“業務用音響機器”と“ネットワーク機器”の両方を手がけるヤマハだからこそできること
SIer/ネットワーク技術者こそ知ってほしい! 「AV over IP」がもたらすビジネスチャンス
提供: ヤマハ
日本での盛り上がりはこれから、新たなビジネスチャンスが生まれる
ここまで見てきたとおり、AV over IP技術は、ProAVシステムを「シンプル」「柔軟」「運用/管理が容易」なものにする。海外では、こうしたメリットを背景として急速に採用が進んでいるわけだが、それではなぜ、日本はそのトレンドに乗り遅れているのか。
最大の理由は、ProAVシステム専門のインテグレーターに、IPネットワークの設計/構築ノウハウを持つエンジニアが少ないことだという。従来方式でのシステム構築には慣れているが、AV over IPの場合は、IPネットワークの設計スキルやスイッチの設定スキルも必要になるため、それが高いハードルになっている。
むしろ、IPネットワークの設計/構築スキルを持つIT業界のシステムインテグレーター(SIer)やネットワークエンジニアのほうが、市場への参入ハードルは低いと考えられるため、AV over IPという「新たなビジネスチャンス」にチャレンジしやすい。
SIer/ネットワークエンジニアの参入ハードルを引き下げるヤマハ
こうした状況を変えようと、ヤマハでは国内のSIerやネットワークエンジニアに向けて、AV over IPについてのアピールを始めている。
日本を代表する業務用音響機器メーカーとして、ヤマハは10年以上も前から、音響システムのIPネットワーク化(Audio over IP)に取り組んできた。全国のコンサートホール、劇場、公会堂などで、Danteプロトコルを採用した音響システムを構築してきた実績を持つ。
また、会議室向けの音響製品でも、Dante対応のマイク、パワードスピーカーなどを提供してきた。2021年からは、遠隔会議用のワンストップサウンドソリューション「ADECIA」シリーズを展開しており、同シリーズのマイク、スピーカー、サウンドプロセッサなどはすべてDante対応だ。
ADECIAでは、部屋の大きさや座席レイアウトに合わせて、最適なシーリングマイクやスピーカーの数/位置を決定できる「ProVisionaire Plan」も提供している。サウンドプロセッサなどはすべてPoE受電/Dante対応であり、LANケーブルをつなぐだけで遠隔会議システムを構築できる。さらに、音に関する知識や経験がないと難しい音響設定も、GUI画面を数クリックするだけで部屋に合わせた音のチューニングまで自動で行ってくれる機能を備えている。
ヤマハはもうひとつ、ネットワーク機器メーカーとしての顔も持つ。こちらでも、提供する製品のAV over IP対応を進めている。
具体的には、ネットワークスイッチ製品の「SWX3220シリーズ」「SWX2320シリーズ」などにおいて、業界標準の伝送プロトコル(Dante、NDI、SDVoE、IPMX、SMPTE ST 2110など)に最適な設定(プロファイル)を、GUIの管理画面から数クリックで設定できる機能を搭載している。
こうした取り組みにより、従来からのProAVインテグレーターだけでなく、これからProAVシステムの導入を手がけたいSIerやネットワークエンジニアにとっても、設計や構築、設定の難易度がぐっと下がるはずだ。
ほかにもヤマハでは、SDVoEアライアンスへの参加、映像関連主要メーカーとの協業など、AV over IP技術の発展や市場の拡大に貢献している。映像関連の主要メーカーとの協業も進めており、これからさらに、映像+音響でのAV over IPシステム提案に注力していく方針だ。
なおヤマハは、AV over IPに加えて、放送事業者向けの「Media over IP」にもスイッチ製品の対応を開始した。SWX3220/2320スイッチにおいて、高精度な音声/映像同期を実現するPTPv2 BC対応モデルをラインアップしており、放送設備のIPネットワーク化もサポートしていく方針だ(関連記事:音響だけでなく「AV over IP」ネットワークも注目! ヤマハのInter BEE出展)。
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今回見てきたとおり、日本国内のAV over IP市場は、まさにこれから盛り上がりを迎える段階にある。ヤマハでは、この市場に新たなビジネスチャンスを見いだしているSIerを支援し、共同で顧客へのソリューション提案活動などを進めていく方針だ。
さらにヤマハでは、サイト内にAV over IP専用の情報サイトも新設した。AV over IPシステムのビジネスに興味のあるインテグレーターの方は、まずは気軽にヤマハまでお問い合わせいただければ幸いだ。



