製品開発に特化したワークスペースも間もなく登場
Miroが「AIワークスペース」として進化 キャンバスを“コンテキスト”にエージェントが働き、コード生成
2025年10月28日 17時30分更新
NEC・日立は、MiroのAIを起点にビジネスを変革
説明会には、MiroのAIを起点にビジネス変革を進めるNECと日立製作所も登壇した。
まずは、2025年5月にMiroと戦略的パートナーシップを結んだNECだ。同社は、AIの力で人や組織の可能性を広げる「Human-AI Collaboration」の推進においてMiroと協業した。
NECは、現在、顧客を未来へ導く価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」の下で、生成AIサービスの開発と提供を進めている。その中でAIコンサルタントを含むコンサルタント人材を、2025年度中に1000人にまで増やす予定だ。
こうした中で、コンサルティングサービスでMiroを活用する。具体的には、NECの共創スペースやリモート環境などで顧客とワークショップを実施し、Miroを用いてアイデアや課題から構想を練っていく。さらには、MiroのAI機能を駆使して、構想をドキュメントとしてまとめたり、プロトタイプを作成したりなど、システムインテグレーションまでカバーするという想定だ。
NECの執行役 副社長である吉崎敏文氏は、「AIを起点にビジネスモデルを変え、今のプロセスにアドオンせずに、新しいビジネスモデルに必要なプロセスを再定義していく。AIを起点に、我々の知的インテリジェンスを再定義することを、Miroと一緒に取り組みたい」と語った。
一方、データの利活用により新たな価値を創出する「Lumada(ルマーダ)」事業のサービスデザインにMiroを活用してきたのが、日立製作所だ。
現在、Lumada事業では、現実世界のデータとAIをつなぐ「フィジカルAI(Physical AI)」の実現に注力している。フィジカルAIとAIエージェント、ドメインナレッジ(各産業の専門知識)をつなぐ「HMAX」ソリューションをグローバルで展開中だ(参考記事:「フィジカルAI」で世界トップ目指す日立 AIエコシステムとユースケースにみる現在地)。
このHMAXにおける、人とAI、ドメインナレッジの共創空間としてMiroを活用している。同社のAI&ソフトウェアサービスビジネスユニット 事業主管である黒川亮氏は、「ドメインナレッジは、産業ごとにまったく異なる。さらに、物理空間のレイヤーに近づくほど、取り扱う製品も異なり、横展開が困難になる。既存アプリケーションのデータも分断されている中で、産業ごとのユーザージャーニーを作るコミュニケーションをMiroに集約している」と語る。
「今は、フィジカルAIという物理空間のデータがデジタルに近づいてきている転換点。物理に近いOT側の人間がIT側に加わり、プロジェクトも多数立ち上がって、少人数で高速に回す必要がある。こうした中で、産業ごとの界面、デジタルと物理のデータの界面を可視化して、プロジェクトメンバーが一体となるために、Miroを活用していく」(黒川氏)





