中田花奈さん/アイドルから経営者、プロ雀士の道に至る、その思いとは?

文●森永祐子

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 乃木坂46の1期生で、2020年にグループを卒業した現在はタレント、プロ雀士、さらには経営者とさまざまな顔を持つ中田花奈。30歳を記念して、初のフォトエッセイ『中田花奈 1stフォトエッセイ 解析メモリアル』を刊行した。発売日となる3月18日(火)には都内で、刊行を記念した記者会見が行われた。

2025年3月に初のフォトエッセイを刊行した中田花奈

算数好きだった幼少期、そしてアイドル時代、すべての点と点がつながって今がある

 もともとアイドルが大好きで、乃木坂46のオーディションを受け、1期生としてデビューを果たした。アイドル時代を「本当にあっという間でしたが、いろんなことがありました。必死に駆け抜けた9年間でしたね」と振り返る。

 アイドルとしてのキャリアは決して順風満帆だったわけではない。デビュー以降、選抜メンバーとしてフロントを務めたこともありながら、4枚目のシングルで突如選抜メンバーから外れた。再び選抜メンバーに返り咲くまでの3年半は、「どうせ選抜には入らない」「努力が実らないなら、頑張る意味などない」と開き直り、食べることでストレスを発散したこともある。

 それでも、自ら選んだアイドルの道。納得のいく結果を出すまでは辞められないと踏みとどまった。「意地もあったと思います。それに、この仕事でお金をいただいている以上、多少つらくても続けるのは当然と考える自分もいました」(中田)

 ただ、続けてきたことには大きな意味があると話す。麻雀という世界に足を踏み込むきっかけとなったのも、そのひとつだ。「乃木坂に入っていなかったら、きっと麻雀に出会うことはなかった。今の私があるのは、乃木坂に受かったおかげだと思っています」と話す。中田はグループ卒業後の2021年に日本プロ麻雀連盟37期前期試験に合格し、プロ雀士に。その後、自身がオーナー・店長を務める麻雀カフェ「chun.」をオープンした。

フォトエッセイには中田花奈の30年の人生がぎゅっと凝縮されている

 アイドルからプロ雀士というと異色の転身にも思えるが、現在の中田につながるきっかけは、実は子どもの頃からあったことに気づいたと話す。「もちろん、麻雀自体に触れる機会も、お店の経営について考えることもありませんでしたが、算数が好きだったことが今に通じていると思うんです」と中田。知恵熱が出るまで算数ドリルに取り組んだこともあるほど、勉強や計算を繰り返してきたのだそう。

 「今までの私にあったことを思い返してみた時に、点と点がつながって線になっていく様が、まるで謎解きをしているような感覚で面白いと感じられたんです」(中田)。フォトエッセイのタイトル『解析メモリアル』には、そんな思いも込められている。

書き下ろし&撮り下ろしの永久保存版『中田花奈 1stフォトエッセイ 解析メモリアル』

 中田が経営する麻雀カフェ「chun.」は、プロ雀士としての道に確固たる自信が持てずにいたとき、何か麻雀に関わる仕事がしたいとオープンさせた。Mリーグのパブリックビューイングが可能なほか、実際に麻雀を打つこともできる一方、麻雀をしない人や女の子が気軽に入れる空間づくりを突き詰めた。

 カフェの経営が少しずつ軌道に乗り始めた2023年、Mリーグチームからドラフト指名を受け、最年少Mリーガーに。不安も大きかったが、それよりも「挑戦しないまま逃げたくない」という思いが上回り、チーム加入を決意した。「Mリーガーになって2年。学んだことは数え切れません。実戦を重ねることで、今では自分の判断にも自信が持てるようになりました」と中田は笑顔を見せる。

 10代でアイドルという夢を追いかけ、20代で経営者、プロ雀士としての新たな挑戦を始めた。時には不安や迷いを抱えながらも、新しい道を切り拓いてきた中田は、30代に突入した今も新たな挑戦を続けている。今は最年少Mリーガーとして実力を認められることが大きな目標だが、「まずは動いてみる」がモットーの中田は、30歳の節目にいろいろな生き方にチャレンジしたいと意気込む。

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