ASCII Power Review 第310回
ソリッドなメタルボディーに最新AI CPU搭載=富士通の完全新デザイン16型ノートPC「FMV A79-L1」実機レビュー
2026年03月12日 00時01分更新
富士通クライアントコンピューティングは「FMV Note A」シリーズで、16型大画面ノートPCとしては同社初となるCopilot+ PC「FMV A79-L1」を発売した。
プロセッサーに最大50TOPSのNPUを搭載した「AMD Ryzen AI 7 445」を採用。Copilot+ PCのみに提供されるAIアプリのほか、FMVシリーズ独自のAIアプリ「ReClip」、「PowerDirector for FMV」なども標準搭載する。
さらに新設計の筐体が採用されており、この春注目のニューモデルに仕上げられている。富士通から試用機を借りたので、詳細スペック、リニューアルされたボディー、そして気になるパフォーマンスまでじっくりとチェックしていこう。
金属ボディのダブルアルマイト処理が美しい
速度重視ならRyzen AI 7 445 + 32GBを
「FMV A79-L1」はOSに「Windows 11 Home 64ビット」、プロセッサーに「AMD Ryzen AI 7 445」で6コア12スレッド、最大4.6GHz、28W、Radeon 840M、Ryzen AI[最大50TOPS]を採用。メモリーは16GB(オンボード、LPDDR5X-7500)、ストレージは512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは16型WUXGA液晶で1920×1200ドット、60Hz、500ニト、sRGB100%、光沢を採用。ディスプレー上部には500万画素ウェブカメラ(プライバシーシャッター付き、Windows Hello顔認証対応)、ステレオマイクを内蔵している。
インターフェースはUSB4(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、HDMI、有線LAN(1000BASE-T)、SDメモリーカードスロット、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。
本体サイズは355×249×19.9mm、重量は約1.89kg。63Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時約15.2時間、アイドル時約24.1時間と謳われている。
本製品にはカタログモデル(FMV A79-L1)とカスタムメイドモデル(WA4-L1)が用意されており、直販サイト「富士通WEB MART」で購入する際には、OS(Home/Pro)、プロセッサー(AMD Ryzen AI 5 430/ AMD Ryzen AI 7 445)、メモリー(16GB/ 32GB)、ストレージ(256GB/ 512GB/ 1TB/ 2TB)などをカスタマイズ可能だ。
メモリーはオンボード搭載となっており、あとからカスタマイズできないので、慎重に選んでほしい。クリエイティブ系アプリを利用するのであれば、AMD Ryzen AI 7 445、メモリー32GBを選択したいところだ。
右側面には3.5mmコンボジャック、SDメモリーカードスロット、USB 3.2 Gen1 Type-A、左側面には有線LAN(1000BASE-T)、USB4(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)、HDMI、USB 3.2 Gen1 Type-Aを用意
Copilot+ PC規格に準拠したAI PC
富士通マイスター監修の2段階押下圧キーボード
本製品最大の売りは、Copilot+ PC規格に準拠したAI PCであること。プロセッサーには、最大50TOPSのNPU性能を発揮する「AMD Ryzen AI 7 445」を採用。AIアプリを高速かつ低消費電力で実行できる。
従来はCPUやGPUで行なっていたAI処理をNPUへオフロード(肩代わり)させることで、ウェブカメラのエフェクト処理における電力消費の大幅な低減を期待できる。つまり、ビデオ会議などをより長時間行なえるようになるわけだ。このスタミナ性能こそが、従来のノートPCに対する大きなアドバンテージとなる。
入力デバイスには、FCCLのキーボードマイスターが監修したバックライト付きの「2段階押下圧キーボード」を採用している。
これは、小指で操作するキーを軽く、それ以外のキーを重く設定することで、指の力に応じた最適な打鍵感を実現する設計だ。テンキー付きながら、約18.4mmのキーピッチ、約1.7mmのキーストロークが確保されており、ゆとりのあるタイピングを可能にしている。
また、ディスプレーを開くとキーボード面が傾斜する「リフトアップ構造」も、タイピングしやすさに寄与している。「FMV A79-L1」は、富士通伝統の心地よいキーフィーリングを継承していることは間違いない。
16型WUXGA液晶ディスプレー(1920×1200ドット)は高輝度、高色純度、広視野角と謳われており、実際、輝度は500ニトとモバイルノートPCとしては高めだ。
またベゼルカバーレスデザインが採用されており、ディスプレー回りがすっきりとしている。色域はsRGBカバー率100%を実現しており、一般用途であれば実用上十分な画質を備えている。
500万画素ウェブカメラは、RGBカメラと、Windows Hello顔認証のためのIRカメラが独立している。全体的にわずかなノイズが見られるものの、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できている。ビデオ会議用途であれば実用上十分な画質を備えている。
Core Ultra 7 258Vを上回る
マルチコア性能を発揮
最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回の試用機のスペックはAMD Ryzen AI 7 445(6コア12スレッド)/ 16GBメモリー/ 512GBストレージ。比較対象としては、Core Ultra 7 258V(8コア8スレッド)/ 32GBメモリー/ 512GBストレージの「FMV Note U」を使用した。
