「ごみコンテナの監視」「トレーラーの自動測定」「省エネ体質改善」まで3社の開発ストーリー
「目と脳を持つロボット」を手に入れる!試して実感したSORACOM Fluxの可能性
ローコードでIoTアプリケーションを構築可能な「SORACOM Flux(フラックス)」。非エンジニアでも、AI実装や運用自動化によって現場の課題を解決できるソラコムのソリューションだ。
ソラコムのIoT・AIカンファレンス「SORACOM Discovery 2025」のセッションでは、中外テクノス・GRIFFY・i Smart Technologiesの3社が、SORACOM Fluxによるリアルな開発ストーリーを披露した。
IoTにおける“困りごと”を解決できる「SORACOM Flux」
「新ビジネスのアイディアはあるけど人手や技術が足りない」「現場が自立して業務改善できる環境を整備したい」―― こうしたIoTにおける“困りごと”を解決して、クラウド・AI活用を安価かつ容易に推進できるSORACOM Flux。
デバイス・AI・クラウド間のデータの流れを制御して、IoTアプリケーションを構築できる。IoTセンサーやクラウドカメラなどからデータを受け取り、ルールを適用したり、生成AIに分析・判断させたりした上で、様々なアクションをとる…といった仕組みをローコードで組み立てられるのが特徴だ。
2025年7月には、定番のIoTアプリケーションをすぐに構築可能な「アプリテンプレート」機能を追加。さらに同タイミングで、SORACOM Fluxを通じたOpenAIモデル(GPT-4.1 / GPT-4oシリーズ)の利用料金を6割値下げしている。
ここからは、3社が実際に開発した“Fluxアプリ”を紹介していく。なおプレゼン終了後には、参加者投票によって、最も面白かった開発ストーリーが決定された。コメンテーターは、TECH.ASCII.jp編集長の大谷イビサが務めた。
中外テクノス:“ソラカメ+生成AI+SORACOM Flux”で目視作業を置き換え
まずは、環境や構造物、工場などの調査事業を手掛ける中外テクノスのプレゼンだ。今回披露されたのは「監視業務」を省力化するFluxアプリである。
ソラコムのクラウドカメラ「ソラカメ」のデータを生成AIに与え、判断結果に応じて通知を送る仕組みであり、顧客への実装を推進している状況だ。同社の尾崎徳生氏は、「ソラカメは人間でいうと目で、SORACOM Fluxと生成AIが脳であり、目と脳を持つロボットが手に入る。これで目視の作業を置き換えることができる」と説明する。
この仕組みで生まれたのが煙突の「白煙」を監視するFluxアプリ。これは、周辺住民に配慮するために、白煙を出さないよう運転調整している顧客向けに構築された。白煙の有無に気づけないという顧客の悩みは解決したが、薄い煙への対応が今後の課題だという。それでも「雲と煙をきちんと見分けられたのは驚きだった」と尾崎氏。
プラントを所有する顧客向けに実証実験を進めているのが、「ごみピット」を監視するFluxアプリだ。ごみが溜まっていくコンテナの監視業務を、充填率が基準値を超えると通知される仕組みで省力化する。買い物カゴをコンテナに見立てた実験の様子が紹介され、精度向上のために、目盛りの入った用紙を張り付けたり、プロンプトに細かい前提条件を与えたりする工夫を凝らしているという。
これらのFluxアプリは、ソラカメの映像を切り取り、データ蓄積する「SORACOM Harvest」を経由して生成AIに与え、Slackに通知するという構成をとる。今後は「CEEMS Eye(仮)」というサービス名で展開予定だ。
「様々な現場で発生する目視作業を代替できるのと、Fluxで構成を決めれば、あとはプロンプトに集中するだけという仕組みづくりが良かった」(コメンテーターの大谷)








