業務を変えるkintoneユーザー事例 第297回
「kintone AWARD 2025」開催! トップバッターは消防設備のプロ集団「プロサス」
モンスターExcelもそのままkintoneアプリ化 老舗企業を整トーン(頓)した「小田トーン」の実力
2025年11月07日 11時00分更新
40ページの提案書で「殴り込み」、小田トーンで全社改革
こうして生まれ変わった設備部。しかし、kintoneで「独自進化」を遂げた結果、便利になりすぎて、社内で孤立してしまう。kintone言語で会話する設備部は、他部署との間に壁ができていた。小田氏はいっそ「プロサス全体でkintoneを活用できたらいいのに」と考え、古巣である販売部の業務改善に乗り出す。
そこには、かつての設備部の光景が広がっていた。伝統運用されている紙の書類があるかと思えば、場当たり的に導入した業務改善ツールが乱立。挙句の果てには、15年以上使われている「平成初期のホームページ」かのような古いプラットフォームが情報の置き場所になっていた。
小田氏は、「これは、もうkintoneでどうにかするしかない」と全社導入を目指して、提案書を作成。kintoneがいかに設備部を変えたか、その熱意がこもりすぎた結果、提案書は40ページを超えた。経営陣へのプレゼンでは、様々な懸念も投げかけられるも、「もう準備できてます。設備部ではすでに使ってるんですよ」で説得。kintoneの全社導入が決定した瞬間だった。
全社導入にあたっては、各部署に協力者を立て、1か月の準備期間を設けた。小田氏自身がレクチャー会を開催し、部署ごとのアプリ作成をサポート。「kintoneのことなら小田に」という環境を整備し、徹底的に伴走した。
その結果、kintoneは無事全社に浸透。伝統的だった手書きの伝票類は廃止され、申請フォームと共にkintoneへ移行して、ペーパーレス化は完了。古臭いプラットフォームも廃止され、kintoneのポータル画面に生まれ変わった。そのおかげでスマートフォンからの閲覧性も向上している。
あわせて業務プロセスを見直して、6つの有償ツールも、kintoneアプリに集約。これらのツールだけでも、年間110万円のコストカットにつながった。昭和のアナログな働き方から脱却し、kintoneは名実ともにプロサスを支えるプラットフォームとなった。
最後に、小田氏は参加者へのお土産として、2つのTipsを共有してくれた。ひとつ目は、プラグインである「くりかえしPlus」(ラジカルブリッジ開発)の活用だ。毎年の点検業務のデータ準備が、レコードの手動コピーではなくボタンひとつで生成される仕組みに改善できたという。
2つ目は、kintoneの標準機能である「アプリアクション」の活用だ。同機能により、「案件管理アプリ」から「報告書アプリ」への転記が、ボタンクリックで完了でき、時間短縮とミス防止に貢献している。
最後に黒田氏は、「小田トーンのおかげで、プロサスにkintoneが浸トーン(透)して、会社全体が整トーン(頓)できた」と締めくくった。

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