たまに役立つセキュリティ豆知識 第96回
クリック数などを不正に水増しする手口がいっぱい
極小枠に広告を多重表示!? 貴重な広告費が無駄になる「アドフラウド」って何?
2025年11月05日 07時00分更新
せっかくの広告が無意味になる恐れも
Q:「アドフラウド(Ad Fraud)」ってなに?
A:オンライン広告における不正行為。
広告主が支払う広告費を騙し取る目的で、Webサイトの持ち主がオンライン広告のクリック数やインプレッション(表示回数)を不正に水増しするための手口を総称する単語である。
一般的に、オンライン広告はクリック数やインプレッション数、コンバージョン(成果)に応じて課金される。本来これらは人間の閲覧行動によるものだが、アドフラウドではボット(bot/自動プログラム)や不正なスクリプトなどを悪用し、さも多数の人間が閲覧したように見せかける。
ボットもしくは人海戦術でクリック数を稼ぐ「クリックフラウド」、実際には表示されていない広告を表示されたように偽装する「インプレッションフラウド」などが代表例である。
そのほかにも、1つの広告枠に複数の広告を重ねる「アドスタッキング」、極小の枠に広告を表示する「ピクセルスタッフィング」、クリック後にユーザーを別の広告へ転送する「リダイレクトフラウド」といった手口も存在する。
アドフラウドは、広告主にとって広告費の浪費を招くだけでなく、広告の効果測定をゆがめ、マーケティング施策にも悪影響をおよぼしかねない。アドフラウドの被害防止には、不正トラフィックを検知する専用ツールの導入や、AIを活用したアクセス解析による異常検出が重要となる。

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