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柳谷智宣の「簡単すぎて驚く生成AIの使い方」 第28回

資料から音声付きスライドを自動生成 Google「NotebookLM」で情報収集から理解までの時間を大幅短縮

2025年09月19日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第28回は情報から音声付きスライドを生成し、音声でも解説してもらえるNotebookLMのStudio機能について解説する。

蓄積した情報から音声付きスライドを作成する「NotebookLM」Studio機能

 目まぐるしく変化する現代のビジネス環境において、新しい法律や技術、競合の動向などを常に学び続ける必要がある。しかし、多忙な日々の中で膨大な情報から本当に必要なものだけを選び出し、じっくりと勉強する時間を確保するのは難しいだろう。

 そこでお勧めしたいのがGoogleのリサーチアシスタント「NotebookLM」。ユーザーが提示した情報源を元に生成AIが回答を出力してくれるサービスだ。これまでは調べ物をする際、ググって、複数のウェブページを読み込み、必要に応じてまとめたりする必要があった。この作業をNotebookLMに任せることで、情報収集の効率が格段に向上するのだ。

 例えば、大阪万博に関する情報をまとめておき、自分だけのガイドブックにしておくこともできる。基本的な使い方は「第19回 自分専用のAIリサーチアシスタント「NotebookLM」で大阪・関西万博のおすすめルートを調べる」で紹介しているので参照して欲しい。

 今回紹介するのは、情報を実用的なコンテンツに変換する「Studio」機能だ。まず、紹介したいのが、8月25日に日本語に対応したばかりの動画解説機能だ。蓄積した情報を元に、AIが音声付きのスライドを作成してくれるのだが、ポイントを押さえてわかりやすくまとめてくれるのが凄い。

 もちろん、完ぺきではない。改行の位置が変だったり、「長蛇の列」を「ちょうじゃのれつ」と読むなどのミスはある。しかし、プロンプトも何も入れずに1クリックで生成していることを考えれば、驚きのクオリティといえる。

 動画解説機能はアイディア次第で様々なシチュエーションで活用できる。例えば、社内の動画マニュアルを作るのも簡単だ。例えば、経費申請の流れや社内システムの利用法などを説明したWordやPDFなどをアップロードし、動画にまとめれば新入社員もすぐに理解してくれるだろう。

NotebookLMにソースを追加する

「動画解説」をクリック

しばらく待つと動画が生成される

スライドの例。写真やアイコンなどを使って見やすくデザインされている

アップロードしたソースを対話音声で解説する音声解説機能も便利

 音声解説機能も便利だ。2024年にリリースされた機能で、今年3月に日本語に対応した。アップロードされたソースの内容について、2人のAIホストが議論するポッドキャスト風の対話音声を生成してくれるのが特徴。会話は驚くほど自然で、複雑なトピックをわかりやすく解説してくれるので、移動中や他の作業をしながらの学習に最適だ。新しい技術の解説や業界の最新情報、改正される規制や法律など、ビジネスに必要な情報を効率的に学べるメリットは大きい。

 ソースを追加したら、「Studio」で「音声解説」をクリックし、しばらく待つと再生できるようになる。NotebookLM上で再生でき、再生速度を調整することも可能。1.5倍速くらいまでであれば、普通に聞き取れる。もちろん、音声ファイルをダウンロードすることもできるので、ローカルで再生してもいい。

音声解説を再生しているところ。「…」→「ダウンロード」でダウンロードできる

 NotebookLMは無料でも利用でき、100冊までノートブックを作成できる。各ノートのソースは50件、1日のチャット回数は50回となる。有料のGoogle AI ProやGoogle Workspace Business Standard以上を契約しているなら、Pro版が利用でき、ノートブック作成数は500個、ソースの数は300件、チャット回数は500回までとなる。なお、Google AI Ultraだとさらにソースの数が増えるという情報もあったので、試してみたところ、Proと同じく300件までだった。

 登場したての新機能でこのレべルのコンテンツを生成できるのは驚きでしかない。学習や情報収集が格段に捗るのですぐに使い始めよう。

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