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柳谷智宣の「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」 第45回

通勤時間やスキマ時間を事前学習時間として有効活用! NotebookLM音声解説機能のおすすめプロンプト

2026年02月20日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第45回は「NotebookLM」の音声解説機能を使ってスキマ時間を学習などに役立てる方法を解説する。

ラジオ番組のトークのように資料を音声で解説してくれるNotebookLM

 最新の論文を読む時間がない。積み上がった資料に目を通す余裕もない。そんな悩みを抱えるビジネスパーソンにおすすめなのが、NotebookLMの音声解説機能だ。単なる読み上げではなく、AIならではの「対話型要約」が、情報のインプットに最適なのだ。今回は、NotebookLM音声解説機能の使い方と活用法を紹介する。

NotebookLMの音声解説機能を活用しよう

 NotebookLMの音声解説機能を初めて体験した人は、AI音声の滑らかさに驚くことだろう。二人の登場人物が、掛け合いながらラジオ番組のようにトークを繰り広げるのだ。一方が「ここが面白いポイントですね」と話しかけ、もう一方が「そうなんです、実はこの部分が本質で……」と応じてくれる。

 Googleの公式説明によれば、この音声解説はソースコンテンツを「客観的に反映」するよう設計されている。つまり、AIホストたちが自分の意見を述べているわけではなく、あくまでアップロードされた資料の内容に基づいて対話を組み立てているとのこと。

 2025年9月には出力形式も拡充されている。従来の「詳細」に加え、1~2分の短い「概要」、建設的なフィードバックを提供する「評論」、2人のホストが異なる立場から議論する「議論」の4つから選択できるようになった。プロンプトによっては、一人で語ることも多い。用途に応じた使い分けが可能になったことで、活用の幅は一気に広がっている。

 使い方は簡単だ。資料を登録したら、「音声解説」のパネルにあるペン(設定)アイコンをクリックする。形式や言語のほか、長さを選択できる。そして、「このエピソードでAIホストが焦点を当てるべきこと」にプロンプトを入力し、「生成」をクリックする。

カスタマイズ画面で、どんな音声解説にするのか設定する

外出先では、NotebookLMのスマホアプリで音声解説を再生する

スキマ時間を活用できるおすすめプロンプト

 音声解説機能の登場により、情報収集のスタイルが根本から変わりつつある。これまで「読む」しか選択肢がなかった資料のインプットに、「聴く」という手段が加わったことの意味は大きい。

 たとえば筆者のようなライターであれば、取材前の下調べに活用できる。過去のインタビュー記事や企業資料、関連論文をNotebookLMにアップロードし、音声解説を生成すれば、移動中の電車内でもインプットを進められる。「この人は何を大事にしているのか」「どこを突けば面白い話が引き出せるか」といった質問案のドラフト作成に役立ってくれるのだ。

○おすすめプロンプト1
この人物の経歴と最近の活動から、インタビューで「深掘りすべき核心的なテーマ」を3つ特定してください。それぞれのテーマについて、相手が思わず熱く語り出してしまうような具体的な質問案を提示してください。

○おすすめプロンプト2
これまでの発言や著書から見える、この人物独自の「哲学」や「こだわり」に焦点を当てて解説してください。また、まだ世間であまり触れられていないが、深掘りすると面白そうな「意外な側面」や「矛盾点」があれば指摘してください。


 会議の事前準備にも活用したい。前回の議事録や共有された資料を音声化しておけば、オフィスに向かう道すがら頭の整理ができる。前回の会議の内容を忘れていることも多いが、しっかり思い出していれば会議で有意義な発言ができる可能性が高まる。議論を巻き戻すような発言をしたり、的外れなことを言うくらいなら、音声解説でキャッチアップしておきたい。

○おすすめプロンプト1
前回の会議で「未解決のまま残った課題」と、参加者間で「意見が対立したポイント」を重点的に振り返ってください。今回の会議で合意形成が必要な重要事項を明確にし、スムーズな進行のためのアドバイスを提示してください。

