警察署から電話が!?
Q:「スプーフィング」ってなに?
A:詐欺などを働く際にメールアドレスや電話番号などを偽装する技術・手口
スプーフィング(Spoofing)とは、「なりすまし」や「偽装」という意味。セキュリティ業界では、正規のものに見せかけてユーザーやシステムをあざむく技術や手口のことを指す。
これまでにもメールアドレス、IPアドレス、GPS、DNSなどを偽装してサイバー攻撃や詐欺に悪用する試みが存在している。そして最近国内で流行しているのが電話番号のスプーフィングによって警察を騙る詐欺行為だ。
この電話スプーフィングでは、本来の電話番号ではない「ニセの電話番号」を発信者情報として表示させる。一般的にスマホや固定電話は、着電した際に発信者番号を表示する機能を持っているが、悪意ある人たちはその表示を偽ることで電話の受け手を誤解させてさまざまな詐欺を働く。
たとえば、特殊詐欺(いわゆるオレオレ詐欺)では、音声通話が詐欺のきっかけになることが多い。このとき、詐欺師は発信者番号を警察や役所の番号に偽ることで相手を信用させようとする。日本の警察署は代表電話番号の末尾が110であることが多いため、番号が偽られていることで信用してしまった、という事例が増加中だ。
現在はインターネット電話(VoIP)や一部のPBX(電話交換機)システムを悪用することで、任意の電話番号を相手に表示させることが可能。電話スプーフィングは技術的ハードルが低いと言われ、悪用される機会も増えているという。
「知らない番号の電話を信用しない」「個人情報を漏らさない」は特殊詐欺の被害を防ぐための基本だが、電話スプーフィングの増加によって、「たとえ警察からの電話だと認識しても、話を聞いたらいったん電話を切って(自力で検索した部署電話に)折り返す」も追加する必要があるようだ。

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