第18回 アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた

“全員参加”のチームづくりでリーダーが気をつけるべきこと、Backlogを役立てる方法

プロジェクトリーダーを悩ませる“指示待ちメンバー” 自発的な行動を促すコミュニケーション術を考える

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ヌーラボ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

リーダーだけでなく、メンバーにも自発的に動いてほしい!

 皆さまこんにちは。アスキー編集部で働く、編集者の大塚と申します。少し前からBacklogを使った仕事のプロジェクト・タスク管理に挑戦しております(連載:アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた)

 さて、筆者はとある業務プロジェクトのリーダーを務めているのですが、いつも思うのは「メンバーがもっと自発的に動いてくれたらなあ……」ということです。リーダーが一つひとつ細かく指示をしなくても、それぞれの判断でタスクを積極的に進めていってほしい――。そんな悩みを抱えているプロジェクトリーダーは、筆者だけではないと思います。

 筆者のチームを見渡してみると、グイグイ自発的にタスクを進めていくメンバーもいるのですが、多くが消極的で“指示待ち”のメンバーです。これだと、細かく指示を出すリーダーの負担が重くなりますし、それぞれのタスク処理もなかなか進まず、プロジェクト全体の進行が遅れる原因にもなります。

 リーダーとしてさらに心配なのが、メンバーが“仕事をやらされている”と感じていないか、という点です。リーダーの指示に従って動くだけだと、自分なりの考えや得意なスキルが生かせず、なんだか仕事がつまらなくなりそうです。「チームに貢献できた」「自分の成長につながった」という喜びも持てないでしょう。

 筆者が考える理想像は「全員がリーダーシップを持ち、主体的に参加するプロジェクトチーム」です。今回は、そんな“全員参加”のチームをどう作ればよいのかを考えてみましょう。

「自発的に動きにくいチーム環境」とはどんなものか?

 まず始めに気をつけたいのが、これを「本人のやる気の有無」の問題にしない、ということです。自発的に取り組んでくれないのは、本人にやる気がないからだ――と決めつけるのは簡単ですが、これだと状況は改善できません。それよりは、「何らかの要因があって、自発的な行動が妨げられているのでは?」ととらえ、その改善策を考えるほうが前向きです。

 メンバーの自発的な行動をはばむ要因には、どんなものが考えられるでしょうか。

■プロジェクトの目指すゴールが理解できていない:
 そもそもこのプロジェクトがどんなゴールを目指して進んでいるのか、それを理解しないまま、部分的なタスクだけを割り振られても、動き出すべき方向が定まりません。加えて言えば、そのゴールを達成する意義まで“腹落ち”(納得)していなければ、自発的に行動しようという気持ちも引き出せないでしょう。

■プロジェクト内での裁量の範囲がはっきりしていない:
 自発的な行動を促すためには、メンバーにある程度の裁量を与えることが不可欠です。ただし、自己裁量で判断してよい範囲が曖昧だと、自発的に動きづらくなります。「自分で判断して動いたら、『勝手なことをするな』と叱られるかもしれない」という環境ならば、おとなしく“指示待ち”でいたほうが無難だと思われてしまいます。

■割り振られたタスクが大きすぎる:
 リーダーとしては、メンバーに大まかな指示を与えるだけでタスクが進むのが理想です。ただし、まだ業務経験が浅いメンバーの場合は、大まかなタスクを割り振られても、具体的にどう動けばよいのかが分からないことがあります。

 少し抽象的な話になってしまったので、具体例として「イベント開催のプロジェクトで『会場手配』のタスクをメンバーに任せる」ストーリーに沿って、どんな問題が起こりうるのかを考えてみましょう。

 まず、プロジェクトのゴール(イベントの開催目的)をメンバーが理解していなければ、たとえ参加人数や予算規模の大枠が決まっていたとしても「どんな会場を選べばよいか」で迷ってしまうことになります。交通アクセスが良い会場、多目的に使える会場、高級感のある会場、とにかく安価な会場……など、選択肢が数限りなく出てきてしまいます。

