第19回 アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた
“ゆるいチーム”ではない「心理的安全性の高いチーム」づくりのポイント
若手も控えめなメンバーも積極的に発言、そんな“風通しの良いチーム”を作るには?
提供: ヌーラボ
皆さまこんにちは。アスキー編集部で働く、編集者の大塚と申します。この1年半ほど、日々の業務の中でBacklogを使った仕事のプロジェクト・タスク管理を実践しております(連載:アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた)。ときにはプロジェクトリーダーとしてチームを引っ張ることもあります。
前回の記事では“指示待ちメンバー”の問題を取り上げて、メンバーが自発的に動きやすいチームはどうあるべきか? を具体的に考えてみました。チームメンバーの人数が限られていることもあり、みんなで考えて行動する“全員参加型のチーム”にしたい! という気持ちがあります。
この全員参加型チームを目指すうえで、もう一つ問題に感じていることがあります。プロジェクトのミーティング、あるいはグループチャット、Backlogのコメントなどで、メンバーどうしの意見交換や議論を行うことがありますが、若手のメンバー、控えめな性格のメンバーが、なかなか自分の意見を語ってくれないというものです。
一部のメンバーの意見だけで話が進んでしまうと、発言しないメンバーはチームへの参加意識が薄れてしまい、全員参加型のチームとはほど遠いものになってしまいます。どうすれば改善できるのか、今回はそれを考えてみました。
「チーム内で発言しにくい理由」にはさまざまなものがある
まず始めに気をつけたいのが、この問題を「本人の性格」や「本人のやる気」次第だと片付けないことです。前回も注意点として挙げましたが、これを本人の問題と決めつけてしまうと、改善は進みません。「現在のチームの状況や仕組みに何らかの要因があるのでは?」と考え、改善策を探っていきましょう。
さて、ミーティングやチャットでメンバーがなかなか発言してくれない理由として、どんなものがあるのか。筆者自身がふだん「ちょっと発言しづらいな……」と感じるシーンをふまえて、こんな理由があると考えました。
■他のメンバーと異なる意見を表明しづらい:
発言しても、意見の異なるメンバーから否定、批判されるばかりで「本音が言えない」と感じる。建設的な議論にならない。
■「間違い」や「失敗」が強く責められる:
発言の中に間違いがあったり、失敗やミスを報告したりすると強く責められるので「発言や報告をするのが怖い」と感じる。
■チームへの貢献が実感できない:
意見や提案をしても受け流される、放置されるなどして「自分の意見はチームの役に立たない」「期待されていない」と感じる。
■発言の機会が少ない、与えられない:
役職者や“声の大きなメンバー”だけで議論が進んでしまい、経験の浅い若手や控えめなメンバーは「自分の出る幕がない」と感じる。
■質問しづらく、情報が不足している:
気軽に質問できない雰囲気で、議論の対象について十分な情報が得られず「的外れな発言をしてしまうかも」とためらってしまう。
こう書き出してみると、どれかには当てはまるチームも多いのではないでしょうか。
ちょっとした不安やためらいでも、若手メンバーや控えめなメンバーが「発言しないでおこう……」と決断するには十分な理由になります。その結果、「積極的にチームに貢献したい」という気持ちもだんだんと薄れてしまいます。モッタイナイ!
風通しの良いチームづくりの鍵を握る「心理的安全性」
チームを、もっと“風通しの良い雰囲気”に変えるにはどうしたらよいでしょうか。それを考えるうえでのキーワードが「心理的安全性」です。
心理的安全性とは何か。簡単に言うと「不安を感じることなく、発言/相談/失敗の共有/異論の表明ができるチームの状態」です。つまり、先に挙げたような“発言しづらいチーム”は心理的安全性が低く、メンバーが「不安」を感じる状態にあるわけです ※注。
※注:「心理的安全性」という概念を提唱した米国ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授は、心理的安全性が低いチームで働くメンバーは「4つの不安」(無知だと思われる不安、無能だと思われる不安、邪魔をしていると思われる不安、ネガティブだと思われる不安)を抱えることになる、と指摘しています。
チームの心理的安全性が高ければ、どんなメンバーでも自由に意見を発言できるため、「アイデアの質が向上する」「積極的なチャレンジが生まれる」「問題解決のスピードが速くなる」など、チームとしての生産性が高まる結果が期待できます。
ただし、誤解のないように付け加えておくと、メンバー全員が活発に発言するチームがすべて「心理的安全性が高い」というわけではありません。
たとえば「ミーティングでの発言は活発だが、新たなアイデアが出てこず、問題解決が進まない」「失敗を繰り返しても誰も責めない」といった、居心地は良いものの、成果にはつながらないチームもあるでしょう。それは単なる“なれ合いチーム”“ぬるいチーム”です。チームの現状維持が目的になってしまい、意見の対立や積極的なチャレンジを無意識に避けているのであれば、むしろ「心理的安全性が低い」可能性すらあります。
■「心理的安全性」についてはこちらの記事もどうぞ
・無言の会議が怖すぎる ― 心理的安全性を「仕組み」でつくり、お互いに指摘し高め合えるチームへ
・「Backlog活用大全」出版記念イベントで“新しいリーダーシップ”を議論
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