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第16回 アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた

「聞いてない」が起きるのは情報が多すぎるから――。じゃあ、どうする?

プロジェクト進行中の情報共有漏れ、「えっ、聞いてないけど?」問題をどう防ぐ?

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ヌーラボ

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大切なのは「役割分担を明確にする」「情報共有の相手を絞る」こと

 上述した解決策を具体的にどう実行していくか、少し深掘りして考えてみます。

 「チーム内の役割分担」については、メンバー全員が「このタスクは○○さんがリードして進める」「この件は△△さんに相談すればよい」といったことを簡単に判断できる状態が理想的です。前回記事でも触れましたが、まずはチームを立ち上げる際に役割分担を話し合い、明確に決めたうえで、それを皆が参照できるドキュメントに記録しておきましょう。

 もちろん、プロジェクトを進めていくうちに、役割分担の追加や変更が必要になることもあります。これもそのつど議論して決定し、明文化しておきます。プロジェクトが進み始め、メンバーそれぞれが忙しくなると、こういうこまめな作業はおろそかになりがちですから、「適切な役割分担ができているかどうか」は、定期的かつ意識的に見直しを行ったほうがよいと思います。

 メンバーの役割分担が明確になれば、もうひとつの「情報共有の相手を絞る」も実行しやすくなるはずです。メンバー全員が「ある情報を伝えるべきメンバーは誰なのか」を理解すれば、「とりあえず全員に共有」という悪習慣をやめ、適切なメンバーだけに共有先を絞り込めます。

 もっとも、メール(CCメール)やグループチャットでこれを実行すると、そこに参加していないメンバーは情報が参照しにくくなることがあります。たとえば、タスクの進行はメンバーが責任を持って行うが、ときどきはプロジェクトリーダーが進捗を確認したい――といったケースもあります。それだけのために、リーダーは全員からCCメールを受信し続けなければならないのでしょうか? さすがにそれはしんどいですよね。

 こんなときこそ、Backlogの出番です。

 まず、Backlogでは「プロジェクト」という大きなくくりの下に、「課題」というより細かな単位が用意されています。したがって個別のタスクに関する情報は、課題ごとに集約/蓄積/共有していけばよいわけです。

 タスクに関係するメンバーどうしで情報共有をしたい場合は、課題ページの「説明欄」や「コメント欄」に書き込むルールにすれば、グループチャットのように情報が流れてしまうこともありません。また、リーダーやタスクに関係のないメンバーが情報を参照したい場合も、プロジェクトメンバーであればいつでも参照できます。

課題のコメント欄で情報共有をすれば、やり取りが蓄積されて関係者が参照しやすい

 情報共有をしたいタスクの関係者に対しては、課題ページのURLをメールやチャットで伝えることもできますが、Backlog上で通知すればもっと簡単です。具体的には、コメント欄で「@メンション」を送る、「課題の追加をお知らせしたいユーザー」「コメントをお知らせしたいユーザー」に追加するといった方法です。

自分宛の「@メンション」や「お知らせ」は、画面右上の通知欄に表示されます

 なお、コメントの@メンションやお知らせをした相手がコメントを開いたかどうかは、コメント右下のアイコン表示で分かるようになっています。もっとも、これは「画面を開いたかどうか」という情報にすぎないので、「内容を読んだ、理解した」という意味では別途「スター」をクリックする、といったルールを作ってもよいでしょう。

「@メンション」や「お知らせ」をした人がコメントを開くと、アイコンにチェックマークが付きます

 また、自分が関係するタスクの情報更新、つまり進捗を知りたい場合は「ウォッチ」機能も便利です。課題の「ウォッチ」ボタンをクリックして登録しておくだけで、課題に何らかの変更があった場合に通知されます。リーダーは、進捗が気になるタスクをウォッチしておけばいいわけですね。

■お知らせ機能の概要(Backlogヘルプセンター)
■ウォッチの概要(Backlogヘルプセンター)

* * *

 今回取り上げた、チーム内の情報共有における「えっ、聞いてないけど?」問題は、意外と根が深いように思います。

 そもそも、チーム内の情報共有ツールが多すぎるうえに統一されておらず、それぞれのメンバーがお気に入りのものを使いたがる、といったケースもあるかもしれません。すでに、部署ごとに違うツールが使われていると、混成チームでの情報共有は難しくなりますね。

 Backlogの場合、同じ月額利用料でユーザー数は無制限(スタンダードプラン以上)ですから、チームの情報共有ツールを統合していくことが比較的やりやすいと思います。そうした面からも、Backlogをしっかり活用していくのが良いと感じました。

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