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内蔵ストレージよりも高速!? 外付けで実測7GB/sを発揮するThunderbolt 5搭載MacはSSD容量に悩む必要なし

2025年07月15日 11時00分更新

文● 藤田 忠 編集●北村/ASCII

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 4000MB/秒近い読み書き速度を発揮できるUSB4やThunderbolt(サンダーボルト) 4対応の外付けストレージデバイスを大喜びで導入した記憶も新しいなか、なんと転送速度が40Gbpsから80Gbpsに倍増した”Thunderbolt 5”規格に、普及の兆しがみえてきている。

 Thunderbolt 5ポートは、一部のハイスペックWindowsノートPCへの搭載がみられるようになったが、Thunderboltと聞いてまず思い浮かべるのは、やはりMacintoshではないだろうか。

 実際、現行のAppleプロセッサー「M4チップ」をベースに設計された「M4 Proチップ」と「M4 Max」チップを搭載したMacは、USB4/Thunderbolt 4ポートから、Thunderbolt 5ポートにグレードアップする。そのため、WindowsノートPCでの搭載ではあまり動きのなかったThunderbolt 5周辺機器だが、Mac搭載を機に、対応の拡張ドックやハブに、SSD外付けストレージ、エンクロージャーが、続々と市場に登場している。

Thunderbolt 5対応ストレージのOWC「Envoy Ultra」。価格は2TBで7万3000円、4TBで9万9000円となっている

CalDigit製Thunderbolt 5ハブ「Element 5 Hub」。USB Type C/Aポートも増やせるのがいい。価格は4万3000円前後と高価だが、この先拡張に困ることはないだろう

 そしてThunderbolt 5搭載の最も大きな利点と言えるのが、SSD外付けストレージのパフォーマンスアップだろう。実測で3800MB/秒台を発揮していたUSB4/Thunderbolt 4の倍速なので、8000MB/秒に迫る読み書き速度に期待できるわけだ。この速度は内蔵SSDストレージと並ぶ性能を、外付けで実現できると言える。

 Appleシリコンの採用とともに、SSDの換装が困難になったMacでは、コスト面のメリットも非常に大きい。現状、Appleセキュリティチップへの対応があるためとはいえ、読み書き速度が7000MB/秒台のPC自作向けSSDストレージが、1TBで1万円弱、2TBで2万円強のなか、Mac CTOは512GBから1TBへの容量512GBアップで、なんとプラス3万円と、超強気の価格設定になっている。

Mac CTOでのSSDストレージ容量の価格。2TBへのカスタマイズでプラス9万円など、お財布に厳しい価格設定だ。なお、M4 Mac miniなども同価格だ

 容量が欲しいと思っても、その強烈な価格で躊躇ってしまうSSDストレージ容量の悩みを解決してくれるのが、Thunderbolt 5対応エンクロージャーになる。

 使い方次第では常にMacBookと一緒に持ち歩くことになるが、4万円台中盤まで下がっている4TBのSSDなら、Thunderbolt 5対応エンクロージャーとあわせても、CTOの半分で済む8万円程度で、手にできるのだ。

 そこで注目のThunderbolt 5対応エンクロージャーを2モデル購入。主要メーカーのSSDを使って、そのパフォーマンスをチェックするとともに、現状最大容量となる8TBの爆速外付けストレージを自作してみた。

徐々に増えている最大80GbpsのThunderbolt 5に対応したエンクロージャー。Amazonで購入できる2種類を購入し、試してみた

実売3万円切りのThunderbolt 5エンクロージャー

 今回選んだACASISとTREBLEETのThunderbolt 5対応エンクロージャーは、ともにAmazon.co.jpで購入でき、クーポンやタイムセールのタイミングなら、3万円で購入できる。そのうえ、6000MB/秒強の転送速度を謳っている。ケース全体で放熱できるアルミニウムケースに、高速SSDを不安なく使える冷却ファンの内蔵と、買いと思えるポイントが盛りだくさんなのだ。

 まずは、そんな2つのThunderbolt 5対応エンクロージャーを紹介していこう。

USB3.2 Gen2に対応するACASIS「TB501Pro」

 ACASIS「TB501Pro」のケースサイズは、実測で幅56.5mm、奥行き約116mm、厚さ約19.8mmで、重量は実測138gだ。ツールレスでSSDを着脱できるほか、Thunderbolt 5ポートの横には、内蔵ファンの回転オン/オフスイッチを備える。

 内蔵ファンは、SSD温度に合わせて回転制御され、50度近くになると全開で回転するようになっている。使用状況に合わせてファンが動作するのはいいが、PCIe4.0×4 SSDは読み書きしていなくてもそこそこ発熱するので、TREBLEETエンクロージャーのように常時回転でもいいような気もする。

 Thunderbolt 5コントローラーは、Intel JHL 9480で、従来のThunderbolt 3/4やUSB4との下位互換が保たれている。さらに「TB501Pro」は、最大10Gbps変換チップのRealtek RTL9210を搭載しており、USBポートでの動作もサポートしている。そのため、Thunderbolt/USB4ポートを備えていないWindows環境とのデータやり取りに良さげだ。

■Amazon.co.jpで購入

外付けストレージっぽくないダークブルーカラーも良い感じだ

ファンが搭載されているが、動作音は日常では気にならないレベルだ

ケースの裏表面には凹凸があり、放熱面積を増やしている

両サイドに吸気口が設けられている

Thunderbolt 5ポートの横にはアクセスLEDと、ファンのオン/オフボタンを備える

ツールレスで着脱できるSSD取り付け側カバー。ファンがあるのはSSD取り付け側ではないのが微妙なところ

SSDの固定は付属のゴム製スタンドで簡単に行なえる

SSD取り付け側カバー。凹形状になっている

付属の熱伝導パッド(サーマルパッド)では、肝心のSSDと接触しないことが多い。熱伝導パッドを別途購入するのがおすすめだ

RTL9210チップを搭載するので、USBポートでも使用できる

最大転送速度は10Gbpsになる。実測の読み出し、書き込み速度は900MB/秒台となっていた

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