「きったん」と「あーけん」がkrewData活用をディープに語る
krewData曼荼羅を見せてもらったら、業務改善や自動化のヒントが凝縮されていた
2025年03月10日 09時00分更新
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業務をブラックボックス化させない krewData曼荼羅は試行錯誤の連続
こうしたkrewData曼荼羅を二人はどのように作っているのだろうか？ 聞くと両者とも作り方は似通っており、業務フローの青写真と入出力データをイメージしながら、試行錯誤を重ねて作り上げていくという。「1つのフローに処理をまとめたり、あえて分岐させることでコマンド数が増えて、一見複雑な見た目になることもあります」と新井さん。もともと別々だったフローを統合した結果、一枚絵としては複雑に見えているというケースもあるとのこと。やはりkrewDataによる業務改善は試行錯誤の連続なのだ。
喜田さんがkrewDataフローの設計で注意しているのは、処理そのものよりも、アプリごとのデータの持たせ方だという。「シンプルな構造で集計しやすいデータと入力しやすいデータって違うじゃないですか。経理の明細はやはりテーブルとして持っておきたいけど、アプリとしてはレコードの方がよい場合もある。そこらへんの落とし所は悩むことがありますね」と喜田さんは語る。他部門の方に入力してもらうのであれば、みんなが使いやすいアプリを目指し、自分だけで使うのであればデータとして扱いやすい構成にしている。
一方、新井さんが注意しているのは、やはり保守性の観点。krewDataではコマンド数が増え、結果的に見た目が複雑になることもあるが、個別のコマンドが明記されている。そのため、ブラックボックス化されないため、あとから編集しやすいメリットがある。「役職ごと、入社経緯ごとなどで、それぞれ関数を組んでコマンド化すれば、スマート化はできます。でも、krewDataのフローで組んで、コマンドを並べることで、あえて曼荼羅化させています。ほかの人が手を入れるときに、わかりやすくなっているかは意識しています」と新井さんは説明してくれた。
また、krewDataを設計するにあって2人とも重宝しているのは、プレビューだ。「たとえば売掛金管理のための売上データや、買掛金管理のための仕入れデータはユーザーによる手入力なので、間違っている可能性もあります。スケジュールで流せれば楽なのですが、金額が合わなくなるとあとから追うのが大変なので、私は事前に確認するのを徹底しています」と喜田さんは語る。
krewDataユーザーとしては、このプレビューの機能はきわめて重要だ。「プレビューすることで、処理が正しいかを事前に調べられる。処理の途中でも試行錯誤できるのがkrewDataの魅力」と喜田さんはアピールする。
現場部門に業務をヒアリングし、krewDataのフローを作り上げる
新井さんは現場部門向けにkrewDataの利活用を提案している情シスの立場。現場部門で必要なシステムの構築には、コミュニケーションが欠かせないという。
「むしろずっと会話していたいタイプ（笑）」と語る新井さんは、週次で定例ミーティングを設けて、現場の解像度を高め、場合によっては、業務フロー自体の見直しも検討してもらう。あとはプロトタイプを作成し、現場で使って意見をもらい、トライ＆エラーを重ね、手触りのよいkrewDataのフローを設計している。「知らないことを理解できて、現場に少しずつ近づきますね」（新井さん）。
「現場部門とのやりとりは楽しい」と語る新井さん。「ミーティングで試作品のデモを披露すると現場からの『おおーっ』という反応が出てくるときは、アドレナリンが出ますね（笑）。この職種の魅力だと思います。期待には応えるけど、予想は裏切る。相手のニーズの一歩上をアウトプットすることが求められていると思います」とコメントする。
経理の立場で自らの業務をkintone化してきた喜田さんも、他部門でのkintone化を支援しているため、同じ感想だ。「ヒアリングして、現場部門に試してもらうのも楽しいですよね。『そう、そう、それがやりたかった』とか、『その苦労、気づいてくれた』とか、反応がうれしいです」と語る。
さらに新井さんは、現場部門向けに、krewDataフローを実行するための「司令室アプリ」を作成した。「ZOZOではITサービスブロックがkintone開発を行なっていますが、利用するのは現場部門。krewDataからボタンを押して実行する権限まで与えると、フロー自体まで編集できてしまいます。ヒューマンエラーを防ぐため、アプリで実行の権限だけを渡すようにしています」と新井さん。今回の例であれば、人事部門の労務担当者が利用するため、専用のアプリからボタンを押せばkrewDataの特定のフローが実行できるようになっている。
krewData曼荼羅を見たら、今後の展開にヒントをもらえた
お互いのkrewData曼荼羅を見てもらった後、それぞれに感想をいただく。
経理という立場で数字を扱うことの多い喜田さんは、人事系の情報をkrewDataで扱うというのが新鮮だったという。「krewDataのフローを見る機会はあったし、見れば、なにが行なわれているのかもだいたいわかるけど、どういう目的でフローを組んでいるのかを聞く機会はあまりなかったので、興味深かった。たとえば、人事情報のエラーチェックのためにフローを作ったことなんてなかったので、なるほどなあと思いました」と感想を語ってくれた。
数字ではなく、人事情報を扱ったフローを作成した新井さんは、「krewDataの可能性は無限大だと思っている一方、今はまだ一定の課題に対して、アウトプットしている道半ばな状態です。そんな立場で、他社のフローを見るというのは、『こういう使い方あるんだ』という気づきになり、可能性の具体化になりました。krewDataの集計・加工という機能を社内のさまざまなシチュエーションで活用できそうという希望ももらえました」とコメント。今後は人事・労務領域以外でのkintone活用を進めていきたいという。
普段なかなか見られないkrewData曼荼羅の中身を見せてもらったが、まさに業務フローそのままであることを理解してもらえただろうか。このようにkrewDataを利用すれば、kintoneアプリのデータの悩みはかなり解決できる。喜田さんは、「入力やユーザーインターフェイスに関しては別の課題になりますが、いったんデータを入れてもらえば、krewDataでだいたい処理できると思います」と太鼓判。新井さんも「kintoneデータを処理するにあたっては、krewDataは唯一無二。できることと実現しやすさが高い。プレビューしながら、作り上げるという作成者のためのホスピタリティも素晴らしいですね」と絶大な信頼を寄せる。krewDataユーザーの方々は、試行錯誤の証であるkrewData曼荼羅をぜひ見せてほしい。
