夜寝る前の感謝ワーク。「感謝できない」もそのまま書いていい

「起業を考えていた時のノートです。娘の成長に合わせて仕事を変えていくことを考えていました」

 次に、ジャーナリング初心者におすすめのワークを伺いました。

 「特に夜におすすめしているのが感謝ワークです。『今日あった3つのありがたいこと』をノートに書き出すことで、どんなに嫌なことがあっても、一日の終わりに感謝に意識を向け、良い気分で眠ることができるからです。

 続けていくと、『今日もご飯が食べられた』『心にゆとりが持てた』『今日も無事生きられた』と、当たり前に思えることも見過ごさず感謝できるようになります。

 ただ、どうしても感謝できない日や事もありますよね。その時は、無理に感謝する必要はありません。『ありがとうって思いたいけど、どうしても思えない』と書いてもいいんです。『まだ許せないんだね』『どうして許せないんだろうね』など、素直な気持ちを書いてみてください。感情を抑えて綺麗な言葉を書くのではなく、そのままの気持ちを書き出すことが大切です。

 他にもジャーナリングにおすすめの『問い』はたくさんあります。インターネット検索でも出てきますが、AIの活用もおすすめ。ご自身の状況や考えていきたいことを伝え、『それに合わせた問いをください』と頼むと、いい問いを考えてくれますよ」

感情を整理する鍵「事実とストーリーを分ける」

安定と挑戦、どちらに進むかジャーナリングで自分と向き合った結果出てきた、自分の本音

 感情を出し切る時のポイントとして「事実とストーリーを分けて考えること」が重要だと市居さんはいいます。

 「前々回の記事で、世界一周を決意した時が一番ジャーナリングに救われたとお話ししましたが、まさにその時にやっていたのがこの方法です。

 事実は『親がすごく怒っている』『ママ友が、本当に大丈夫なの?と言った』。ストーリーは、『確かに学校を休ませたら勉強に遅れがでて、ついていけなくなるかもしれない。かわいそう。私が子どもたちの人生を壊してしまう』という、自分の中で勝手に妄想した考えです。

 これを事実とストーリーに分けて書き出すと、こうなります。

 『親とママ友はこう言った。それに対して私も本当にそうだなと思う気持ちもある。でも、実際についていけなくなるかはわからない。世界中を見て、いくつかの学校にも行って、子どもたちにとっていい経験になるかもしれない』

 頭の中だけで考えると、ネガティブ思考になりがちですが、書くことで客観視でき、ポジティブに書き換えることができます。さらに『今、本当はどうしたい?』と自分に問いかけると、本音が出せるようになります。悩みの大小に関わらず、常に『事実とストーリーを分けて書く』ことを意識してみてくださいね」

応用編:「ビジョンボード」で夢の実現を加速させる2つのコツ

「2018年はじめに、家族で海外に行きたいと思い作成したビジョンボード。その年の7月には世界一周に出発しました」

 応用編として「ビジョンボード」についても伺いました。

 「ビジョンボードとは、自分の夢や目標を表現している画像をノートに貼り付けるものです。それを見ながらジャーナリングをすることで、そこに向かっていけているかを日々確認できます。

 実際に私も世界一周や海外移住を検討する前に、グランドキャニオン、オーロラ、コッツウォルズなどの画像をノートに貼っていたので、途中行くか悩んだ時も画像を見ながら自分の本心を確認でき、行く決心ができました」

 ここでポイントが2つあります。

1. 物ではなく、体験した時の感情を貼る

 よくある間違いは、高級車や別荘の写真を貼ること。物ではなく、それを体験した時の感情が想像できる画像を貼りましょう。例えば別荘なら、何のために欲しいのか。リラックスして過ごす体験が欲しいのなら、暖炉の前のソファでココアを飲んでくつろいでいる写真を貼ることで感情が想像しやすくなります。

 お金も同じです。お金自体は紙切れやコイン。それで何を買って、どこへ行って、どんなことをするか、その体験が欲しいわけです。例えば旅行なら、『見たこともない世界を見てワクワクしてドキドキしたい』など。そうやって掘り下げて、その気持ちや体験を思い起こさせてくれる画像を選んでください。

 何かを成し遂げたい場合は、実際にそれを成し遂げた人の画像を印刷し、顔の部分だけ自分の顔に張り替えることで、よりリアルな喜びを感じられますよ。

2. 脳内リハーサルできるレベルのものを

 あまり現実とかけ離れた画像を貼ると、『絶対無理だ』と逆に落ち込んでしまいます。心がピクリとも動かない画像を見ても、夢は叶いません。脳内でリハーサルできるぐらいのものが最初はおすすめ。ワクワクする画像を選びましょう。

 ジャーナリングとビジョンボードを組み合わせることで、RAS(網様体賦活系。書いた内容に意識が向き、実現に近づく脳の働き)がさらに動き出し、夢の実現が加速しますよ」

「今、本当はどうしたい?」がライフシフトの始まり

 最後に、これからの生き方について悩むミドル世代女性への想いを伺いました。

 「いろんな役割を背負って生きてきたミドル世代女性は、自分の気持ちや何がしたいのかわからなくなっていることも多いと思います。でもノートに何でも吐き出して、『嫌だったんだね』『頑張ったよね』『それは辛かったね』と自分を労る言葉を綴ることで、ノートが一番の理解者になっていきます。ジャーナリングを通じて、ノートという親友ができるイメージです。

 一番の相談相手は、実は最も近くにいる自分です。答えは常に自分の中にあり、自分と本音で対話すればどんな悩みも乗り越え、自分で何でも決断できるようになります。紙とペンがあればいつからでも、どこででも始められます。あまり考えすぎず、気軽に始めてみてくださいね」

 ノートとペン。たったそれだけで始められる自己対話。そこから生まれる「今、本当はどうしたい?」という問いかけは、ジャーナリングの入り口であり、同時にライフシフトの始まりでもあります。シリーズを通して市居さんが伝えてくれたのは、「書く技術」ではなく、「人生を変える選択を自分で後押しする方法」でした。

 

尊敬している海外の作家の画像を貼っていたビジョンボード。世界一周中には、写真の作家に会いにいくこともできたという

Profile:市居愛

いちい・あい/株式会社マザーミー代表、作家、2児の母。

31歳のときに育児と仕事のストレスから身体を壊し、メニエール病を発症。 リーマンショックの影響で夫の会社も倒産。子どもを抱えながら、夫婦無職でお金がない恐怖を体験する。 「お金の通り道」を整えることで、ムダな出費が自然と減り、お金が貯まりだすことに気づき、その経験をもとに刊行した著書『お金を整える』(サンマーク出版)はベストセラーに。 現在は、ジャーナリングを活用した「人生を変える気づき」を届ける活動に力を入れている。 願望を現実にする考え方や、自分らしい生き方を見つける方法を伝え、これまでに1万人以上の女性が夢を叶えるサポートをしてきた。講演・セミナーも多数開催。 著書 『お金を整える』(サンマーク出版) 『「お金じょうずさん」の小さな習慣』(PHP研究所) 『ヒル先生、「思考は現実化する」って本当ですか?』(PHP研究所)など


市居さんのInstagramはこちら。

 

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