本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「企画こそ生成AIを使った方がいい話」を再編集したものです。
コーディングの次に、生成AIのインパクトを得られるのは企画な気がする。
こんにちは!最近、企画することが何かと多い大町です。
今回は「企画こそ生成AIを使った方がいい話」というテーマで、ブログを書いてみようと思います。
企画って、ゼロからアイデアをひねり出す時間よりも、
情報を集めて、比べて、筋を通して、合意を取りにいく――この“地味で重い工程”に体力を吸われませんか。
たとえるなら、企画は「ロケットの発射準備」です。
燃料の量、風向き、チェックリスト、管制塔との交信。派手じゃないけど、ここを雑にすると空には飛ばない。
なんなら、雑にするほど大きな事故のリスクが大きくなっていきます。
企画だって同じです。会社のお金をつかって、事業を展開する。失敗すれば、投資が回収できないことだってある。
だからこそ、重たいわけです。
重さの正体ってなんだろう?
そして、その重さの正体はだいたい決まっています。
「考えること」そのものより、意思決定のための材料を揃えること。
情報を集めて、整理して、比較して、抜け漏れを潰して、反論まで先回りして。ここで時間と体力が溶けてしまいます。
今、生成AIはその準備工程に対して、かなり強い相棒になりました。
企画は、生成AIのホームグラウンドになりつつあるのではないでしょうか。
でも、ぶっちゃけ生成AIを使うのって難しい。
じゃあ、「企画案を文字起こしして、それを生成AIにそのままぶつければいい!」というわけでも、実はなかったりします。
企画案をそのまま投げても、返ってくるのはそれっぽい提案になりがちです。
(ただ、それでも今のLLMだと、精度の高い返答が返ってくるかもしれませんが)
だから、一番大事なのは「問いかけ方」だったりします。
生成AIは、魔法のアイデア製造機というより、
こちらが渡した材料を、速く・多角的に・整えて返してくれる相棒です
だからコツはシンプルで、
「目的」「制約」「出力形式」「判断基準」を先に渡すこと。
これだけで返答の“それっぽさ”が減って、企画が前に進む率が上がります。
例:リサーチの場合
例えば、リサーチが目的なら、公平な観点からfactを集めることが必要です。
ただ、人力でやると「どこまで集めたら十分か」「何を落としているか」が見えづらい。
そこで僕は、まず生成AIに“調査を走らせる”ところから入ります。
ChatGPTに関連情報を当たらせて、論点ごとに事実を拾い、出典(URLと日付)つきでまとめてもらう。
いわゆる“参照しながら答える”使い方をすると、検索・要約・整理の初速が一気に上がります。
そのうえで、重要な数字と一次情報を確認して、事実が正しいかを確認します。
例:分析の場合
そのデータを材料に、市場の傾向を得たいなら「分析」が必要です。
ここでやるべきことは、当てに行くことじゃなくて、判断できる形に整えること。
数字や事例を同じフォーマットに揃えて、
セグメントや用途で並べ替えて、
比較軸を作って差分を見える化する。
そのうえで、事実と解釈を分けながら「示唆(仮説)」として言葉にする。
生成AIは、この“整える・並べる・比較する”が速い。
だから人間は、最後の「何を選ぶか」に集中できるようになります。
あとは、統計的な分析をしたいのであれば、コードインタプリターの機能がついている生成AIを使うのもおすすめです。
fact × それに基づく推論は、めちゃくちゃ強力です。
生成AIは、企画の“整備”を速くする道具
生成AIは、企画の“ひらめき”を増やす道具というより、
企画の“整備”を速くする道具です。
調査して、整理して、比較して、可視化して、反論に備える。
そこをAIに任せられると、人間は「何を選ぶか」に集中できる。
ロケットは発射ボタンを押す前に勝負が決まる。
企画も同じで、準備の質が意思決定の質を決める。
だからこそ、企画こそ生成AIを使った方がいい——僕はそう思っています。
大町貫太/FIXER
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