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たまに役立つセキュリティ豆知識 第95回

警察の電話番号を偽装することも

被害額560億円超! 暗号資産から裸の映像まで騙し取る「ニセ警察詐欺」が怖い

2025年11月04日 07時00分更新

文● せきゅラボ

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警察(?)からの電話は「身元を尋ねて一度切る」「相手が言う電話番号は使わない」が安全

わずか8ヵ月で被害額は563.7億円

Q:「ニセ警察詐欺」ってなに?

A:特殊詐欺の一種で、警察官を装った詐欺師による犯罪。

 手口はまず、携帯電話や自宅の固定電話にニセ警察官(詐欺師)から電話がかかってくるところから始まる。

 そのニセ警察官は、「あなたの銀行口座が犯罪に利用されている」「あなたのクレジットカードが偽造されている」「あなたが契約した携帯電話が詐欺に使われている」などと話を切り出し、さらに「調査のためにカードを預かる必要がある」「資産を保護する必要がある」と被害者を言いくるめる。

 そして信じてしまった被害者のもとにニセ警察官が現われ、カードを受け取るとともに暗証番号を聞き出し、不正に金銭を引き出す、というわけだ。

 最近ではLINEなどのビデオ通話を使って、警察官に扮した詐欺師がニセモノの身分証を提示したり、「あなたに逮捕状が出ている」と言ってニセモノの逮捕状を見せたりしてターゲットを信じ込ませようとするパターンも存在する。

 さらに、「タトゥーを確認する」などと偽ってビデオ電話越しに裸になるよう強要されることも。

 また、ニセ電話をかける際に警視庁の代表番号「03-3581-4321」や、警察署の代表番号である「末尾110」に偽造してナンバーディスプレイに表示することで被害者を信じさせようとすることもある(→電話スプーフィング)。

 いずれにしても、警察官が電話をかけたのちにカードを預かったり、ビデオ電話で逮捕状を見せたりすることはありえない。不安であれば、相手警察官の所属警察署と氏名、電話番号を尋ね、一度切ったうえで「自分で検索した警察署の電話番号」に掛けて確認するようにしたい。

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