ExcelやPower Automateを活用！毎月繰り返すタスク登録をノーコードで自動化する〔後編〕

2025年08月26日 11時35分更新

文● 大塚昭彦／TECH.ASCII.jp

提供: ヌーラボ

●同じ課題名にならないよう「○○年○月」と自動追記する

　もうひとつの“毎月同じ課題名で登録されると混乱する”問題については、課題名に「どの月で処理する課題なのか」を示す月名を付け加えて対応しましょう。

　これも、簡単なExcel関数を使えば自動化が実現できます。たとえば「Backlog連載：2025年09月」のように自動入力させたい場合は、次の数式になります。

="Backlog連載：" & TEXT(EOMONTH(日付!A1,1),"yyyy年mm月")

　まず、先ほども使ったEOMONTH関数で「翌月の末日」を求め、そこからTEXT関数で「年」と「月」を抜き出して「○○○○年○○月」という文字列に整形し、頭の「Backlog連載：」という文字列の後につなげて（&）います。

課題名に「○○○○年○○月」を付けて、毎月同じ課題名で登録されることを防ぎます

　なお、このようにして課題名を毎月変える場合、親子課題の登録には注意が必要です。子課題から親課題を指定する際に課題名を入力しますが、親課題の課題名が変わってしまうと、そこに子課題が正しくひも付けられなくなるからです。

　これを防ぐには、子課題側の「親課題」セルを、課題名をテキストで入力するのではなく、親課題の課題名のセル番号を参照する形にします。こうすれば、親課題の名前が変化しても子課題のひも付けが切れることはありません。

子課題から親課題へのひも付けは、課題名のテキストではなくセル番号でひも付けることをおすすめします

●Excelファイルとして保存しておき、毎月CSVファイルを書き出す

　ここまで作成してきたデータは、いったんExcelファイル（.xlsxファイル）として保存します。自動入力のために複数のシートを使っているので、CSVファイルとしては保存できません。

　今後は、このExcelファイルを毎月1回開けば、翌月分の日付が自動入力された「課題一覧」シートが生成されます。そして、この「課題一覧」シートをCSVファイルとして書き出し（保存し）、Backlogにアップロードすれば、翌月分の課題登録がまとめて行えます。

Excelファイル（.xlsx）として保存した後、「名前を付けて保存」でCSVファイルとして書き出します

CSVファイルをBacklogの一括登録画面にアップロードすると、このように内容が読み取られます。右下のボタンをクリックすれば一括登録処理が実行されます

一括登録後、ガントチャートで表示してみました。これを見ながら、個々の課題の細かな日程調整を行うと便利です

●この方法のメリットとデメリット

　こちらの方法2についても、メリットとデメリットを確認しておきます。

○メリット
　・登録したい課題が多くなっても、1つのCSVファイルでまとめて登録できる。
　・課題ごとに開始日／期限日を細かく設定できる。
　・開始日／期限日は入力の自動化も可能。
　・親子課題が指定できる。

○デメリット
　・毎月、手作業でCSVファイルをアップロードしなければならない。

　こちらの方法も、それほど複雑ではありません。毎月登録する課題数が多い場合は、むしろメールでの登録よりも分かりやすいでしょう。また、課題ごとに開始日と期限日が細かく設定できる点、親子課題が設定できる点で、筆者のように課題どうしの関係が複雑なケースには適していると思います。

　デメリットは「毎月1回、手作業でCSVファイルをアップロードしなければならない」点です（うっかり忘れないようにしましょうね……）。ここも自動化できればよいのですが、「ノーコードで実現する」範疇に収まらなくなるので、今回はやめておきます。

＊　＊　＊

　今回は、Backlogへの課題登録を自動化する2つの方法を見てきました。ノーコードでも、工夫をすればかなり便利な使いこなしができるなあと実感しました。

　もちろんいちばん大切なのは、こうして登録した大量の課題を、ひとつずつきちんと「完了」していくことです。さて、課題もたくさん登録されたことだし、来月もがんばらなくては……。

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