○おすすめプロンプト2
会議資料から、各ステークホルダーが最も懸念していることや、重視しているポイントを推察して解説してください。自分がどのような立場で、どのような発言をすれば議論を前進させられるか、具体的な立ち回り案を提案してください。


 最前線の知識にキャッチアップするため、専門用語が羅列された論文やレポートなどを読まなければいけないと分かっていても、PDFを開いた瞬間にそっと閉じた経験はないだろうか。NotebookLMは、そんな「難解な資料」への心理的ハードルを劇的に下げてくれる。

 AIホスト同士が「ここに出てくる○○って概念、ちょっと難しくない?」「要するに、こういうことだよ」といった具合に、簡単な言葉に噛み砕いてくれるのだ。まず音声解説で全体像と重要ポイントを頭に入れ、その後に本文の精読へ移ることで、理解のスピードと深さが段違いに変わってくるはずだ。

○おすすめプロンプト1
この資料に出てくる高度な専門用語や数式を一切使わず、前提知識がない中学生でもイメージできるように、身近な例え話を用いて全体像を解説してください。特に「なぜこの研究・技術が重要なのか」という社会的意義を強調してください。

○おすすめプロンプト2
既存の技術や理論と比べて、この資料が示している「最も革新的な点(差分)」は何ですか? 業界の常識をどう変えようとしているのか、そのインパクトの大きさに焦点を当てて熱く議論してください。


 外国語学習、特にリスニングにおいても活躍してくれる。自分が知りたい内容や自分の仕事の資料を教材化できるのが大きなメリットだ。たとえば、自社の日本語プレスリリースや、日本語の企画書をアップロードし、英語で対話させてみよう。

 内容はすでに頭に入っているため、知らない単語が出てきても文脈から推測しやすく、英語脳を鍛えるのに最適なのだ。海外の支社で自分の仕事について噂話されているのを盗み聞きするような、妙なリアリティがあり、集中力が途切れず、生きた英語表現に触れることができる。

○おすすめプロンプト1
すべて英語で対話してください。ビジネスの現場でそのまま使える「こなれた表現」や「丁寧な言い回し」を多用し、ネイティブスピーカー同士が同僚としてカジュアルに議論している雰囲気で解説してください。

○おすすめプロンプト2
英語で対話してください。資料の内容について、一人のホストがもう一人にクイズを出す形式を交え、リスニングの理解度をチェックできるような構成にしてください。また、最後に資料内で使われた「重要語彙リスト」を英語で読み上げてください。


 さらに2025年12月には、開発中の新機能として「Lecture(講義)」モードの存在がリークされた。従来の2人のホストによる対話形式ではなく、1人のAIホストによる連続した講義形式の音声を生成するものだ。「Short」「Default」「Long」の3段階で長さを選択でき、Longを選べば約30分の講義が生成されるという。まさに大学の授業を聴いているような体験が、手持ちの資料から即座に作り出せるようになる可能性がある。楽しみだ。

 NotebookLMの音声解説は無料版でも利用できるが、1日あたり生成できる解説は3件までという上限がある。月額1200円のGoogle AI Plusにアップグレードすれば1日6件まで拡大されるが、バリバリ使うなら、月額2900円のGoogle AI Proにして1日20件生成できるようにしておきたい。ちなみに、筆者が契約しているGoogle AI Ultraなら、音声解説を1日200件生成できる。

 耳で聞く、という選択肢ができたことで、これまでは学習に使えなかったスキマ時間を有効に活用できるようになった。特に、スマホを開くことができない満員電車や車の運転中に情報をインプットできるのがありがたい。スキマ時間で勉強すると聞くと意識が高そうだが、効果のほどは大きい。まずは、興味のあることから音声化して聞いてみよう。

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moltbookの画面。筆者のAIエージェントも参加している

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