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コープさっぽろは惣菜コーナーに、東京ドームは通路に「ソラカメ」設置

定時の「惣菜値引き」は売上が伸びない “クラウドカメラ”が見抜く小売・商業施設の課題

福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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ソラカメのハードルとなる“社内説明”と“ハードの設置”

 セッション後には、両登壇者によるパネルディスカッションも実施された。モデレーターを務めたのは、ソラカメ事業の責任者を務めるソラコムの高見悠介氏だ。

ソラコム ソラカメ事業責任者 高見悠介氏

ソラコム 高見悠介氏(以下ソラコム 高見氏):矢倉さんも苦労話で挙げられていましたが、ソラカメのような新しいプロジェクトを社内で進めるコツがあれば教えてください。

コープさっぽろ 栗山貴史氏(以下コープさっぽろ 栗山氏):投資対効果とそれを納得させる根拠を示すことが重要です。われわれは、先行していたベイシアさんの事例も踏まえて、惣菜の値廃率削減という明確な目標に至りました。

ソラコム 高見氏:上手くいくプロジェクトでは、先行事例を参考にして小さく始めるというアプローチが多いですね。

東京ドーム 矢倉和雄氏(以下東京ドーム 矢倉氏):どう社内に説明するかを議論しつつ、“味方探し”をしました。施設やイベント部門の関心が高いメンバーと議論を重ね、データ活用・分析の解像度を高めていきました。

ソラコム 高見氏:社内の説得に加えて、ソラカメの設置・調整が、プロジェクトが頓挫する要因の2トップの印象です。

東京ドーム 矢倉氏:設置に関しては、ハードを担当する人たちと連携をする経験がなく、何も分からないところからスタートしました。ビジョンや価値を提示して、あとはひたすら頑張っています。

ソラコム 高見氏:最後はやりきるところが大事というのはありがちですね。栗山さんは、ソラカメで改善を進める中で、効果を感じたエピソードはありますでしょうか。

コープさっぽろ 栗山氏:もやしが夜8時に売り切れてしまう店舗が、ソラカメで曜日別の分析をして発注量を調整したという事例があります。「もやしがないスーパーはスーパーではない」という持論がありますが、こうした“小さな改善の積み重ね”がソラカメの良いところだと思います。

ソラコム 高見氏:最後に今後の話を聞かせて欲しいです。

コープさっぽろ 栗山氏:先日地震が複数回発生したえりも町の店舗から、営業時間外に店内の様子を確認するために、ソラカメの台数が増やせないかという相談を受けました。防犯カメラは事務所に行かないと映像が見られないですが、ソラカメであればスマホから簡単に確認できる。こうした使い方も、今後可能性があると思います。

東京ドーム 矢倉氏:AIをもっと活用していく予定です。ソラカメで通行者の人数やその属性が把握できるようになりました。生成AIによる画像解析の精度が向上しているため、さらに解像度を高めてマーケティングで活用できないかトライアルしています。

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