Backlogをコミュニケーションハブに変えるフルリモート組織
形骸化した会議をAIで“議論の場”に 大学発スタートアップのBacklog AIアシスタント活用事例
九州大学発のスタートアップである「aiESG (アイエスジー)」。フルリモート勤務を採用し、居住地や国籍、言語まで異なる多様なメンバーが共に働く同社では、「複数ツールへの情報分散」という課題をBacklogで解消。さらに「Backlog AIアシスタント(β版)」の活用より、全社定例会議のあり方を変えている。
Backlogを情報のハブに ポイントはテンプレートのフル活用によるルールの徹底
aiESGは、AI技術を活用したESG評価(環境・社会・ガバナンス)のコンサルやクラウドサービスを手掛けるスタートアップ企業だ。約40名のメンバーでサステナビリティ経営を支援しており、フルリモートで多国籍のメンバーが働いている。
そんな同社がBacklogを導入したのは、創業3年目の頃である。当時は、別のタスク管理ツールに加え、Google Workspaceやチャットツールなども併用しており、必要な情報を探すのに時間を要していた。フルリモート環境では、情報の所在が分からないストレスは大きく、チャットでタスクを依頼しても進捗が追えない事態も発生していたという。
こうした課題を解決したのがBacklogだ。Backlogにほぼすべての業務の情報を集約して、「誰が、いつまでに、何をやるのか」というタスクも可視化されるようになった。現在、名刺作成依頼や休日管理といったバックオフィス業務から、案件管理などの営業業務、展示会やプレスリリースの日程管理まで、幅広い業務で活用されている。
運用面では、「課題のテンプレート」をフル活用することで、誰が見てもタスクを理解ができ、情報不足を防ぐ工夫もしている。「件名は動詞で終わること」「詳細は箇条書きにすること」「担当者・期限・完了条件を最低限入力すること」といったルールをテンプレートに盛り込み、空欄のまま課題を登録するとチームの推進者(バックログスイーパー)に通知が届く仕組みも構築した。
「正しく入力すれば、正しく結果が出る」 データの蓄積がAIとの協働に価値を生む
さらに同社は、2025年9月から「Backlog AIアシスタント(β版)」のトライアル利用を開始している。きっかけは、形骸化した全体会議だったという。当時の会議は各部署の報告で終始してしまい、議論まで到達しなかった。さらに報告資料も、マネージャーごとの情報粒度にばらつきがあった。
今では、会議前にAIアシスタントに課題に抽出をお願いして、それを参加者に事前共有する運用に変わっている。ポイントは、目的や条件(期間と対象の課題)、出力形式(選定理由まで挙げるなど)を細かくプロンプトで指定することだ。
こうして、客観的にリストアップされた課題の一覧を基に、的を絞った議論ができるようになっている。もちろん、マネージャーが資料をつくる作業もなくなった。「一定の基準に沿って、忖度なく抽出してくれる点が、AIの強み」だという。
Backlog AIアシスタントは、会議以外でも日常的に利用されている。例えば、プロジェクト横断で自身やメンバーの「今やらなければならないタスク」をまとめてもらうことで、フルリモート環境のチームワークがより円滑になった。
ただ、こうしたAI活用を最大限に生かすには、各メンバーがタスクを正しく入力していることが大前提となる。そのためにはルールを明確にして運用することが重要で、それが結果として全体の業務効率化にもつながる。ポイントは、「正しく入力すれば、正しく結果が出る」ことだと強調された。