 イベント会場が決まっても、会場内の座席数やレイアウト、利用する会場の備品、必要なステージ演出、会場までの動線、当日の運営タイムテーブルなど、誰かが判断したうえで、会場側にオーダーしなければならないことは山ほどあります。ここには「担当メンバーが判断してよいもの」「リーダーやチーム全体の判断が必要なもの」が混在していますから、その線引きがはっきりしていなければ、担当メンバーはタスクが進めにくいでしょう。

 そもそも、これまで会場手配の経験がないメンバーならば、どんな手順で何をしなければならないのかイメージできず、最初の段階でつまずいてしまいそうです。すぐにリーダーや経験のあるメンバーに相談してほしいところですが、生真面目な人ほど「自分で何とかしなければ」と考え込んでしまい、動き出すまでに時間を浪費しがちです。

チーム内のコミュニケーションを工夫することで改善できる!

 上に挙げた3つの要因は、いずれもチーム内のコミュニケーションを工夫することで改善できます。特に、タスクをメンバーに割り振るタイミングで、リーダーとメンバーがコミュニケーションをしっかりと取っておくことが大切です。

 プロジェクトのゴールについては、プロジェクトの定例ミーティングなどで繰り返し、メンバー全員で確認する習慣をつけ、ふだんから意識合わせをしておきます。その大切さについては、以前の記事でもご説明しました。(関連記事:「人は7回言わないと忘れる」 プロジェクトメンバー全員の意識合わせに必要なことは?)

 そのうえで、メンバーにタスクを割り振る際には、「プロジェクトの目的達成のために、そのタスクには何が期待されているのか」までブレイクダウンして伝えるのがよいでしょう。目指すべき方向性がはっきりすれば、担当メンバー自身で工夫を加えながら、より良いかたちでタスクを進められます。

 自己裁量の範囲については、リーダーやチームへ進捗報告を常に行うことを前提としつつ、なるべく担当メンバーの裁量に任せることを基本とします(そうしないとリーダーの負担が減りません)。それと同時に、リーダーやチーム全体の判断を仰がなければならない“例外”もルール化しておきます。たとえば、「事前に決めた予算やタスク処理時間をオーバーしそうな場合」「ほかのタスクとの調整が必要な場合」は必ず判断を仰ぐ、といったルールです。

 ここでは、担当メンバーの経験やスキルに応じた配慮が必要です。経験の浅いメンバーにも自己裁量権を与えつつ、進捗報告をよりこまめにしてもらう、リーダーに相談すべき場面をより具体的に伝えておく、といった工夫をするのがよいと思います。

 割り振るタスクの粒度についても同様です。経験豊富なメンバーにはタスクを“大きな塊”のまま渡して問題ありませんが、経験の浅いメンバーならば、タスクを細かなステップに分解し、各ステップで何をすればいいのかを具体的に伝えるようにします。こうすれば、経験の浅いメンバーであっても自発的に動きやすくなるはずです。

* * *

 それでは、こうしたチーム環境づくりにBacklogはどう活用できるでしょうか。

 タスクごとのこまめな進捗報告には「課題」のコメント欄が活用できます。担当メンバーがタスクに関するあらゆる情報をここに蓄積しておけば、リーダーに何らかの判断を求める際にも、ここを参照するだけで検討がスムーズに進むはずです。

 また「ドキュメント機能」も積極的に活用しましょう。プロジェクトの目的や役割分担を明文化するだけでなく、各タスクの完了後、担当メンバーに「実行報告」という形で、実行内容や発生した課題、注意点などをまとめてもらうのも有益です。今回のプロジェクトチームへの報告だけでなく、次回以降、経験の浅い担当メンバーが参照して自発的にタスクを実行していく助けになるでしょう。

 プロジェクトチームに“全員参加”という気持ちが浸透すれば、参加していて楽しいプロジェクトになるはずです。そうしたチームづくりもリーダーだけの役割ではありませんから、メンバー全員にその気持ちを率直に伝え、「働いていて楽しい」環境づくりを一緒に目指しましょう。

過去記事アーカイブ

2026年
01月
2025年
01月
02月
03月
04月
05月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2024年
04月
06月
07月
08月
09月
10月
11月
12月
2020年
01月
08月
09月
2019年
10月
2018年
05月
07月