【ありがとうCrucial】業界関係者が語るCrucial思い出話
自作PC市場において、これほどまでに「安心」という言葉が似合うブランドがあったでしょうか。 老舗ブランドCrucialの事業撤退。 この突然の報せは、長年メモリーやSSDの「定番」として同社製品を指名買いしてきたユーザーのみならず、PCパーツショップやメディア関係者の間でも大きな衝撃をもって受け止められました。
「Crucialで動かなかったら諦めるしかない」とまで言わしめた絶対的な信頼性と、現場を支え続けた「中の人」たちの熱意。 本稿では、数々の名機と共に歩んできた業界関係者たちの「Crucialとの思い出」を紐解き、その偉大な功績に心からの感謝を捧げます。
アスキー編集部 自作PC担当 ジサトライッペイ

Crucialといえば、アスキーのYouTube生放送で何度となく取り上げた「アイダホのポテト王」ネタ。世界最大級のブランドなのに大変きさくな印象で、我々のノリに付き合ってくださる懐の深さに助けられました。コンシューマー市場の撤退は残念ですが、データセンターは我々のインフラを支えてくれる重要設備です。そこにポテト王の支えがあることを忘れず、AIを利用していこうと思います。
アスキー編集部 自作PC担当 ドリル北村

Crucialのメモリーには大変お世話になりました。編集部で数え切れないほどPCを自作しましたが、ピーキーなマシンでも相性問題が起きにくく、ほぼすべてのPCで動作しました。「Crucialで動かなかったらもうダメだね」と言えるほど、全幅の信頼をおいていました。それでいて価格も高くない。最高です!
安心して使え、流通量が安定していて、しかも比較的安価なメモリーとして長年重宝してきましたので、撤退は残念でなりません。これまで自作PCパーツ業界を支えてくださり、ありがとうございます。
テクニカルライター F氏

Crucialと言えば、MLC NANDを採用した2.5インチ SSDの「Crucial MX200」にお世話になりましたね。後継モデルでは、3D TLC NANDに変わったので、売り切れ前にNASのキャッシュストレージ用に予備をゲットしましたよ。
あとはメモリーですね。PC自作の一式構成を考えるときに、Crucialを選んでおけば、どのショップでも買える、手ごろな価格帯、相性問題の不安も少ないと安心して記事で使えました。それだけに、今後はメモリーの提案が悩みどころです。
パソコンショップ アーク Sさん

2011年ごろに登場し、人気となった2.5インチSSD「Crucial M4」は、わたしも購入しましたね。その後、コストパフォーマンスに優れた2.5インチSSD「MX200」が登場して、さらにCrucial=SSDの印象が強くなりました。そして低価格で安定したメモリーが投入され、2018年ごろには、"メモリーとSSD選びに迷ったら「Crucial」を選べ”というのが、ショップスタッフだけでなく、お客様にも浸透した感じでした。
パソコンショップ アーク Iさん

Crucialは、一時期、メモリーの型番を1Rankか、2Rankなのかを分けてくれたのが印象深いですね。当時、Ryzenの人気が急上昇中したものの、メモリー相性でDRAMの実装数、Rankなどの詳細をお問合せいただくことが多かったので、かなりありがたかったです。
パソコンショップ アーク メモリーバイヤー Iさん

メモリーバイヤーを始めてから今年で、ちょうど30年目なのですが、CrucialはDDR400(DDR1 SDRAM)から約500種類のメモリーと、150種類のSSDを取り扱ってきたので、感慨深いものがあります。
直近では自作ユーザーやゲーミングPC向けに黒基板の採用や、白カラーモデルなども追加され、Micron純正品との差別化を図るなど意欲的だと思っていた矢先なので、撤退には本当に驚かされました。寂しくなりますが、今まで自作PC、BTO PC市場を盛り上げ支えていただき本当にありがとうございました。
パソコンショップ アーク BTOスタッフ Hさん

なんと言っても2.5インチSATA SSDですね。「RealSSD C300」と、その後継となる「Crucial m4」シリーズは、当時のハイエンドゲーミングPCの定番でしたね。ゲームの起動やロード時間とかが、HDDとはまったく違いましたからね。
TSUKUMO eX. PCパーツ担当 紅谷さん

発売したてのプラットフォームだと、相性で起動が困難な構成があったりしますが、そんなときも確実かつ現実的な価格で、市場に出してくれたおかげで、Crucialメモリーには何度も窮地を救われました。市場撤退は寂しい限りですが、また参入してくれることを切に願います。
TSUKUMO eX. PCパーツ担当 Yさん

AMDファンとして、初代Threadripper出た時に自作魂が刺激され即買いました。しかし、初代BIOSはメモリー周りの問題が多く、メーカーの異なる4枚は起動しませんでした。そこで、パッケージからメモリーチップのロットを確認できるCrucialメモリーを4枚購入すると、無事に4チャンネル2666MHzで動作しました。いまでも、このとき起動できた際の感動は忘れられないですね。
ドスパラ秋葉原本店 フロアマネージャー 舟橋さん

Crucialは、メモリー市場において“安定供給と品質の象徴”でしたね。とりわけ、スペック表記の正確さと実測性能のギャップが少ない点は、現場にとって非常に扱いやすく、PC自作・修理・法人向けアップグレードのあらゆる場面で、ユーザーに胸を張っておすすめできる存在でした。これまで品質と信頼性を守り続けてくれたCrucialブランドには、心から感謝しています。
オリオスペック 松田さん

高速で大容量のストレージが必要なプロジェクトで、CrucialのSSDを使用しましたが、最新モデルに切り替えたらRAID特性が悪く、困ってしまいました。そこで、Crucialブランドの親会社となるMicronのアメリカ本社に相談したところ、快くファームウェアを調整、修正してくれました。
そのおかげで無事に顧客への納品ができて、ホッとしたのですが……。SSDを再輸入した際に、数十万円もの関税がかかってしまい、結果的にかなりの大赤字に……。今となっては「いい勉強になった思い出」って感じです(苦笑)。



