NetSuiteやShopifyのデータ統合までCData Syncで実現したジョンマスターオーガニック

大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

提供: CData Software Japan

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 オーガニック化粧品を手がけるジョンマスターオーガニックは、データ連携サービス「CData Sync」を活用することで基幹システムOracle NetSuiteやShopifyを含むSaaSなどのデータを統合。経営やマーケティング、カスタマーサクセスなどあらゆる部門が利用可能な顧客データ分析を実現している。CData Syncの導入経緯と製品の魅力についてジョンマスターオーガニックの一ノ瀬光裕氏、CData Software Japanの疋田圭介氏に話を聞いた。

顧客を理解するためのDWHとのデータ連携をCData Syncで実現

 1990年代にニューヨークのサロンからスタートしたジョンマスターオーガニックはオーガニック化粧品ブランドの先駆者。天然由来成分を贅沢に利用したヘアケア・スキンケア・ボディケア製品を世界40カ国で展開しており。国内では40以上の実店舗とEC店舗でB2Cのビジネスだけでなく、ヘアサロン等を顧客としたB2Bのビジネスも展開している。

 ジョンマスターオーガニックのデジタルとITを統括するカスタマー・デジタル推進部の一ノ瀬光裕氏は、「オーガニックコスメの先駆者ではありますので、長く使っていただいているお客さまは多い。『もうこれしか使えない』と評価していただけるリピーターが多いのはわれわれの誇り。一方で、オーガニックブランドも増えているので、若い人も含めて新規顧客にいかにブランドを浸透・定着させていくのかも大きな課題です」と語る。顧客を理解するためのデータ分析は小売業である同社のビジネスそのものの要だ。

ジョンマスターオーガニック カスタマー・デジタル推進部 Director 一ノ瀬光裕氏

 2019年入社の一ノ瀬氏は現在、同氏を含め5人のメンバーでジョンマスターオーガニックの社内ITとEC基盤の刷新と運用を行なっている。「正直、入社時はお客さま起点のデータがなかった。店舗ごとや商品ごとの売上の金額、数量、お客様数の類はそれなりに把握できた一方で、お客様ごとの詳細な購買動向まで把握する術は皆無だった。精度の高い顧客データを集め、いかに分析してPDCAをまわしていくが大きな課題となっていました」と一ノ瀬氏は振り返る。

 まずは実店舗やECでのリアルタイムな売上の把握。加えてターゲティングされたマーケティングのため、顧客の属性や嗜好に関するデータも必須になる。売上数、商品、売上日、店舗、店舗、地域、従業員などの実績を登録した売上マスタに、顧客、商品、拠点、日付、従業員などの分析軸ごとのマスタを組み合わせた、いわゆるスタースキーマを、データウェアハウス(DWH)として構築し、担当者がデータを分析。販売・マーケティング戦略を立案し、PDCAを回していくのが狙いだ。

 こうしたデータ基盤を実現すべく、さまざまなデータソースとDWHとのデータ連携を行なっているのが、CData SoftwareのCData Syncだ。CData Syncは400以上のSaaS/データベースに対応したETL/ELTツール。GUIでデータソースとの接続、同期先の設定、ジョブの作成という3ステップで設定を行なうことで、データ統合を実現できる。

CData Syncの導入で開発工数を削減 データガバナンスや運用に注力

 ジョンマスターオーガニックでは、CData Syncを用いて基幹システムや各種SaaSとのデータ連携を実現している。具体的にはERPであるOracle NetSuiteの販売・受発注データ、実店舗の販売管理システムであるRetailProのPOSデータ、自社ECシステムであるShopify、外部ECの楽天・Yahoo!のデータなどを、Microsoft Azureクラウド上のMicrosoft SQL Serverで実装したDWHに取り込んでいる。また、カスタマーサクセスで用いているZendesk、社内の課題管理を行なっているBacklog、簡易データベースを持つSharePointのリストなどとも連携しており、社内で利用しているほとんどのデータをDWH上で分析できる体制が整えられてきた。

ジョンマスターオーガニックのシステム構成

 CData Syncというソリューションを、ネット検索で知ったという一ノ瀬氏は、「CData Syncがなければ、サービスごとにデータ形式やインターフェイス、スケジュールを取り決めて、連携プログラムを社内で作り込まなければなりません。この工数の係る古典的な自力開発では、多種多様かつクイックなデリバリを求める現場ニーズに応える点において、極めて厳しい状況でした。他方で、CData Syncはあらかじめ主要なSaaSやデータソースをサポートしているので、簡単、クイックに連携することが可能であり、本当に助かっています」と語る。

 CData Sync導入のメリットは、やはり開発工数の削減。CData Syncに連携を任せられたことで、本来データエンジニアが取り組むべきデータのガバナンスや整備に注力できるようになったのも大きなメリットだという。CData Syncに連携を任せられたことで、本来データエンジニアが取り組むべき、データのガバナンスや整備に注力できるようになったのも大きなメリットだという。

