目指すは楽団所属&娘との合奏! アラフォーシングルマザーが再び音楽の道へ【作者に聞いた】

文●杉山幸恵

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次男を連れて見学&練習会に参加! そして念願の楽団入りをかなえる

 とんとん拍子にB楽団の見学日が決まり、さらには楽器を持参すれば練習に参加もできるとのこと。子連れも大歓迎という楽団だったので音楽好きの次男を連れて、練習場へと向かった。

 「当日はめちゃくちゃ緊張しました。楽器も持ってはいったのですが、チューニング(最初の音合わせ)の仕方すら忘れていたので、場違いなんじゃないかな~という不安でいっぱい。でも、それ以上にワクワクしていました!」

 練習場所には龍さん以外にもう一人、赤ちゃんを連れた見学者がいたほか、終始アットホームな雰囲気だったという。

 「練習の現場が思っていたよりすごくゆるくて(笑)。子どもたちは遊んでるし、合奏中に子どものトイレで離席したりもありだし。高校の吹奏楽部での記憶として残っていた、私の知ってるピリピリした感じでは全然なかったです。肝心の練習ですが、初見で『さんぽ』を演奏したんですけど、まぁ音程は合わないし、譜面迷子になるし、散々でした(笑)。でも、ものすごく楽しかったですね。涙が出るくらい。合奏ってこんなに楽しかったんだ、って」

 「子どもと一緒に音楽を楽しめること」をモットーとし、子育て施設などでの演奏会も多いというB楽団。龍さんが気にしていたブランクについても「気にしないでOK」という返事だったそう。そして、2度目の見学&練習参加を経て、正式に入団を決めた。

 「少人数でゆるくやっているというところと、子連れOKというところが決め手でした。それにとてもウェルカムな雰囲気で迎えてもらって安心したというのもあります。子どもたちにも音楽に触れてもらえるし、自分も無理なく楽しめそうな雰囲気がよかったですね」

 娘のすーちゃんも楽団での活動について興味を持っているそうで、「どんな曲やってるの?」などと、2人で音楽の話で盛り上がることが増えたそう。そんな龍さんに、入団してから1年ほど経った今の心境を聞いてみた。

 「基本的にはとっても楽しいです! 小さい楽団ながら、お祭りや地域の文化祭など、依頼演奏の機会がけっこうあって、小さなステージでも、聴いてくれる人に喜んでもらえるのがうれしいですね。ただ、本業の漫画が忙しい時は、練習に参加できないこともあって、そういう時は辛いです…」

 楽団に所属し、合奏するという願いを実現させた龍たまこさん。そして、もう一つ夢である「いつか娘と合奏する」という夢をかなえる日がやって来た。

 「楽団には団員の子どもたちも来ていることが多いので、子ども好きのすーちゃんが時々子守のお姉さん的な感じで手伝ってくれていたんです。そうしたら、楽団の方から『よかったら奏者として参加しない?』と声をかけてもらったのがきっかけで。楽団にはホルンがいないので、貴重なホルンパートとして、参加させてもらうことになったんです」

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