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マルチモーダルな生成AIアシスタントを搭載、さまざまな現場で簡単に使えるソリューション開発を推進

センサー×映像データで“現場改革”を MODEがキヤノンMJ、セーフィーと業務提携

2025年02月13日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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記者発表会に出席したMODE Co-Founder/CEOの上田学氏(中央)、セーフィー 開発本部 本部長兼CTOの森本数馬氏(左)、キヤノンマーケティングジャパン ソリューションデベロップメントセンター センター長の寺久保朝昭氏(右)

 建設工事、製造工場、流通小売など、幅広い業種の作業現場向けIoTプラットフォームを提供するMODEは、2025年2月12日、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)およびセーフィーとの業務提携を発表した。センサーデータに映像データと生成AI技術を掛け合わせることで、より高度な業務支援ソリューションを開発していく。

MODEとキヤノンMJ、セーフィーの提携概要。IoTセンサーデータと映像データを掛け合わせた現場ソリューション開発に取り組む

生成AIアシスタントで進化する“作業現場向け”IoTデータ基盤

 MODEが2022年から提供する「BizStack」は、あらゆる作業現場からセンサーデータ(IoTデータ)を収集/統合/管理するIoTプラットフォームだ。2023年には、生成AI技術による「BizStack Assistant」機能も追加し、AIアシスタントがビジネスチャット(Microsoft Teams、directなど)を介してセンサーデータに基づく質問応答も行えるようになっている。

 MODEの共同創業者でCEOを務める上田学氏は、昨年(2024年)にはこのBizStack Assistantが大規模な建設現場等などに導入され、活用され始めたと紹介する。

 「(BizStack Assistantでは)チャットシステム上にAIアシスタントが常駐しており、ユーザーはほかのメンバーと会話するのと同じように、AIアシスタントに指示を出したり質問をしたりすることができる。将来的にはインカム、トランシーバーでの音声のリアルタイムコミュニケーションにもAIアシスタントが参加して、音声で指示を出せば音声で答える、報告することも実現できるだろう」(MODE 上田氏)

MODE Co-Founder/CEOの上田学氏

 さまざまな作業現場でBizStackの活用が進化するにつれて、新たなニーズとして浮かび上がったのが「映像データ」を組み合わせた活用の高度化だ。

 たとえば、BizStackがセンサーデータの変化を検知してアラートを出したとしても、人間には「実際はどうなっているのか、現場の様子を見て確認したい」という気持ちが残る。そのため「センサーがキャッチした変化を、映像でスムーズに確認できる仕組みがあれば、非常に役立つことが分かった」という。

 もうひとつの進化が、生成AI分野における「マルチモーダルLLM」の登場だ。マルチモーダルLLMは、テキストデータの内容だけでなく画像/映像の内容も理解できる。この技術を取り入れることによって、さまざまな現場作業の支援に活用できる可能性がある。

 その具体例として、MODEでプロダクトマネージャーを務める渡邊飛雄馬氏は、「ヘルメットを被っていない人が現場に入ったら通知させる」「現場の混雑状況を時系列データに落とし込んでグラフ表示させる」「昨日一日で生コン車(コンクリートミキサー車)が何台入場したかをカウントさせる」といった簡単な活用例を紹介した。

一例として、AIアシスタントがカメラ映像から異常を判断(検知)し、アラート通知を行う機能を挙げた

そのほかの活用例。センサーデータで検知した異常を映像で確認したり、長時間の映像記録をAIアシスタントに確認させたりといった用途が考えられる

 なお、こうした映像データを活用した機能は、BizStack Assistantの追加機能(スキル)として段階的に実装していく計画だと述べた。上田氏は、AIアシスタント経由で映像を呼び出すような単純な機能は数カ月以内、AIアシスタントに監視の指示を出して継続的な映像監視を行わせるような機能は今年中を目途に投入したいと述べた。

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