第8回 アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた

やっぱり専用ツールのBacklogは便利だった、という話

Excelやカレンダーを使ったプロジェクト・タスク管理の“弱点”は?

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: ヌーラボ

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 皆さまこんにちは。アスキー編集部で働く、編集者の大塚と申します。少し前からBacklogを使った仕事のプロジェクト・タスク管理に挑戦しております連載:アスキー編集部が「Backlog」で仕事を楽しくしてみた

 さて、プロジェクト・タスク管理のためのツールとして、カレンダー(Googleカレンダーなど)やスプレッドシート(Excelなど)のアプリを使っているチームもまだまだ多いのではないでしょうか。実はわれわれアスキー編集部も、Backlogの導入前はそうでした。

 大抵の場合、これらのツールがすでに導入されていて「誰もが使い慣れているから」という理由で、プロジェクト・タスク管理にも流用されていると思います。たしかに“誰もがすぐに使える”点は大きな強みなのですが、専用ツールであるBacklogと比べてみると、プロジェクト・タスク管理を進めていくうえでさまざまな不足や障壁も感じます。

 そこで今回は、BacklogとカレンダーアプリやExcelを比べながら、Backlogの“専用ツールならではの強み”をまとめてみたいと思います。

Backlogのガントチャート画面例。後述するとおり、さまざまな表示の切り替えもできます

カレンダーアプリでプロジェクト・タスク管理はできるか?

 カレンダーアプリは、働く人の誰もが日常的に使うツールでしょう。個人のさまざまな業務予定を書き込むだけでなく、タスクのリマインダーとして使ったり、ほかの人とスケジュールを共有して会議日程を調整したりすることもできます。日付をクリックして予定を書き込むだけ、という直感的な使い勝手も良いところです。

 ここにプロジェクトチーム用のカレンダーを作り、チームメンバー全員が閲覧/書き込みできるように共有すれば、プロジェクト・タスク管理にも使えそうだ――、そう考えるのも無理はありません。

 ただし、実際にカレンダーでプロジェクト・タスク管理をやってみると、個人レベルの管理ならまだしも、大規模/長期間のプロジェクト・タスク管理には向いていないな……と感じます。

 まず、プロジェクトのカレンダーに多数の課題(タスクの項目)が追加されると、カレンダーの表示はかなり複雑になります。課題の優先度やグルーピング(親子関係)、表示の並び順なども設定できないので、ガントチャートのように情報を整理することができず、自分のスケジュールも同時に表示させると、はっきり言って“ごちゃごちゃして見にくい”カレンダーになってしまいます。

簡単な記事のタスクを入れただけで、もう表示がごちゃごちゃに……

 また、カレンダーアプリにはカレンダーの機能しかなく(当たり前ですが)、たとえば「担当者の割り当て」や「プロジェクト・タスクの進捗管理」といったことができません。チームでのプロジェクト・タスク管理に必要なそのほかの機能は、別のツールを併用して補うことになります。そうなるとツール間を行き来する手間が発生しますし、情報が複数のツールに分散してしまいます。

 たとえば、Googleカレンダー(Google Workspace)のプロジェクト管理チュートリアルを読むと、スケジュール管理はカレンダーで行いつつ、チーム内のコミュニケーションはチャットで、進捗管理は共有スプレッドシートで、ファイル管理はクラウドの共有ドライブで――と、ツールの組み合わせで実現するようアドバイスされています。

 このように、カレンダーアプリによるプロジェクト・タスク管理は「カレンダー単体ではすべての情報を管理できない」「プロジェクトの規模が大きくなると管理が難しい」といった課題があると思います。もちろん、手作業と気合いで頑張ればできなくはないのでしょうが……正直、やりたくないです……。

Excel(スプレッドシート)は“ガントチャート専用ツール”?

 もうひとつ、簡単なプロジェクト・タスク管理でよく使われているのが、Excelをはじめとするスプレッドシートのツールです。こちらも多くの職場で日常的に使われており、操作に慣れたユーザーも多いので、プロジェクト・タスク管理に流用されているのだと思います。

 もっとも、本来Excelは表計算ツールですので、筆者は「Excelをプロジェクト・タスク管理に使うのは“邪道”だ!」と思っていました(いわゆる“Excel方眼紙”と同じように)。しかし、調べてみると、マイクロソフト自身がプロジェクト・タスク管理用のExcelテンプレートを配布していました。あら、邪道じゃなかったのね……。

