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柳谷智宣の「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」 第51回

日報・週報は生成AIでサクッと終了! 手間を削ってタイパよく時短する方法

2026年03月19日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第51回は生成AIを使って、日報・週報にかけている時間を減らす方法について解説する。

日報や週報は生成AIでサクッと作ろう

 多くの日本企業では、日報や週報の提出が長らく慣習として定着している。しかし、業務終了後の疲労した状態で、その日の出来事を思い出し、体裁を整えた文章をひねり出す作業は、社員にとって大きな心理的・時間的負担となっている。「何を書けばいいか分からない」「上司にどう思われるか気にして言葉を選ぶ」といった悩みが、定常的な残業を引き起こす一因となっている企業も少なくないだろう。

 人間にとって、白紙の状態から文章を構成し、書き始めるのは負荷が大きいタスクだ。一方、生成AIは断片的な情報から、指定されたフォーマットやトーンに合わせて文章を構築・整形することが大得意。日報・週報の作成にはぜひ生成AIを活用してほしい。

 最もシンプルなのが箇条書きのメモを日報に変換する方法だ。とはいえ、夕方になってから一日の出来事を思い出すのは非効率なので、業務時間中は、タスクが完了したタイミングや会議の直後に、事実だけを簡潔にメモしておく。ここでは、丁寧な言葉遣いや文章のつながりを意識する必要はない。

 あとは、終業前に溜まったメモを生成AIに入力して、日報にしてもらえばいい。ほとんどの企業では日報のフォーマットが決まっているはずなので、テンプレとしてプロンプトに入れ込んでおくと、そのまま使える日報が生成されるのでおすすめだ。

○メモ
・午前:山田物産 訪問。新規提案書を持参。担当の佐々木さんに好印象だったが予算感が合わない
・午後:既存顧客の鈴木商事から電話。システム障害の問い合わせ → 技術部に連携済み
・16時:週次MTG。来週の展示会準備の役割分担を確認
・今日の受注:なし。パイプライン:山田物産(見込み30%)、田辺製作所(70%)
・課題:山田物産の予算ギャップをどう埋めるか。分割払い提案を検討

○プロンプト
以下のメモをもとに、社内日報を作成してください。

【フォーマット】
■ 本日の主な活動
■ 成果・進捗
■ 課題・懸念事項
■ 明日のアクション

【条件】
・敬語・ビジネス文体で統一
・各項目80~120文字程度
・事実ベースで、感情的な表現は避ける

【メモ】
(ここにメモを貼り付ける)

○出力
社内日報
■ 本日の主な活動
午前は山田物産様へ訪問し、佐々木様へ新規提案を実施いたしました。午後は鈴木商事様よりシステム障害の連絡を受け、速やかに技術部へ連携済みです。16時の週次MTGでは、来週の展示会準備に向けた役割分担の確認を行いました。

■ 成果・進捗
本日の受注実績はなしです。現在のパイプラインは、山田物産様が見込み度30%、田辺製作所様が70%です。山田物産様への新規提案は、担当の佐々木様に好感触をいただいたものの、先方の予算感と合わない状況であることが明確になりました。

■ 課題・懸念事項
山田物産様における、当社提案額と先方予算感のギャップ解消が課題です。提案自体への評価は高いため、費用面のハードルを下げる施策が求められます。解決策として、分割払いプランの提示を社内で検討・調整する必要があると考えております。

■ 明日のアクション
山田物産様への再提案に向け、分割払いプランの具体化と社内調整を進めます。また、鈴木商事様のシステム障害について技術部へ進捗を確認し、経過報告を実施します。見込み度70%の田辺製作所様の案件に対するフォローアップも併せて行う予定です。

 昼間に業務内容をメモさえしていれば、日報作成時間が10秒で済むようになる。社員は心理的にも時間的にも楽になるし、会社も残業が減るので、Win-Winだろう。

週報は生成AIの「要約力」と「分析力」の活躍の場

 週報の作成においては、生成AIの「要約力」と「分析力」がさらに活躍してくれる。月曜から金曜までの5日分の日報、もしくは書き溜めた業務メモを週報作成のプロンプトとともに入力すればいい。AIは客観的な視点で1週間の業務を俯瞰し、自分では気づきにくい「今週は特定プロジェクトの調整に時間が割かれている」といった傾向まで要約して提示してくれる。週報作成の工数を削減するだけでなく、自己客観視のサポートツールとしても機能するのだ。

