業務を変えるkintoneユーザー事例 第280回
大英産業の変革は元営業の文系コンビによる基幹システム刷新から始まった
現場を回ってkintoneアプリを“ライブ改善” 対話と行動の積み重ねで全社員がDXの担い手に
2025年08月27日 09時00分更新
全社員のDXマインドを醸成、会社の成長を後押し
こうして様々な部署で成功体験が積み重なった結果、全社員のDXへの意識が向上していく。「kintoneならできるかも」という期待は全社的なムーブメントとなり、その受け皿として「問い合わせ」アプリが作成された。今では、このアプリに、社員の新たな要望やアイデアが寄せられているという。
kintoneによるDXの広がりは、会社の成長も力強く後押ししている。売上は右肩上がりに伸び、グループ会社の数、そしてグループ全体の人員も増加を続けている。
現在は、生成AIを活用して、JavaScriptによるアプリのカスタマイズにも挑戦しているところだ。「例えば、テーブルを区分ごとに集計したいという要望があっても、kintoneの標準機能では難しいですが、JavaScriptによるカスタマイズで実現できます。文系だったんじゃないのと思われた方、その通りです。今では、生成AIに指示をするだけで文系でもコードが書けるのです」と江崎氏。
最後に江崎氏は、「kintoneを活用するのに専門知識は必要ありません。私たちはプログラミング言語はわかりませんし、タッチタイピングもできません。IT系の資格も持っていません。大切なのはコミュニケーションとアクションです。アプリの使用者と対話して、すぐに行動することが、DXにつながりました」と語った。
元営業担当の文系コンビが成し遂げた「全社員まるごとDX人財化」のストーリーは、多くの企業にとって自社の可能性を再発見するきっかけとなることだろう。
九州・沖縄地区の代表者は…
プレゼン後には、サイボウズの岡地麻起氏により質問が投げられた。
岡地氏:導入後のプロセスとして、前向きではない社員にライブ改善を繰り返したところがすごく面白かったです。
江崎氏:私たちは不動産会社ですので、マンション事業部や戸建事業部など、様々な部署で社員が働いてます。そこに直接伺って、パソコンの画面を見せながら、その場で要望に応えました。
岡地氏:各連携サービスを自身で設定されたとのことですが、内製化のポイントはありますでしょうか。
柚田氏:kintoneの導入会社は3万8000社もあるので、事例がたくさん見つかります。それらの情報を参考することで業務改善を進めました。
岡地氏:気に入ってる連携サービスやプラグインがあれば教えてください。
柚田氏:トヨクモさんの3つの連携サービスは使い勝手もよく、それぞれのサービス間の連携もしやすくて、特に気に入っています。
そして、kintone hive fukuokaの最後には、参加者の投票を経て、九州・沖縄地区の代表が発表された。5組の登壇者の中で最も支持を集めたのは……本記事で紹介した大英産業の柚田耕太郎氏と江崎菜那氏だ。両氏は、幕張メッセで開催されるCybozu Daysのkintone AWARDに出場予定だ。

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