協力関係とインテリジェンスの共有を促進して世界のサイバー犯罪を阻止【世界経済フォーラムのサイバーセキュリティ年次総会にて】

文●フォーティネットジャパン 編集●ASCII

提供: フォーティネットジャパン

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本記事はフォーティネットジャパンが提供する「FORTINETブログ」に掲載された「フォーティネット、世界経済フォーラムのサイバーセキュリティ年次総会でグローバルなサイバーレジリエンスを推進」を再編集したものです。

共通理解の確立と世界規模の活動

 10月14日~16日、世界経済フォーラムの「2025年サイバーセキュリティ年次総会(AMC25)」がドバイで開催され、政府、企業、市民団体のリーダーたちが集結しました。同フォーラムのサイバーセキュリティセンター(C4C)は、フォーティネットも創設メンバーの一員であり、テクノロジーの進化が加速し地政学的な複雑さが増す中、世界的なサイバーレジリエンスの強化をコミットメントとして掲げています。

 フォーティネットを代表してAMC25に参加したのは、最高情報セキュリティ責任者のCarl Windsor博士と、チーフセキュリティストラテジスト兼脅威インテリジェンス担当グローバルバイスプレジデントのDerek Mankyです。両氏は、区分は異なるものの相補的な関係にある2つの優先事項に関して、フォーティネットの専門知識を提供しました。その優先事項とは、部門を横断してグローバルサイバーセキュリティのリーダーシップを強化すること、そして、サイバー犯罪撲滅に向けた官民の協力を促進することです。

 Derek Mankyはサイバーセキュリティのシニアリーダーらと共に、パネルディスカッション「Scaling Disruption:The Next Chapter in Cybercrime Collaboration(拡大戦略:協働的サイバー犯罪対策の次なる一手)」に参加しました。Derek Mankyが参加した目的は、Cybercrime Atlas(サイバー犯罪アトラス:フォーティネットが設立に携わった世界経済フォーラムのイニシアチブ)から入手した実用的インテリジェンスを共有し、法執行機関が民間部門のインテリジェンスを活用してどのようにサイバー犯罪活動を一掃できるかを説明することでした。

 Carl Windsorは、世界的公共財としてのサイバーセキュリティに関する学際的なセッションに出席し、サプライチェーン、AIシステム、重要インフラで増大している脅威に対応するために、ポリシー、ガバナンス、防御戦略を連携させる必要性が高まっている点について、専門的見地から意見を述べました。このフォーラムでの彼の役割は、共通のセキュリティビジョンの下にサイバーセキュリティと企業のリーダーシップを結束させるという、フォーティネットのコミットメントを強調するものとなりました。

拡大戦略:パートナーシップの進化

 Derek Mankyはセッションの中で、Operation Serengeti(オペレーション・セレンゲティ)およびOperation Serengeti 2.0(オペレーション・セレンゲティ2.0)をはじめとする2025年の協調的なサイバー犯罪掃討作戦の成功に言及し、実用的インテリジェンスと共有フレームワークが、最も巧妙なグローバルネットワークさえも解体できることを強調しました。

 Derek Mankyは次のように述べました。「集団的サイバーレジリエンスを確立する上で、官民のパートナーシップは中核的役割を果たします。官民が連携することで、業界の機動力と高度な技術が、法執行機関の広範な勢力範囲と権限に結合され、私たちはかつてない速さで掃討作戦を拡大することができます。最近発表された世界経済フォーラムの「2025 Cybercrime Atlas: Impact Report」は、Cybercrime Atlasが実際にサイバー犯罪を阻止し、サイバー犯罪者に実質的な影響を与えていることを明確に示しています」

 パネルディスカッションでは、世界経済フォーラムのDisrupting Cybercrime Networks: A Collaboration Framework(サイバー犯罪ネットワークの破壊:連携の枠組み)Cybercrime Atlasモデルなどの新しいフレームワークが、共有した知識を協調的な活動に生かすための実用的ツールを防御者に提供している点を考察し、「2025年Cybercrime Atlas Impact Report」で紹介された成功事例なども検証しました。

公共財としてのサイバーセキュリティ

 Carl Windsorはパネルディスカッションのほか、マルチステークホルダーによるセッションにも出席し、世界共通の責任としてのサイバーセキュリティについて協議しました。これらのセッションは、グローバル・フューチャー・カウンシルズの年次総会に合わせて開催されたもので、37分野の専門家が一堂に会し、信頼、イノベーション、セキュリティがバランスよく進化する方法を話し合いました。