 週報も同様に、会社のルールに合わせたフォーマットを指定しておくこと。多くの情報を入力するので、重複情報をはじくプロンプトを入れておくといいだろう。可能であれば、何のための報告なのか、どんなトーンで書くといいのかも含めておこう。

○プロンプト
以下の1週間分の日報・業務メモをもとに、一般的な企業で提出する週報を作成してください。

あなたの役割は、散在した記録を整理し、
「今週何をやったか」
「どこまで進んだか」
「何が課題か」
「来週何をするか」
が分かる週報に再構成することです。

週報として不自然な細かさを避け、上司が短時間で状況把握できる粒度に整えてください。

【重要】
- 日報の順番どおりに並べるのではなく、内容ごとに整理する
- 同じ案件は統合する
- 雑談、重複、細かな操作メモは削る
- 成果、進捗、未解決事項、次のアクションを優先して抽出する
- 書かれていない成果を誇張しない
- 不明点は無理に埋めない
- 文章は簡潔で自然なビジネス日本語にする

【出力フォーマット】
■週報

【概要】
今週の業務全体の要約を3~4文で記載

【成果・進捗】
・案件A:
・案件B:
・案件C:

【実施内容】


【課題・ボトルネック】

【来週の対応予定】


【上司・関係者への共有事項】

【入力】
●月●日(月)
■ 本日の主な活動
午前は山田物産様へ訪問し、佐々木様へ新規提案を実施いたしました。午後は鈴木商事様よりシステム障害の連絡を受け、速やかに技術部へ連携済みです。16時の週次MTGでは、来週の展示会準備に向けた役割分担の確認を行いました。

~ここに1週間分の日報やメモを貼る

○出力
■週報

【概要】
今週は、田辺製作所様からの正式受注、および山田物産様からの発注内定を獲得し、営業パイプラインにおいて大きな成果を上げることができました。また、既存顧客である鈴木商事様のシステム障害も技術部との連携により無事に解決しております。来週開催される展示会についても、備品手配や代替ノベルティの準備、会場でのブース設営まですべて完了し、当日の体制が整いました。

【成果・進捗】
・案件A(山田物産様):新規提案時の予算ギャップに対し、分割払いプランを社内決裁のうえ再提案した結果、正式な発注内定を獲得(見込み度30%→100%)。
・案件B(田辺製作所様):導入開始の1週間前倒し要望に対応のうえ契約合意に至り、正式受注を獲得。導入支援チームへの引き継ぎまで完了。
・案件C(鈴木商事様):月曜に発生したシステム障害について技術部と連携して迅速に対応し、水曜午前に復旧完了・クローズ済み。

【実施内容】
・山田物産様への新規提案、分割払いプランの稟議作成・再提案
・田辺製作所様との契約締結業務、および導入支援チームへの引き継ぎMTG
・鈴木商事様のシステム障害に関する顧客対応(一次受付、経過報告、復旧確認)
・展示会準備(ノベルティ不足に伴う代替パンフレットの封入作業、ブース設営立ち会い、機材確認)

【課題・ボトルネック】
・田辺製作所様の導入プロジェクト(前倒し)と来週の展示会対応がスケジュール的に重なるため、チーム全体の業務負荷増大が懸念されます。
・展示会対応(3日間)により、既存顧客からの急な問い合わせ対応に遅れが生じるリスクがあります。

【来週の対応予定】
・展示会でのブース対応(3日間)、および獲得リード数の集計
・田辺製作所様の導入プロジェクト開始に伴うサポート
・山田物産様との契約書作成手続き(法務部への依頼)および事務手続きの進行

【上司・関係者への共有事項】
・田辺製作所様の納期前倒しにあたり、導入支援チームへ迅速なリソース調整をしていただきありがとうございました。
・展示会期間中の既存顧客からの問い合わせについては、サポートデスクへのエスカレーションフローをチーム内で確認・徹底し、対応に漏れが生じない体制としております。

 毎日の業務メモをしっかり取っていれば、クオリティの高い週報が瞬時に作成できる。もちろん、ハルシネーションが混じる可能性もあるので、人の目でのチェックは必要。思考停止で横流しすることだけは厳禁だ。とはいえ、業務メモという前提情報をきちんと渡しているなら、ミスが混じる可能性は低くなる。チェックの時間や負担はそこまで大きくないはずだ。まずは、今回のプロンプトをコピペして試してほしい。その出力と、これまで書いていた日報・週報と見比べてみることをおすすめする。

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