 余談はさておき、Excelを使えばガントチャートがきれいに作成できます。たくさんの課題(タスク)を、優先度や親子関係に従って自由に並べ替えられますから(手作業ですが)、カレンダーアプリよりも情報が整理しやすく、見やすいガントチャートが作れます。チームメンバーによる編集も簡単でしょう。

Excelガントチャートの例。たしかにカレンダーアプリよりも情報整理はしやすいですが……

 ただし、このExcelガントチャートは、簡単に言えば「紙の代わりに、Excelシートにガントチャートを描いているだけ」です。見た目(表示)を整えているだけなので「入力した情報がほかに生かせない」問題点があります。

 たとえば、ガントチャートに書き込んだプロジェクトをほかの形式(プロジェクトの一覧表など)で表示させたり、全体の進捗度を算出したり、期限切れのタスクにアラートを出したりといったことは、簡単ではありません。Excelの数式やマクロを駆使して作り込めば無理ではないでしょうが、かなりの工夫とスキルが必要になります。

 また、機能的にも「ガントチャートを描く」だけですので、カレンダーアプリと同じように、ほかのツールと併用する必要があります。その結果、やはり情報が分散してしまいがちです。メンバーどうしがExcelシート上のメモでコミュニケーションをとるのにも限界があるでしょう。

 このように、Excelによるプロジェクト・タスク管理も、ガントチャートはきれいに作れるのですが、大規模で複雑なプロジェクト・タスク管理になるとあまり効率的ではないという結論になります。

まとめ:やっぱり専用ツールのBacklogは良くできています

 ここまで見てきたような課題は、プロジェクト・タスク管理専用ツールとして開発されたBacklogを使えば解消されます(当たり前ですが)。ここでは細かな機能を一つずつ取り上げることはしませんが、カレンダーアプリやExcelとの「考え方の違い」を確認しておきましょう。

(1)プロジェクト/タスクを中心に据えて情報整理ができる
  Wiki/ドキュメント、共有ファイル、コメントなどをプロジェクト/タスクにひも付けて管理できるので、情報が分散しない。1つのツール上で管理が完結する。
(2)入力した情報をさまざまな表示形式で確認できる
  課題に入力したデータが、ガントチャートやカンバンボードなどさまざまな形で表示できる。さらに、そのデータに基づく期限日のアラート、進捗度の可視化(バーンダウンチャート)といった機能も備える。
(3)大規模なプロジェクトでも混乱しないように設計されている

 (2)に付け加えると、Backlogのガントチャートは、Excelファイルとしてダウンロードすることもできます。ガントチャートを成形して、紙で印刷する必要がある場合には便利ですね。

Backlogのガントチャート画面。冒頭に掲載したものと同じ内容ですが、このように「親課題ごと」の表示に切り替えたり……

「担当者ごと」に切り替えたりもできます。さらに、この画面上から課題の追加や、担当者、状態、期日などの変更もできて大変便利です

 また、Backlogはさまざまな外部ツールと連携させることもできます。たとえば「プロジェクト・タスク管理はBacklogで行い、Googleカレンダーで期日などを表示する」、あるいは「Slackと連携させて、タスクに関する通知はSlsckで確認できるようにする」といったことも可能。つまり「ふだん使い慣れたツール」との融合もできるわけです。

Slackと連携させた例。Slack上でBacklogのタスク通知が受け取れる

■参考記事
・Backlog上の予定をカレンダーソフトに取り込む方法をおしえてください(Backlogヘルプセンター)

・スプレッドシートからBacklogにタスク管理を移行するコツをお伝えします!(Backlogブログ)

* * *

 冒頭でも触れましたが、アスキー編集部ではこれまで、プロジェクト・タスク管理にGoogleスプレッドシートが多用されていました。たしかに「誰でもすぐ使えるツール」ですし、ガントチャートが直感的に描ける点は優れていると思います。ただし、最初に一度作ったら作りっぱなしになってしまい、進行途中のこまめなスケジュール修正はできていませんでした。進行中のやり取りが「別の場所(チャット)」で行われていたからです。そこにはやはり課題があったと思います。

 Backlogを導入することで、こうした課題は解消できそうです(まだ導入を始めたばかりですが……)。Backlogへ課題の進捗状況を入力することに「価値がある」と感じられれば、ユーザーの活用はさらに進むでしょう。使い慣れたツールからの移行は、一時的には手間もかかりますし気持ちのハードルも高いものですが、あきらめずにぜひ進めていきましょう!

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