 今年の「サイバーセキュリティ年次総会」には、喫緊の世界的課題に対処するために、世界中から700人を超えるリーダーが参加しました。会期中は学会、政府、国際機関、企業、市民団体からソートリーダーが参集し、コアなサイバーセキュリティの優先課題について、将来を見据えた解決策を提案すると共に、協力関係の促進を図りました。「サイバーセキュリティ年次総会」への参加は、重要かつ世界的な意見交換の場に加われる機会です。それらの対話によって、重点項目を明確化して解決を促進し、デジタル化の恩恵をすべての人に届けることが可能になります。

 フォーティネットの参加は、技術的ソリューションに頼るだけでは重要なデジタルインフラストラクチャを保護できないという当社の見解を反映したものです。そうした保護には、ガバナンスの整合性、説明責任の共有、サイバーセキュリティのリソースと機能へのアクセスも必要になります。

 AMCではその他のテーマとして、サイバー詐欺への対策も取り上げられました。刻々と進化するAIを使ったなりすましや国際詐欺ネットワークなど、サイバー犯罪とサイバー詐欺は緊急かつ高コストな世界的脅威として浮上しています。AI技術の急速な進歩によって、世界のセキュリティ情勢は目まぐるしく変化し、脅威は自律的な武器から大規模なサイバー攻撃へと拡大しています。これらのリスクは国境を越えて存在するため、官民が協力して世界共通の原則を定める必要があります。

世界経済フォーラムに対するフォーティネットの継続的コミットメント

 フォーティネットとAMC25との関係性は、世界経済フォーラムサイバーセキュリティセンターと当社との長年にわたるパートナーシップに基づいています。当社はCybercrime Atlasの創設メンバーで、Partnership Against Cybercrimeの協力企業であり、さらにはAI and Cyber InitiativeStrategic Cybersecurity Talent Framework(戦略的サイバーセキュリティ人材フレームワーク)の主要参加企業かつ発足メンバーでもあります。

 フォーティネットは、FortiGuard Labsによるリアルタイムの実用的インテリジェンスと、世界経済フォーラムのC4Cによるグローバルな連携を結合させることで、具体的な犯罪阻止、知識の共有、有能なサイバーセキュリティ人材の世界的育成に焦点を当て、対話を行動に移すための支援を継続しています。

未来を守るための協力

 AMC25の結論では、ひとつの明確なメッセージが示されています。すなわち、サイバーセキュリティの次の段階ではグローバルな協力が不可欠であるということです。AIを使った詐欺への対処や重要インフラの防御など、サイバーレジリエンスには国境、部門、技術の枠を越えた統一的戦略が求められます。

 フォーティネットは引き続きこのミッションの推進に尽力するため、世界経済フォーラムのメンバーをはじめとする官民両部門のパートナーと協力して世界の防御を強化し、すべての人にとって安全なサイバー空間を構築していきます。

世界経済フォーラムに関するFAQ

世界経済フォーラムのサイバーセキュリティ年次総会とは何ですか?
 「サイバーセキュリティ年次総会(AMC25)」は招待制の世界的イベントで、企業、政府、学会のリーダーが協力して、集団的サイバーレジリエンスや協調的対策を推進する場です。

フォーティネットのAMC25への参加状況は?
 フォーティネットは、開設当初から同フォーラムのAMCに協力しています。今年はDerek MankyとCarl Windsor博士が当社を代表して参加しました。4回目の参加となるDerek Mankyは、パネルディスカッション「Scaling Disruption(拡大戦略)」に出席し、サイバー犯罪対策における官民の協力について協議しました。一方Carl Windsorは、サイバーセキュリティのガバナンスとレジリエンスに関する学際的なセッションで意見を述べました。

AMC25の主要トピックを教えてください。
 セッションでは、AIとサイバーセキュリティ、OTセキュリティ、デジタルトラスト、サプライチェーンのリスク、サイバー詐欺を取り上げています。これは、今日の脅威情勢の複雑で相互接続された性質を反映しています。

フォーティネットが世界経済フォーラムに関与する理由は何ですか?
 フォーティネットはWEFのサイバーセキュリティセンターおよびCybercrime Atlasの創設メンバーとして、サイバー犯罪の阻止、インテリジェンスの共有、サイバー人材の強化を目的とした世界規模の協力を行っています。

AMC25の後はどうなりますか?
 フォーティネットは、AMC25の終了後も世界経済フォーラムとのパートナーシップを継続し、同フォーラムが2026年1月19日~23日にダボスで開催する年次総会に出席します。また、Cybercrime Atlasコミュニティと同フォーラムのC4Cを通じて、実用的でインテリジェンス主導の犯罪阻止キャンペーンを世界中で推進していきます。

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