伴走支援から大規模開発まで、自社に最適なkintoneパートナーを見つける方法
なぜ大企業でkintoneの導入が増えているのか? DX推進と「脱・属人化」を実現するエンプラパートナーに聞いた
2026年02月27日 09時00分更新
すでに4万社を超える導入にまで達したサイボウズのノーコード・ローコードツール「kintone」。中小企業向けの業務改善ツールというイメージが強いが、実はエンタープライズと呼ばれる大企業・中堅企業での事例も増えている(関連記事:kintoneの大企業売上は間もなく3割に サイボウズはグローバルで“戦える”新サービスも開発中)。今回は3社の「kintoneエンタープライズパートナー」に集まってもらい、中堅・大企業におけるkintoneへの期待、パートナーとして提供するサービスについて聞いてみた。
1000人規模の企業の導入実績を持つパートナー3社のプロフィール
今回集まってもらったのは、サイボウズがエンタープライズと定義する従業員1000名以上の企業でのkintone導入を支援する「エンタープライズパートナー」の3社。大企業での導入実績や人員体制、有資格者数などのサイボウズの基準を満たし、エンタープライズのkintone導入や運用を支援するkintoneインテグレーターだ。
1社目はkintoneのカスタマイズをGUIで行なえる「gusuku Customine(カスタマイン)」でおなじみのアールスリーインスティテュートだ。kintoneのシステム開発はカスタマインよりも古く、現在は「キミノマホロ for kintone」というサービス名で展開している(関連記事:業務改善をメニュー化した「キミノマホロ」で顧客とベンダーのギャップは埋まるか?)。
アールスリーインスティテュート システム開発グループ マネージャーの井上貴仁氏は、「従来のSIサービスは要件定義や開発などのフェーズでなにをしてくれるのかという役務が明確になっていませんでした。そこでキミノマホロでは作業内容をすべてメニュー化して提供しています。われわれによる開発も、お客さまでの内製化の支援もメニューで選択できます」と語る。
2社目は2014年からkintoneのシステム開発を提供してきたM-SOLUTIONS。最近はkintoneでのAI利活用を推進する「Smart at AI」を中心にしたプロダクト事業も伸ばしているが、もともとエンタープライズでのkintone案件を数多く手がけてきたパイオニアでもある。
同社はkintoneのアカウント販売を行なわず、kintoneと連携するサービスやシステム開発をビジネスのコアに据える。M-SOLUTIONS代表取締役 植草学氏は、「RFPがベースとなるkintoneの大規模案件をサイボウズと共同で手がけており、累計で1400件以上の開発を手がけています」とアピールする(関連記事:kintone SIの形を変えてきたM-SOLUTIONS 次は自治体DXへ)。
3社目のリコージャパンではkintoneグループがサイボウズ製品全般を担当する。kintone認定資格者は国内No.1で、約7,800人にのぼるリコージャパンの営業に向けた販売促進を行なっている。
同社が特徴的なのは「RICOH kintone plus」というリコー版のkintoneを提供している点にある。リコー複合機・ファクスとの連携や生成AI機能、帳票作成、各種プラグインなどRICOH kintone plusならではのオリジナル機能が提供されている。元々OA総合商社からデジタルサービスの企業に変革した経緯から販売網と幅広い商材、提案力も大きな売りで、グローバル展開においても力強いパートナーと言える。
リコージャパン デジタルサービス企画本部 アプリケーションサービス事業センター アプリケーション戦略室 kintoneグループリーダーの藤澤順一氏は、「サイボウズとタッグを組んでkintone予備校という社内制度を作り、営業が外出の傍らでkintoneの勉強ができる動画を作ったり、サイボウズ公認資格取得の支援をすることで提案力を高めています」と語る。
結局、エンタープライズ企業はkintoneでなにをやりたいのか?
まずは「エンタープライズ企業がkintoneでなにをやりたいのか?」を聞いてみた。アプリの内製化を前提とした現場部門への導入なのか、情報システム部やDX部門が全社的にリードするDXプロジェクトとしての導入なのか? さまざまなニーズがありそうだ。
アールスリーインスティテュート システム開発グループ 浅賀功次氏は、「ボトムアップの場合は業務改善のための内製化を目的とする場合が多いですが、IT部門やDX推進部門が起点となる場合は、全社システムの統制やDX推進がメイン。内製化させたいけど、kintoneだったら、Excelのような属人化は起こらないと考えるお客さまが多いようです」と語る。
M-SOLUTIONSの植草氏も、「現場部門で導入・運用ができるSaaSも増えていますが、こうなると全社的な統制が効かなくなります。だったらkintoneのようなサービスをプラットフォームとして導入して、ガバナンスを効かせた上で利用する方がよい。最近はそういうエンタープライズ企業の判断が増えています。ゴリゴリに開発することも可能なので、いざとなったら外部におねがいするという選択肢もとれます」と語る。
さらに植草氏が指摘したのは、kintoneのユーザーが多く、コミュニティが活発であること。「ネットでの情報量も多く、他企業の利用ノウハウもコミュニティでシェアされているので、現場でも活用しやすいだろうと考えられていますね」と植草氏は指摘する。
リコージャパンの藤澤氏は「トップの鶴の一声でDX推進を始めるパターン」や「属人化からの脱却」を挙げる。「以前、kintoneを提案したお客様は、現場部門がExcelやVBAで生産管理システムを作っていたのですが、担当者が退職してしまって改修ができないと困っていました」と藤澤氏は振り返る。また、独自の業務がある部門や組織も、専用SaaSでカバーできないため、kintoneを導入するという例もある。
かつてのエンタープライズ企業では、全社員が利用できるLotus Notesのような統合型サービスがあったが、今では目的に応じて専用SaaSを使い分けなければならない。これもエンタープライズの課題だ。「kintoneであれば、かゆいところに手が届くソリューションを単一プラットフォームでまかなえます。ここまでは必要ないというオーバースペックな専用システムやSaaSをkintoneに統合できます」と藤澤氏は語る。










