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たまに役立つセキュリティ豆知識 第103回

通信の暗号化を担う大事なサービス

「VPN」は無料ではなく有償サービスを選ぶべき! なぜかと言えば……

2025年12月12日 07時00分更新

文● せきゅラボ

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自分だけが通れる「安全なトンネル」を作る技術

テレワーク時は必ず利用している人も多いのでは?

Q:「VPN」ってなに?

A:「Virtual Private Network」の略称。インターネット上に仮想的な専用通信回線を構築し、暗号化通信で安全にデータを送受信する仕組み。

 企業の拠点間通信で使われることが多かったが、近年では個人向けVPNサービスも登場しており、セキュリティ対策製品にVPNサービスが含まれていることも珍しくない。

 VPNを利用することで、スマホやパソコンなどのデバイスとVPNサーバー間の通信が暗号化され、第三者による通信データの窃取が難しくなるため、たとえば公衆Wi-Fiを利用している場合でも通信を保護できる。

 また、VPNサーバーを経由してインターネットに接続するため、自身のIPアドレスを隠蔽した匿名通信も可能となる。主な利用シーンは、カフェや空港といった場所でフリーWi-Fiを利用する場合や、在宅勤務で社内ネットワークにリモートアクセスで接続する場合、そして自分の所在地を隠して通信したい場合にも有効だ。

 一方で、VPN事業者が通信履歴を保持する場合も多く、必ずしも完璧な匿名性が確保されるとは限らない。無料VPNのサービスのなかには通信内容を収集して広告などに活用しているケースもある。

 最近では、VPN機器周りのアップデートを怠っていた企業が脆弱性を突かれ、不正アクセスされてしまう事例が多発しており、メンテナンスの重要性が叫ばれている。

 運営体制が不透明なVPNサービスの利用は避け、信頼性の高い有償サービスを利用することが重要だ。また、VPNはあくまでも通信の暗号化を担うのみで、フィッシング詐欺やウイルス感染などには無力。過信することなくセキュリティ対策製品を併用したいものだ。

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