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「AIへの対応を誤れば、これまで同様の成長は遂げられない」

楽楽販売・楽楽明細にもAI機能を投入 ラクスが“全方位”で進めるAI活用

2025年07月14日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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メールディーラーでは「メール作成」「マニュアル確認」をなくすエージェント

 メール共有管理システム「メールディーラー」でも、2つのAIエージェント機能を展開していく。

 2025年7月10日から提供を開始したのが、「メール作成エージェント」だ。メールでの問い合わせに対して、回答内容の要点を指定するだけで、AIエージェントが適切なメール文面案を生成してくれる。日本の商習慣にあった返信文が生成され、メール作成時間を短縮できる。

「メール作成エージェント」

 加えて、2025年10月に提供予定なのが、「回答自動生成エージェント」だ。こちらは回答の要点を補足する必要なく、ナレッジデータに蓄積されたマニュアルやFAQ、過去の対応履歴をもとに、最適な回答を自動生成される。

 同エージェントで、メール作成だけではなく、前工程となるマニュアルなどの確認作業も短縮でき、問い合わせ対応業務を半分に改善できる見込みだという。

「回答自動生成エージェント」

 新規の問い合わせパターンを自己学習する「自動学習エージェント」や、ウェブ上のQA対応を自動化する「顧客対応エージェント」も開発中であり、2026年度に提供される予定だ。

楽楽シリーズへのエージェント実装は?

 楽楽精算以外の楽楽シリーズでも、AIエージェント機能を順次、投入予定である。

 販売管理システムである「楽楽販売」では、2025年に「データベース(DB)構成提案AI」を、2026年には「システム要件化アシストAI」を、2027年には「要件自動設定AIエージェント」を提供予定だ。同サービスは、企業の販売管理業務にあわせてノーコードでシステムを構築できるのが特徴だが、これまでラクスが支援してきた業務フローのシステムへの反映を、AI機能でも支援する。

 まず第一弾として、業務フローを理解してDB構成を提案する機能を提供。その後、システム要件の設計や環境構築まで対応していく計画だ。「上流設計をステップバイステップで、AIエージェント化することを目指していく」(本松氏)

楽楽販売の今後のAI機能

 電子請求書発行システムである「楽楽明細」では、請求データの加工を不要にする「AI-OCRでのPDF読み取り」機能を2025年度に実装。2026年度以降には、請求書発行時の「メール文の自動作成」機能を提供する。

楽楽明細の今後のAI機能

 2025年7月にリリースされたばかりの「楽楽債権管理」では、請求と入金データを「AI照合して自動消込」する機能や、督促メールを自動作成・送付する「督促AIエージェント」を、2026年度以降に提供予定とした。

楽楽債権管理の今後のAI機能

 本松氏は、「AIは、ラクスが価値提供できなくなるぐらい進化する可能性のある、リスクをはらんだ技術でもある。しかし、この変化をポジティブに捉えて、より価値のあるものを顧客に届けていきたい」と締めくくった。

(左)ラクス 事業部門 ラクスクラウド事業本部 戦略企画部 副部長 高嶋洋氏(右)取締役 本松慎一郎氏

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