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遅れてきたフラッグシップ「ROG CROSSHAIR X870E EXTREME」をレビュー

Ryzen 9 9950X3Dのハイエンド自作PCなら、ROG最強のマザーボードを見逃す手はない

2025年06月11日 10時00分更新

文● タカフグ 編集●北村/ASCII

提供: ASUS JAPAN株式会社

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豪華な付属品にも注目

 ASUSのハイエンドマザーボードでは、付属品が豪華なのも特徴の1つと言える。ROG CROSSHAIR X870E EXTREMEにはプラスドライバーやUSBメモリーなども付属しており、組み込み作業やBIOSの更新などに使えるだろう。

マザーボードのあらゆる箇所がツールレスになったとはいえ、自作するうえでやはりドライバーは必要となるので、それが付属するのはありがたい

USBメモリーも付属する。この中にはユーティリティとドライバーが入っているので、ネット環境がなくてもシステムを構築できる

メモリーに風を送るファンを固定するためのDDR5ファンホルダー。高速なメモリーを使用するとメモリーの温度も上昇するため、冷却ファンを固定するためのホルダーが付属している。ハイエンドモデルだけに、オーバークロック時の冷却にも配慮しているというわけだ

 特筆すべきなのは、「ROG Q-DIMM.2」というモジュールだ。これは、最大2枚のPCIe Gen4 SSDを搭載し、メモリースロットの横にあるDIMMソケットに接続することで使用できるものだ。ASUSの一部モデルに付属しており、ストレージを拡張できる。

DIMMソケットに接続することで、ストレージを増設できるROG Q-DIMM.2

内部には表裏にM.2スロットがあり、最大2枚のSSDを搭載できる

組み合わせにオススメな最新パーツはコレ!

 Ryzen 9 9950X3DやROG CROSSHAIR X870E EXTREMEを使ってPCを組むなら、それに合わせたパーツが必要になる。ここでは、マザーボード以外の編集部オススメのパーツを合わせて紹介しよう。

●ROG RYUJIN III 360 ARGB EXTREME

6月に発売されたばかりの最新モデルで、実売価格は6万2980円前後

 CPUクーラーのオススメは、ハイエンド向けCPUクーラーのROG RYUJIN III 360 ARGB EXTREMEだ。

 本機は、ポンプヘッドに3.5型のディスプレーを搭載したモデル。480p/60HzのIPSディスプレーというPCパーツ上のディスプレーとしてはかなり高精細スペックになっているため、表示する映像や画像も美しく見せられる。

 ROG CROSSHAIR X870E EXTREMEにもディスプレーが搭載されているので、同時に採用すれば2つの画面をPC内部に搭載可能だ。CPUの動作状況などを表示することもできるし、それぞれにアニメーションを設定してPCを彩ることもできる。

 ラジエーターは360mmと大型のものを採用。標準搭載のARGBファンは、2800RPMまで対応しており、風量は最大89.73CFM、空気圧は5.15mmH2Oとなる。また、このファンはマグネット端子によるデイジーチェーン接続にも対応しているため、面倒なケーブルマネジメントも省略できるのがうれしい。

 ポンプヘッド部分にもファンを搭載しており、これによるエアフローの強化でVRM温度を最大35度低下できるとのこと。

●ROG-STRIX-850P-GAMING

実売価格は3万5800円前後

 電源ユニットには、最新世代のパーツ構成に適した設計の「ROG-STRIX-850P-GAMING」がオススメ。前世代から電力効率が最大30%向上したというGaN MOSFETを搭載し、80 Plus Platinum認証を取得したモデルだ。

 ATX 3.1規格準拠で、近年のビデオカードで採用される12V-2x6コネクターを標準搭載しているため、GeForce RTX 50シリーズやRadeon RX 9000シリーズといった最新世代のビデオカードも扱いやすい。

 また、独自の電圧センサー機能「GPU-FIRST」を備えているというのも本機の大きな特徴だ。専用のコネクターからビデオカードにケーブルを接続することで、GPUの電圧を検知し、電圧の安定性を最大45%向上させられるという。

対応したビデオカードでは、12V-2x6コネクターの横の紫色のコネクターにケーブルを接続することで、GPU-FIRST機能が利用可能

●ROG Strix GeForce RTX 5070 Ti 16GB GDDR7 OC Edition

実売価格は20万円前後

 GeForce RTX 50シリーズの中でもミドルハイクラスに当たるRTX 5070 Tiは、発売当初に比べてやや価格が落ち着いてきた今が買い時と言える。

 GeForce RTX 50シリーズといえば、DLSS 4に搭載されたマルチフレーム生成が大きな話題となった。AIを用いて最大3つのフレームを追加生成するマルチフレーム生成は、対応したゲームのフレームレートを引き上げられる。

 純粋なGPUのパワーだけでは物理的な制限もあるが、こうした技術によって今まで以上に高負荷なゲームも遊べるようになる。次世代のゲーム環境に備えるという点でも注目の技術だ。

 RTX 5070 Tiは定格のブーストクロックが2452MHzとなるが、OCモデルである本機は最大2625MHzまでサポートしており、173MHz引き上げられている。

 VRAMはGDDR7で16GB搭載しており、上位のRTX 5080と同じ容量となる。昨今のVRAM消費量が増えているゲーム市場ではトレンドに則っており、生成AIなどを活用する場合でもありがたい。

時期が難しいPCの組み時、今は結構オススメかも

 最新のハイスペックな構成でPCを組もうと思った時、昨今は特にPCパーツが高額になっているため、どうしても慎重にならざるを得ない。

 特に新しいCPUやGPUなどは発売初期の価格が変動しやすいため、落ち着くのを待つという人も多いだろう。とはいえ、買い時を見極めていると新しいモデルの情報が入ってきて「もう少し待つか……」と思い、結局そのループでいつまでも買えないなんてこともありえる。

 しかし、今は新世代のハイエンドからミドルクラスレベルまでがおおむねそろってきた時期で、ハイエンドクラスのスペックで構成するなら、思い切って買ってしまってもいい段階と言えるだろう。

 もたもたしていると、PCを新調した直後に新世代が登場してきてちょっぴり損した気分になることも珍しくない。ハイエンド志向の人は、早めに世代交代したほうがより満足感を得られる時間も長い。

 Ryzen 9 9950X3DでPCを新調したいと思っている人は、ROG CROSSHAIR X870E EXTREMEを選択肢として考えてみてはいかがだろうか。

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