 CData Software Japanの疋田圭介氏は、「本来、お客さまはこうしたデータマネジメントに注力すべきなんです。データの中身やどう分析されるかをわかっている方が、どんなデータがどのマスタに存在すべきかを考える重要な設計工程。でも、多くのお客さまはそれ以前のデータを取り込むところの面倒な作業を外注してしまうため、オーナーシップをなくしてしまう。ジョンマスターオーガニックさまでCDataがそのテクニカルな課題を吸収し、お客さまがデータマネジメントに専念できているのであれば、大変うれしいです」と語る。

CData Software Japan 代表社員 職務執行者 疋田圭介氏

ずば抜けて素晴らしかったCDataのサポート

 もう1つは安定した品質だ。ただ、ここで言う品質とは動作の安定度だけでなく、サポートチームの品質の高さが重要だという。「さまざまな会社とおつきあいありますが、その中でもCDataさんのサポートはずば抜けて素晴らしい。返ってくる回答もとても的確ですし、なにより速い。ツール自体は素晴らしいものの導入後のサポートが全然、という事例は、枚挙にいとまにない中で、CData社のサポートは特筆に値する。これはぜひ記事に書いてください(笑)」と一ノ瀬氏は、高く評価する。

 クラウドの時代、多種多様なITツールをサブスクリプションで手軽に導入できるようになったが、重要なのはユーザーが価値を得られるまで併走してくれるベンダーのサポートだという。「ツールってどうしてもうまく使えないことがあります。特にデータ連携のようなマニアックな分野だと、困ったときにすぐ答えてくれるというサポート体制は本当にクリティカルだと思います」と一ノ瀬氏は持論を披露する。

 一例として挙げてくれたのは、Oracle NetSuiteとの連携だ。「NetSuiteは販売や売上のデータを集まっているまさに基幹システム。2年前に導入したこのNetSuiteのデータをDWHに取り込むのに、それなりに苦労しました」と一ノ瀬氏は振り返る。NetSuiteは、データ構造が複雑で、オブジェクト数も多い。ベストプラクティスも少なく、CData社にとっても連携の難易度は高かった。

 結局、ログを解析し、トライ&エラーを重ね、連携を実現。正味2ヶ月かかったが、CData社側も粘り強く対応し、カットオーバーに間に合わせた。「リモートのサポートだと、なんとなく手を引いちゃうベンダーってなくはないと思います。でも、CData社は逃げなかった。解決まで真摯に対応しつづけて頂き、本当に感謝しています」と一ノ瀬氏は振り返る。CDataの疋田氏は、「解決まで2ヶ月かかったのはわれわれとしてはかなり長く、ご迷惑をおかけしたと思っています。でも、ジョンマスターオーガニックさまがログの提出やエンジニアの問い合わせに、きちんと対応していただいたおかげで、連携を実現し課題解決に至ることができました」と応じる。

 なぜCData社のサポート品質が高いのか? 疋田氏は、「いい意味でうちはエンジニアしかいない。みんな手を動かして、自らが検証します。いいエンジニアが揃っているし、会社としてもエンジニアが働きやすい環境を整えています。エンジニアがレベルの高いお客さまのエンジニアをサポートするというのが、CData社の役割だと思っています」と語る。「30年近くIT業界にいますが、ここまで期待以上の効果を目の当たりにした製品は皆無に近い。その理由の1つは、間違いなくサポート品質です」と一ノ瀬氏は強調する。

さまざまなデータソースに対応し、トライ&エラーが可能なCData Sync

 さまざまなソースから集められたDWHのデータはCRMとして利活用されている。「たとえば、直近で購買のないお客さまに対して、MAを使ってメールやLINEで案内を出したり、どんなキャンペーンが効果的かを検討する材料にも使っています」(一ノ瀬氏)。

 本取材では、社員が利用できるPower BIのレポート見せてもらったが、顧客の属性にあわせた売れ筋製品、実店舗やEC店舗の売れ調などが、一目でグラフィカルにわかるようになっている。また、「最終購入日」「購入頻度」「購入金額」などの指標を用いて顧客をグループ化するRFM分析も可能。カスタマーサクセス部門のZendeskなども取り込んでいるため、顧客の問い合わせ内容と製品情報を、関連付けることもできるという。

 これらのレポートは、経営やセールス、マーケティングの部門などのリクエストに応じて、一ノ瀬らが作成し各部門にデリバリしている。「今まではデータを揃えるためのプログラム開発からスタートせざるを得ない状況でしたが、CData Syncによよって開発工数が劇的に削減され、結果として、現場へレポートをデリバリするまでのスピードも、まさに桁違いに向上しています」と一ノ瀬氏は語る。

 現在新たに取り組んでいる1例は、Google AnalyticsによるECサイトの分析。今後は、XやInstagram、FacebookなどのSNSの口コミのAI分析などにも取り組み、CRM高度化の1助としたいとのこと。「商品へのコメント、ネガティブ・ポジティブなどの分析ができれば面白いなと思っています。そこから得られる洞察等によって、お客さまに対して、よりよいサービスを提供できるはず。欲しいと思いつくデータソースについては、CData Syncでは、凡そすべて接続先として標準提供されているので、それを基点に簡単にデータを取り込めます」と一ノ瀬氏は語る。さまざまなデータソースを接続するようなトライ&エラーが可能であることも、幅広いデータソースに対応し、自由に接続できる柔軟なライセンス体系を持つCData Syncの魅力だという。

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