“相談”を“解決すべきタスク”に変えて管理・追跡可能に
「あの人頼み」のDXから脱却 近鉄GHDはグループ横断の「相談窓口」をBacklogで運用
ヌーラボは、近鉄グループホールディングス(近鉄GHD)における、プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」の導入事例を公開した。同ツールは、グループ横断のDX推進を支える「デジタル相談窓口」の基盤として活用されている。
「あの人に聞けばわかる」――巨大組織のDXを阻む属人化
鉄道事業を基盤に運輸や不動産、ホテル・レジャーなど、多角的に事業を展開する近鉄グループ。この巨大組織のDXを推進する近鉄GHDでは、人脈と個人の善意に依存した“アナログなオペレーション”の壁に直面していたという。
約250社を擁するグループであるがゆえに、各社の事業特性やデジタル活用の成熟度はさまざま。その上で、ITに関する困りごとが生じた際には、「人脈のハブ」に当たる社員の属人的なネットワークを頼りに、グループ内に点在する担当者を探し出す必要があった。そして、対応の経緯や判断も記録されず、異動とともに知見が失われていく。
この属人化を解消するため、グループ各社のDXを支援するデジタル活用支援チームを発足し、その基盤としてBacklogを採用している。
Backlogで“相談”を“解決すべきタスク”に変える
デジタル活用支援チームは、まず、グループ横断でDXの相談を行える「デジタル相談窓口」の設置に着手した。メールや会話のやりとりの中に消えていたノウハウを「組織の資産」として蓄積することが最大の目的で、その運用ツールとしてBacklogを利用している。
専用フォームで受け付けた相談は、Backlogの課題として自動登録され、問題の解決までタスクとして管理・追跡できる仕組みを構築。これにより、誰が対応しているのか、どこで止まっているのかを常に確認できる体制を整備した。
さらに、相談への回答内容や検討の経緯、関連資料はすべてBacklog上に記録される。過去の判断や履歴から対応の再現性は高まり、主要メンバーが異動した際にも、スムーズに引き継ぐことが可能になった。
運用においても、手順書やルールを策定することで、対応のばらつきを防止。さらに定例会議にて適切に記録されているかを継続的に確認するなど、システムが形骸化されないための取り組みが徹底されている。事務局が相談内容をいきなり担当者に振るのではなく、事前に精査した上で適切な部署をアサインするのも、無駄な依頼や手戻りを防ぐ工夫だ。
かつての“人脈のハブ”が異動しても混乱ゼロ
このようにBacklogを基盤に、相談内容や対応履歴が可視化され、組織として知見を蓄積できるようになった。かつて、「人脈のハブ」だった担当者が異動した際にも、Backlogのログにより混乱は発生せず、「これから積み上がる知見が、確実に組織の資産として残っていく」と手応えを感じたという。
将来的には、蓄積されたナレッジをAIで分析・活用して、より効果的な支援につなげていく予定だ。「ホールディングスという立場だからこそ、各社に寄り添いながら支援し、グループ全体が自走できる組織へと進化させていきたい」と語られている。