まずCPU性能については、定番のベンチマーク「CINEBENCH 2024」でMulti Coreが555pts、Single Coreが105ptsを記録。さらに最新の「CINEBENCH 2026」では、Multiple Threadsが2383pts、Single Coreが574pts、Single Threadsが435ptsという結果になった。
比較対象と並べると、マルチコア性能では本機(FMV A79-L1)が、シングルコア性能ではFMV Note Uが上回る結果となっている。マルチコアの優位性が発揮されるクリエイティブアプリなどの重い処理においては、FMV A79-L1のほうが高速に実行できる可能性が高い。
「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は555pts、CPU(Single Core)は105pts、「CINEBENCH 2026」のCPU(Multiple Threads)は2383pts、CPU(Single Core)は574pts、CPU(Single Threads)は435pts
一方、3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のPort Royalは540、Time Spyは1614、Fire Strikeは4401、Wild Lifeは8636、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)は7001(やや快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)は2040(重い)となった。
内蔵GPUについては、AMD Ryzen AI 7 445が「AMD Radeon 840M」、Core Ultra 7 258Vが「Intel Arc 140V」を搭載している。今回の結果を見る限り、3Dゲームをひんぱんにプレーするのであれば、3Dグラフィックス性能で上回るFMV Note Uのほうが適している。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)は7001(やや快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)は2040(重い)
ストレージには、PCIe Gen4 x4接続のSSD「SAMSUNG MZVL8512HDLU-00BLL」を搭載しており、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6115MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4788MB/sを記録した。
定評のあるサムスン製SSDを採用しているだけに、OSの起動や大容量ファイルのコピーなどで、体感速度の向上を十分に期待できる。
試用機はPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL8512HDLU-00BLL」を搭載、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6115MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4788MB/s
AI性能の指標となる「UL Procyon」のAI Computer Vision Benchmarkでは、NPUを使用したInteger(整数演算)スコアで1903を記録した。
本機に搭載されているRyzen AI 7 445のNPUは、単体で50TOPSの演算性能を実現している。今回のベンチマーク結果からも最新の「Copilot+ PC」として、極めて高いAI処理能力を備えていることを証明できた。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度、ボリューム40%でYouTube動画を連続再生したところ、100%から70%まで減るのに4時間1分25秒かかった。
つまり、単純計算すると、0%までの総駆動時間は約13時間24分43秒となる。計測誤差を踏まえても、1日の外出であればACアダプターなしで乗り切れるだけのモバイル性能を備えている。
AI PCの先進性を享受しつつ
使い勝手にも妥協したくないユーザーにもってこい

この連載の記事
- 第309回 世界最軽量「990g」を実現した「16型」モバイルノート=Acer「Swift Air 16」実機レビュー
- 第308回 体積50%削減でも1000Wh容量を確保=スマホで完全コントロールができるポタ電「DJI Power 1000 Mini」実機レビュー
- 第307回 キーボードにペン・マウスまで付属で7万円台のAndroidタブレット「Blackview MEGA 12」実機レビュー
- 第306回 撮りたい時代を指定して写真も動画も撮れるタイムマシンカメラだ=「instax mini Evo Cinema」実機レビュー
- 第306回 2026年のノート用CPUの主役となる両雄=「Ryzen AI 400」と「Core Ultra 3」の速度を徹底比較できたっ!!=ASUS新「Zenbook 14」実機レビュー
- 第305回 これが2026年のソニーαの基本モデルだ!!=新3300万画素センサーで毎秒30コマになった「α7Ⅴ」実写レビュー
- 第305回 白黒写真しか撮れないコンデジ「ライカQ3モノクローム」実写レビュー=写真の本質を体感できるカメラだっ!!
- 第304回 12月発売なのに超お買い得なCopilot+PC合格の最新AI内蔵オールインワンPC「ExpertCenter P600 AiO」実機レビュー
- 第303回 世界初の全天周カメラ搭載ドローン「Antigravity A1」実機レビュー
- この連載の一覧へ

























