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FIXER Tech Blog - AI/Machine Learning

自治体業務でどう使う? 生成AIアイデアソンに自治体職員が挑戦

2024年12月12日 10時00分更新

文● 小高一真/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「自治体職員が生成AIを活用したアイデアソンに挑戦!」を再編集したものです。

 本記事はFIXER Advent Calendar 2024(FIXER Advent Calendar 2024 ~ AI編 〜)12月5日の記事です。

1. アイデアソンの概要

 最近、何かと話題の「生成AI」。 自治体業務にも役立つのでは?という期待が高まる一方で、 「実際どう活用すればいいのか分からない…」というご意見をお客様からよく伺います。

 そこで今回、私たちが企画したのが「生成AI活用アイデアソン」です。

 目的は、生成AI(GaiXer)の活用を通して、職員の方の業務効率化と住民サービスの質向上を図ることです。

 普段から住民のために様々な業務に取り組んでいる職員の方たちにとって、時間不足や膨大な情報量は悩みの種です。このアイデアソンを通して、GaiXerがそんな悩みを解決する糸口になれば、という思いもありました。

 アイデアソン当日は、参加者たちはグループに分かれて日々の業務で実際に困っていることを共有し、GaiXerを活用した解決策を検討しました。 

「どんな課題があるのか」「生成AIでどう解決できるのか」「実際に使うとしたらどんな効果があるのか」

 参加者たちの表情は最初は戸惑いも見られましたが、活発な意見交換を通して徐々に真剣なものへと変わっていきます。

 このブログでは、アイデアソン当日のグループワークの様子や、そこで生まれた画期的な業務効率化のアイデアについてお伝えします。 生成AIの可能性を感じ、これからの業務の在り方について考えるきっかけになれば嬉しいです。

2. グループワーク

 当日のグループワークについてもう少し詳しくお話します。

 参加者を4~5名ずつのグループに分け、それぞれの業務で「GaiXerを活用できそうな業務」「GaiXerで解決できそうな課題」を出し合っていただきました。

 最初は「なかなかアイデアが出てこない…」と頭を抱えるグループもありましたが、 「VBAコードが生成できるとが楽になるかも」「他部署向けのお知らせ文書を、要約してもらったら分かりやすくなるのでは?」など、具体的な業務をイメージしながら話し合ううちに、徐々にアイデアが生まれてきます。

 各グループには、プロンプトの知識を持った私たち運営スタッフもサポートとして参加し、 「この業務のこのタスクにはGaiXerが使える」「こんなプロンプトを書いてみては?」とアドバイスをし、 時には一緒に頭を悩ませながら、アイデアを形にしていきました。

 グループワーク中はどのグループからも活発な意見交換の声が聞こえ、 GaiXerを活用できそうな業務を考える段階から積極的にGaiXerをご利用いただいていました。

 この熱気こそ、アイデアソン成功の予感! 私たち運営スタッフも、期待に胸を膨らませながら見守っていました。

3. 生まれたアイデア

 ここではグループワークで生まれた業務効率化のアイデアをご紹介します。

 多くのグループがGaiXerのテンプレート機能を活用し、プロンプトテンプレート1)を作成していただきました。

・職員の業務に沿ったVBAコードが生成されるテンプレート
・学習セット2)に過去のお問い合わせ内容と回答が記載されたファイルを登録し、新規お問い合わせの一次回答が生成できるテンプレート
・業務に関するメールを作成するテンプレート
・いくつもの文書を要約し、繋ぎ合わせてひとつの文書を作成するテンプレート
etc...

 普段の業務で生成AIに触れることが多い筆者でも意外な活用方法だと驚くものもあり、非常に勉強になりました。

ご参考
(1) テンプレート機能:事前にプロンプトを設定し、文字通り業務ごとの"テンプレート"を作成することができるGaiXerの機能のひとつ
(2) 学習セット機能:様々な形式のファイルを登録してその内容を基に回答生成が可能なRAG機能、こちらもGaiXerの機能のひとつ

4. まとめ

 今回のアイデアソンを通して、参加者である職員の方たちは、生成AIに対する理解を深め、その可能性を実感できたのではないでしょうか。

 最初は「生成AIって難しそう…」と不安げな表情を見せていた方も、 実際に手を動かしてプロンプトを作成し、GaiXerが期待通りの回答を出力してくれるのを目の当たりにすることで、 「こんなこともできるんだ!」「自分の業務にも活用できそう!」と、目を輝かせていました。

 また、最後に各グループでの成果を発表することで他職員の活用方法を知ることができ、より活用イメージが広がったとのお声をいただきました。

 もちろん、生成AIは万能ではありません。生成AIが出力した情報は必ずしも正確とは限らないため、最終的な判断は私たち人間が行う必要があります。しかし、生成AIをうまく活用することで、これまで時間をかけて行っていた作業を効率化し、より創造的な業務に時間を割くことができるようになるでしょう。

小高一真/FIXER
(おだか かずま)
スポーツをするのも観戦するのも好きな一般人です。
好奇心旺盛でなんでも興味あります。

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